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ある冒険者たちが世界を救うまで  作者: 如月つばさ


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90/120

第90話 再びの謁見

 俺たちの乗ったワイバーンは、城の中庭のような所に着地した。

 すぐにお世話係の人たちがやってきて、俺たちが降りる手伝いをしてくれた後、騎士と一緒にワイバーンを連れていった。


 リナベルとその様子を見ていると、一人の軽装備の男性が俺たちの前にやってきて、優雅に一礼した。

「お久し振りでございます。近衛のアーウィンです」

 以前、女王様に謁見した時に、宿まで迎えに来てくれた人だ。

「ここからは私が案内いたします。どうぞこちらへ」

 アーウィンは俺とリナベルを伴って歩き始めた。


 中庭のような所から少し歩くと、回廊に出た。

 美しく手入れされた庭園がよく見える。

 その時だった。

「リナベル、今……」

 俺は小声でリナベルを呼んだ。

「ええ、変な視線だったわね……」

 リナベルも気付いていたようだ。

 確認や好奇心じゃない、鋭い視線。まるで獲物を見付けた時のような……。

 アーウィンは気にする素振りもなく、前を歩いている。

「とりあえず様子を見ましょうか」

 小声で言ったリナベルに、俺はうなずいた。


 そして謁見の間の前室へとやってきた。

「……もう少しかかりそうですね。申し訳ありませんが、今しばらくお待ちください」

 アーウィンの言葉に俺たちはうなずいて、そこにある椅子に腰掛けた。


 それから20分ぐらいして、ようやく俺たちに声がかかった。

 大きな門をくぐり、女王様の前まで進み、片膝をついて礼をする。

「ガーディアンフォース所属のリナベル・スカーレット及びライト・アルトノートです」

 近衛兵がよく通る声で俺たちの名を告げた。

「面を上げよ」

 女王様の許しを得て、俺とリナベルは顔を上げた。

「ガーディアンフォースのジェラルド団長から聞いている。ついに竜の宝玉を機神の手から奪還したそうだな。早速見せてもらえるか?」

「はい、分かりました」

 リナベルが宙に手を突っ込んで、竜の宝玉を取り出した。

 あれ以上力を使われては堪らないと、ここに着く前にリナベルに取り上げられたのだ。


 リナベルの側にやってきた近衛兵が持っているクッションの上に、竜の宝玉を乗せる。

 近衛兵は女王様の所まで歩いて行き、恭しく竜の宝玉を差し出した。


 女王様は竜の宝玉を手に取って、しばらく眺めていたが、突然右手を上げた。

「人払いを」

 その短い言葉で、謁見の間にいた人々が殆どいなくなった。

 残っているのは女王様の隣に立っている宰相みたいな人と、二人の護衛の騎士だけだった。

「リナベル、ライト、ここからは自由に発言することを許そう。……その前に」

 女王様は竜の宝玉に向かって、呪文のようなものを唱えた。

 すると、竜の宝玉が一瞬、光を放った後……。


「……我を開放したのはそなたか?」

 喋った……!

「はい。私の名はエウスレーカ・フレナ・アーイディオンポース。どうかあなたの力を貸していただけないだろうか?」

「我が力を借りて何とする?」

「私たちに精霊竜の声を届けてほしい」

「ふむ……良いだろう」

 女王様は竜の宝玉に礼を言った。


 そして、改めて俺たちを見た。

「竜の宝玉についての依頼はこれにて完了だ。ご苦労だったな、約束通り報酬を支払おう。それと……もう一つ仕事を頼みたいのだが、受けてくれるか?」

「ええと……内容によりますが……」

「ふふっ、慎重だな。だが、どのみち……そなたに受けてもらわねば困るのだ、ライトよ」

「えっ!? お……俺ですか?」

「そうだ。この依頼は私からというよりは、ジェラルド団長からという方が正しいかもしれんがな」

「それは……もうほぼ任務ですよね……」

「ははは、そう捉えてもらっても構わぬ。その前に……まずは少し状況の確認をしようか」

 女王様はそう言って、隣に立つ宰相みたいな人に声をかけた。

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