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ある冒険者たちが世界を救うまで  作者: 如月つばさ


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118/120

第118話 新たな精霊竜との契約

〝……してライトよ、何用でここへ参った?〟

 フェンリルが俺に問いかけた。

「お願いがあるんだ。機神を倒すために、あなたたちの力を貸してほしい……、俺と契約してくれないか?」

〝なるほど……〟

 フェンリルは少しの間、俺を観察しているようだった。


〝サラマンダー、レヴィアタン、ティアマト、ヨルムンガンド……それにベヒモスか。ふむ、中々精進しているではないか。……我は良いと思うが、皆はどうか?〟

 フェンリルは他の精霊竜に尋ねた。

〝構わぬ〟

〝良い〟

〝異論はない〟

 フレースヴェルグ、テュポーン、ケツァールコアトルがそれぞれ答えた。


〝皆の意見が一致した。我々はそなたに力を貸そう、ライトよ〟

 フェンリルがそう言うと、球形の光を発生させた。

 他の三体も同じように球形の光を発生させている。

 やがて四つの光が俺の目の前までふわふわと下りてくると、一つに合わさって俺の身体に吸い込まれていった。


「……ありがとう」

 また試されるんじゃないかと思ってたから、ちょっと拍子抜けしたけど、温かいものに満たされて、思いのほか心地よかった。

〝そなたが一番身軽に動けるゆえ、機神の件は宜しく頼む。何かあれば我等を頼るがよい〟

「うん、分かった」

〝……時間が許せば、バハムートにも挨拶していくとよい〟

 フレースヴェルグが口を開いた。

「えっ!? ……会えるのか……?」

〝この祭祀場の奥にある建物から、バハムートが坐す地へ飛べる。姿を現してくれるかは分からんがな〟

「そっか……うん、行ってみるよ」

 俺たちは改めて礼を言い、建物を後にした。



 機神が使う精神感応兵器(ウェポン)は野や山林を焼き払い、川や湖なんかを干上がらせたりと、精霊竜が司る自然を破壊することで、深刻なダメージを与えた。その結果、精霊竜の力は弱まり、土地が痩せて木や草が生えなくなったり、農作物が採れなくなったりと、人の生活にも多大な影響が出ることになった。

 その頃からダンジョンなるものが現れ始め、辛うじて人が生活できる物資を調達できている。

 けど、それもいつまで保つか分からない。

 早く機神との戦いを終わらせて、精霊竜の力を回復しなければ、多分、取り返しのつかないことになる。


 バハムートは精霊竜王と称される通り、精霊竜の中でも抜きん出て力があるとされている。司るものも広範囲で、それゆえ一番ダメージを受けているとも言われている。

 もはや姿を見た者はおらず、伝説とまで言われ始めているんだけど……。



 俺たちは真っ直ぐな道を通り、フレースヴェルグに言われた建物に入っていった。

 リントヴルムに乗っている時に見えた、離れた所にある中くらいの建物だ。

 だだっ広い部屋の中には大きな竜の像と、その像の前に転移用の魔法陣があった。

「……これ、バハムートなのかな?」

 俺は目の前の大きな竜の像を見上げた。


 彩色こそされていないが、天に向かって咆哮し翼を広げている竜は、今にも動き出しそうでカッコいい。

「さすがに私も見たことないけど、その可能性は高いんじゃないかしら」

 リナベルも竜の像を見上げていたが、少しして俺に向き直った。

「それじゃ、行きましょうか」

 俺とコーディはうなずいて、三人で魔法陣の上に乗った。

 淡い光が俺たちを包みこみ、ややあって浮遊感が訪れた。

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