第63話 昔話
昔の人……って言っても100年ぐらい前だけど、結構すごかったんだな。
今、コーディみたいなアンドロイド?を造れって言われても無理なんじゃないかと思う。
あー、真祖様みたいに桁違いの魔力があれば、分身みたいなのは生み出せそうだけど。っていうか、すでにいたな……。
だけどそれは魔力で出来てるから、本当に実在するわけじゃない。
コーディはちゃんとそこにいて、自分で考えて動いてるんだよな。本当の人間みたいに。
ルフトカイザーでの一件がなかったら、絶対分からなかったと思う。
あ、ただ……やたらと目が良かったり、感覚が鋭かったりで、少し違和感はあったかも……。
コーディに聞いたら、結構いいセンサーを積んでるからって言われたんだけど……コーディと話してると知らない単語がたくさん出てくるから、いまいちよく分からないんだよな……。
だから昔の人ってすごいなって思ったんだけど、どうしてその技術が今に伝わってないんだろうな?
「最初は本当に……何ていうか、人間味が無かったからね。随分鍛えてあげたわよ」
リナベルはからからと笑っている。
人間味って……。
「リナベルったら酷いんだ。僕に感情……というか、ある程度人の心の機微が分かるようになってきた頃に、よく町に行くようになってね。人と交流してこいって言って、僕を置き去りにしてどこかへ行って……。結果は良くて変なやつ扱い、悪いと町を追われる……なんてこともあったんだよ」
俺は思わずコーディに同情してしまった。
それと、コーディがあまり喋らない理由が分かった気がする。
「……よくリナベルが嫌いにならなかったな」
「リナベルは命令という形はとらなかったから、昔は反発することもあったけど……なんだかんだで僕の一番の理解者だったから、嫌いっていうところまではいかなかったんだよね」
「そっか……。俺はコーディを尊敬するよ」
「尊敬? 大袈裟だなぁ」
そう言ってコーディは笑った。
コーディも辛いことや苦しいこと……きっといろんなことを乗りこえてきたんだな。
まぁ時々もやもやして、例の銃をぶっ放してたんだろうけど。
「じゃあ、リナベルと旅を始めて結構長いのか?」
「そうだね……もう100年ぐらいになるかな」
「ひゃく……!?」
リナベルはともかく、コーディも100歳超えとは驚きだ。
あ、でも前の機神との戦いの時にいたのならそうなるか。
「……昔話もいいけど、そろそろ底に着くわよ」
そのリナベルの言葉に下を見ると、確かに地面のようなものが見える。
どうやらかなり下まできたみたいで、少し空気がひんやりしていた。




