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ある冒険者たちが世界を救うまで  作者: 如月つばさ


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109/120

第109話 自室にて

 次に目を開けた時、そこには見なれた天井があった。

「……いつの間に……」

 インディアの俺の部屋だ。

 ベッドサイドのテーブルを見ると、竜の宝玉がちょこんと止まっていて、左手の手袋と師匠の魔法陣符(マジックカード)が置かれていた。

「あっ……」

 俺は飛び起きて、急いで手袋をはめた。

 左手のことはじいちゃんに説明してるけど、あんまり見られたくないんだよな。

 そして師匠の魔法陣符(マジックカード)を手にとった。

 ……ベヒモスが拾ってくれたのかな。


「そういえば、お礼を言ってなかったな。見届けてくれて、ありがとう」

 俺はテーブルに止まっている竜の宝玉に感謝を伝えた。

 あの時の俺に、独りじゃないと伝えてくれたのは、やっぱり有り難かった。

「うむ、そなたは良くやった」

 そう言って俺の頭の周りを飛び回った後、頭の上に着地した。


「あら、お目覚めのようね」

 声が聞こえた方を見ると、部屋の入口からリナベルが顔を出していた。

「リナベル!……あ」

 俺、そういえばリナベルに何も言わずに行っちゃったよな。

 ま、まずい……、ここは先手必勝だ!

「ごめん、リナベル!勝手に動いちゃって……!この通りだ、謝るよ!」

 俺は勢いよくリナベルに頭を下げた。


 そのままの姿勢で待っていると、リナベルがゆっくりと近付いてきた。

「……私に吸血された後だったから、ちょっとびっくりしたけど……」

 俺の前で立ち止まると、俺に頭を上げさせた。

「詳しくはベヒモスから聞いたわ。……大変だったわね」

 そう言うと、俺を抱き締めた。

「リナベル……怒らないのか?」

「あら?怒って欲しかったの?」

「い、いや……」

「……怒れないわよ。……マリーを送って、無事に戻ってきたんだから」

 リナベルは俺の頭をぽんぽんっと軽く叩いて、俺から離れた。

「……アクセラバードもいたって聞いたわ、ほんとによく無事だったわね」

「うん、それなんだけど……最初に来たのはグラナギアで……」

 俺はその時の状況をリナベルに話した。


「結果的に……アクセラバードに助けられた形になったのかも……」

 リナベルは難しい顔をしていた。

「……ライト君、それを恩に感じてはダメよ。あくまで向こうの都合でそうなっただけ。あなたは運が良かったのよ」

「そ……そうなのかな?」

「ええ、そうよ」

 リナベルが真っ直ぐに俺を見つめてきた。

 その目を見ていると、なんだかそんな気がしてきた。

「確かに……運が良かったんだろうな」


 その時、俺の腹の虫が盛大に鳴いた。

「ご、ごめん……。そういえば俺、どれくらい寝てたんだ?」

「うふふ、まる二日ってところかしら」

 俺は衝撃を受けた。豊穣の力を使った時でさえ、まる一日だったのに……。

 そりゃ腹も減るわな。

「あなたが泣き疲れて寝てしまったって、ベヒモスが言ってたわ。それでここへ運んで来た時、一悶着あったんだけど、デジャヴを見てるようで面白かったわ」

 リナベルはころころと笑った。

 ……俺が寝てた間に何があったんだろうな?

「さ、それじゃご飯を食べに行きましょ。おじいさんを安心させてあげて」

「うん、そうだな」

 俺はリナベルと共にダイニングへ移動した。

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