第93話 女王からの依頼 2つ目
リナベルがお茶を用意し、女王様の前に置いた。
「ありがとう。……コーディは大丈夫か?負傷中と聞いたが」
女王様は少し厳しい顔をしている。
「ええ、ヴァルドファードと戦った時に深い傷を負ってしまいましたが、現在は快方に向かっていますので、ご心配には及びません」
「そうか、それならば良かった」
女王様の表情がふっと緩んだ。ほんとに心配してくれてたんだな。
「ここに来たのは、これを君に渡すのと、一つ話があったからなのだが……、まずはこれを」
女王様は抱えていた箱から竜の宝玉を取り出した。
「君に預けよう」
「えっ……、いいんですか?」
「うむ。きっと役に立つだろう」
「あ、ありがとうございます」
ベヒモスに頼んでもらうまでもなかったな。
俺は女王様の前まで歩いて行き、片膝を立てて座った。
さすがに片手で受け取る訳にはいかず、何とか両手を揃えて受け取ったが、左手に少し当たってしまい、手袋の上からでも硬質な音が出た。
……しまった、あの顔は気付いてるな 。
「そう言えば、飛竜騎士団から報告が上がってきていたな、君の左手が厄介なことになっており動かせないようだと。病院には行ったのか?」
「い、いいえ……」
「病院では無理だと判断したか?……どれ、私に見せてみよ。呪いの類なら良い解呪師を知っているから紹介してやろう」
女王様からの命令ならしょうがない。俺は観念して左手の手袋を外した。
「これ……は、いったいどういうことだ?」
女王様は目を見開いて、俺の左手を凝視した。
「俺も詳しいことはよく分からないんですが、機神に……作り変えられているみたいです……。今はこの腕輪のカで、これ以上進まないようにしてもらってますが、その副作用で左手が動かせなくなってるんです……」
「そうだったのか……しかし、何故そのようなことに……?」
「天のヴァルドファードの1の斧、アクセラバードに私たち……特にライト君は部下にと望まれていまして……。恐らくですが……通常捕らえてから施される処置を、先にされてしまったのではないかと……」
俺に代わってリナベルが口を開いた。
「……確かにこれは病院でも解呪師でも無理だな、まさかの機神関連だったとは……」
女王様は溜め息をつき、目を伏せた。
「……機神からも狙われているというのか……であるならば、この話をするのはやめておいた方がよいか……」
女王様は迷っているようだった。
「そう言われると、気になっちゃいますね」
リナベルは首を突っ込むの、意外と好きだからな。
「聞いてしまえば協力してもらうことになるが……それでも良いか?」
俺としては穏便に過ごしたいから、聞かないんだけど。
「いいですよ。私たちに出来ることであれば」
そうだよなぁ、やっぱりリナベルならそうするよな。
「そうか、助かる。……ではさっそくだが……とある貴族が裏で色々やらかしていてな。詳細は省くが、今度はノルドツァンナに取り入ろうとしているらしいという情報を得た。……どのような方法で?……そう、ライト、君を捕らえてディムヘルト王に献上するらしい」
なんだって!?




