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ある冒険者たちが世界を救うまで  作者: 如月つばさ


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第76話 要請

 ヒルダが出してくれたお茶を一口飲んだ途端。

「ぶふっ……!」

 苦い!思わず吹き出してしまった。

「どうだい?目が覚めたろう?」

 ヒルダがにやにやしながら俺を見ている。

「くっそ……俺がいったい何をしたっていうんだ、結構踏んだり蹴ったりな目に合ってるのに……」


 テーブルに置いてあった布巾で吹き出したお茶を拭きながら、俺はジト目でヒルダを見返した。

「ほら、でも目は覚めたろ?」

 念押しされた。……確かに目は覚めたけども。

「俺、どれくらい寝てた?」

「もうそろそろ昼ご飯ってとこだよ」

「えっ、ほんとに……!?」

 朝ご飯すら食べてないのに……!

 俺が驚いていると、リナベルとコーディが部屋に入ってきた。


「あら、起きてたのね」

 俺を不調にした張本人は、ものすごくつやつやしていた。

 コーディはいつもと同じように見える。

「リナベル、あんたも少し加減してやんな。ここもいつ襲われるか分かんないから、戦闘要員の頭数減らすのはやめておくれよ」

「ここが襲われるのは一番最後だと思うけど。……でもそうね。昨日は少しやりすぎたわ。ごめんね、ライト君」

 そう言ってリナベルは俺の頭をなでた。

「ほんと、頼むよ……」

 俺が再びテーブルに突っ伏した時。


〝悠久の翼(エターナルウイング)、聞こえているか?応答を願う。繰り返す、悠久の翼(エターナルウイング)……〟

「聞こえているわ、こちら悠久の翼(エターナルウイング)、何かあったの?」

 ナビゲーションボードからジェラルド団長の声が聞こえてきて、リナベルが応答した。

〝そちらの状況はどうだ?何とかなりそうか?〟

「そうね、解決まではしばらくかかりそうだけど、ひとまずこれ以上の侵食は食い止められたってところかしら」

〝そうか!……実はこちらで問題が発生して、君たちに相談なんだが……〟


 ジェラルド団長はナビゲーションボードを外に向け、景色を映し出した。

 どうやら屋外にいるらしい。俯瞰で何かの建物が見える。

〝あの後、予定通り我々は機神の基地を叩くべく行動を開始した。あれが今回のターゲットとなる機神の基地だ。今回もスールブリッサの騎士団とノルドツァンナの軍、そしてガーディアンフォースが協力して叩くことになった。現在テレポーターを使用して、基地の近くまで人や物資を運び込んでいる最中だが……見えるか?〟


 ジェラルド団長は塔のような建物を映した。

〝あれが基地の周りに4つあって……調べさせたところによると、一種の結界を張る装置らしい。ただ……あまりにも巨大なのと、設置されている範囲が広すぎて、攻略に時間がかかりそうでな〟

 ジェラルド団長は一度言葉を切った。

〝あれらが結界を張っている間は基地に手出しが出来ない。そこで……だ。精霊竜ならば何とかできるのではないかと思ってな。……1つだけなら王の盾(グランシールド)で破壊できそうなのだが……〟


 リナベルが俺を見てはっとした顔をした。

「団長、準備はあとどれくらいで終わるかしら?」

〝明後日の朝には完了するだろう。……間に合いそうか?〟

「そ、そうね、多分……大丈夫だと思うわ」

〝良かった。すまないが、よろしく頼む。……基地の位置情報を送ろう、ではまた明後日に〟

 そう言ってジェラルド団長は通信を終了した。


「あ、来たわね。……スールブリッサから南東の方か。まさかこんなに早くお声がかかるとはね。……色々ごめんね、ライト君」

「うん、まぁ……今回は後方支援っぽいからいいけどな」

 俺は上体を起こして答えた。

「じゃ、話がついたところで、そろそろ昼ご飯にしようかね」

「さんせーだ」

 そうして俺たちはみんなで食事の準備をすることになったのだった。

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