市長就任
?「奴らが手を組んだことで町が発展したようだな」
?「どうします?正面から戦うのは骨が折れると思うのですが」
?「かくなる上は乗っ取ってやるしかない・・・」
?「どうされるんですか?」
?「呼び出してまとめて始末してやる」
シン・ド・ジュクとクブロ・ヴェイとの交易は続き、お互いの町は発展した。
人口も急激に伸びて住宅需要は高まったものの治安はやや悪化。
住宅は増えると同時に留置場や刑務所の稼働率は倍となった。
ギルドでの仕事も見回りや警備などが増えた。
僕と5人のおじさんたちは新しい問題に頭を抱えていた。
冒険者ギルド長「参ったな、来る日も来る日も警備の仕事ばかりだ」
警備隊長「仕事量に対して求人が追い付かないよ」
商工会議所長「警棒なんかは売れてるがな」
建築ギルド長「ホームレスなんかも前より増えたな、住宅は作ってるんだけどな」
「参りましたね」
建築ギルド長「おい、市長、どうするんだ?」
「ええ!?誰が市長なんですか!?」
冒険者ギルド長「お前しかいないだろう」
警備隊長「専門外なんでな」
商工会議所長「めんどくさそうだし」
建築ギルド長「頼むよ市長」
クブロ・ヴェイ「俺は今まで通りうちの町シメるから、お前は合同都市のまとめ役ってことで」
「こんなぽっと出の小僧に誰がついてくるんですか!?」
冒険者ギルド長「俺たちが文句言わせないよ」
警備隊長「この中の誰かが出世すると揉めるんでな」
商工会議所長「めんどくさそうだし」
建築ギルド長「工事に手が回らなくなるのが嫌でな」
クブロ・ヴェイ「大丈夫、命の心配なら護衛を数人つけてやるよ」
「そういう問題ではありません!!」
建築ギルド長「さしあたっては街のホームレス問題だな」
冒険者ギルド長「こいつらが街の景観を著しく下げててな」
警備隊長「たまに悪事を働くやつもいるし」
商工会議所長「まあ魔物からは安全だから集まってくるんだろうな」
建築ギルド長「寝床用意してやってもいいんだけど家賃取れないとなあ」
クブロ・ヴェイ「金にならねえ奴らはほっといてもいいんだがよ」
「わかりました、僕が赴いて解決してきます」
いつの間にか市長になった僕は街のホームレス問題を解決しに向かうのであった。
クブロ・ヴェイさんの手下数人を護衛にしてもらってホームレスの多いエリアに向かうのだった。
手下A「へー、あんたが新しい市長さんかい、うちのボスも酔狂だねえ」
「はあ、自分でも何が何だか」
手下B「おいおい、魔法を使える人にそれは失礼だぜ」
「正確には魔法じゃないんですけど・・・」
手下C「ホームレスなんてカツアゲするか汚れ仕事させるかの二択しかねえんだがな」
怖い、この人たち・・・
「一応福祉の観点からはですね、住むところと食べ物を用意してから仕事してもらうことになりますね」
手下A「仕事ねえ、年取ってるやつも多いし何ができるんだ?」
「街の掃除とかですね」
手下B「なるほど、そういう仕事なら出来そうだな」
手下C「早速あそこにいる奴に声をかけるか」
ドキドキ
僕はなかなかない状況に異様に緊張していた。
「こんにちは・・・」
ホームレスA「ひっ、マフィアが何の用だ・・・!?」
「あの、なんでホームレスやってるんですか?」
ホームレスA「もともと冒険者だったんだがけがをしてしまって冒険できなくなってしまったんだよ」
手下B「なるほどなあ」
ホームレスA「仕方ないから残飯漁ったり炊き出しに頼ったりしてるんだ」
手下A「どうする?ボスたちになんて説明しよう」
「差し当たっては段ボールを配ります、当面の寒さは凌げるはずです」
手下B「なるほどなあ」
「商工会議所長に言って在庫の段ボールをわけてもらって、足りない分は僕が作ります」
そう言えば税金とかの徴収はどうやってやってるんだろう。
今度聞いてみることにした。
冒険者ギルド長「税金?そんなものないぜ」
警備隊長「仕事をこなして金もらうだけだ」
商工会議所長「シノギが全てだぜ」
建築ギルド長「まさか俺たちから徴収しようってのかい?」
クブロ・ヴェイ「いい度胸してるな」
「いえ、税金がないと街が運営出来ないと思うのですが・・・」
冒険者ギルド長「あ、新たにこの街に来る奴らから徴収するか」
警備隊長「そうだなあ、ちょっと人口も増えすぎてきたし抑制の意味でもいいかもな」
商工会議所長「いい考えだ、通行料って考えれば安いものだ」
建築ギルド長「うちの家賃収入もなかなか増えてきたぞ」
クブロ・ヴェイ「俺らは稼いで金使ったやつが偉いシステムでやってるからな」
金使ったやつが偉いシステム?
どういうこと?
僕の頭には?が10個くらい並んでいた。
冒険者ギルド長「城壁で魔物が来なくなってからすっかりシノギが落ちたぜ」
警備隊長「俺はもともと低空飛行って感じだけどな、まあ警備の名のもとに喧嘩出来ればいいんだけど」
商工会議所長「だから俺が一番発言権が大きいことが多い」
建築ギルド長「俺も最近負けてないぞ」
クブロ・ヴェイ「まあこいつら4人分が俺になるわけだから俺が一番上だな」
おじさんたちの謎のマウント合戦が悪化する前に僕は発言した。
「問題は山積みですが当面定期的に集まって会議しましょう」
一同「賛成」
謎の出世に僕は頭が痛くなる思いだった。




