第59話 整理のつかない心
ジェラルド団長に報告を終えた俺たちは、ひとまず宿に戻ることにした。
リナベルの提案が受け入れられるかは、明日にならないと分からない。
俺たちは1階の食堂で早めの夕食をとったあと、それぞれの部屋に入って休むことにした。
先程からコーディは銃の手入れをしている。
へえ、あれってそんな風に分解できるんだ……面白いな。
コーディの動く指先を見ながら、俺はルフトカイザーでの出来事を思い出していた。
コーディが腕を怪我した時……見えた骨。
フェルドのこともあるし、コーディももしかしたら機神に捕まってたことがあるのかも……。
聞いてみたいけど、トラウマだったら嫌だろうしな……。
「どうしたの?またぼんやりしてるよ」
考えていたら、コーディから声をかけられた。
いつの間にか銃の手入れは終わっていたらしい。
「あ……ああ、うん、ごめん……いろいろ考えてて……」
「君のお師匠さんのこと……かい?」
気遣うような目で、コーディは俺を見ている。
「もちろんそれもあるんだけど……」
ジェラルド団長から師匠のことを聞いた時、俺はしばらく放心していたらしい。
リナベルにずいぶん肩を揺さぶられてたみたいだ。
「フェルドのこととか……」
それにコーディのこととか……。リナベルは……何か知ってるのかな。
「いろいろありすぎて、まだ心の整理がついてないんだ……」
「そうか……そうだね……」
それからしばらくの間、部屋は沈黙に包まれていた。
その沈黙を破ったのはコーディだった。
「思い出した。ライト君、リントヴルムにエネルギー補給をしてやってくれないか?きっとお腹を空かせてると思うんだ」
「あっ……」
そういえばルフトカイザー突入からずっと補給してないよな。
「わかった、急いで行こう。ちょっとリナベルに言ってくるよ」
部屋を出て隣の部屋をノックしたが返事がない。
「あれ?どっか行ってるのかな?」
後から出てきたコーディは首を傾げている。
「珍しいね、断りなく単独行動するなんて。でも多分、明日までには帰ってくるよ。……まぁ彼女が本気になれば、僕たちの後を追うなんて造作もないことだから大丈夫だよ」
そうなのか。すごいな、リナベル。
「それじゃ行こうか」
俺はうなずいてコーディの後についていった。




