逆襲の狼煙
町の血の気の荒いおじさんたちは新しいギルドの建物の会議室でいつものように怒鳴りながら会議をしていた。
だからあいつらぶっ潰さないと!
待て落ち着け!
お前はぬるいんだよ!
なんだとこの野郎!
あわあわ
警備隊長「しかしまあ俺は警備隊長なんで攻め込んでどうこう言うつもりはないが、お前はどう思うんだ?」
「僕は・・・」
怖いおじさんたちが一斉に僕のほうを見る。
「僕は話し合いで解決できればそれが一番だと思います・・・」
冒険者ギルド長「話し合いが出来れば苦労しねえんだ、あいつらも見ての通り血の気が荒いから」
商工会議所長「お互いシノギに関しちゃ譲れねえからなあ」
「シノギ・・・」
僕は前の世界でちょっとだけ見た任侠物の映画を思い出した。
建築ギルド長「昔は仲いい時期もあってな、俺もヤブーシの工事したりしたものよ」
「そうなんですね」
冒険者ギルド長「なかなか協力しようにもお互い意固地になってるところもあってな・・・」
商工会議所長「何言ってやがんだ!こっちは城壁破壊されてんだ!あいつらぶっ潰す口実はあるだろ!」
警備隊長「しかし報復の繰り返しではな・・・」
「(なるほど)」
怖いおじさんたちもみんながみんな戦いを望んでいるわけではないようだ。
どうにか突破口がないものかと僕も考えていた。
商工会議所長「おい、お前あいつらを全員ぶっ殺すような武器作れないのか?」
「ええ!?そんなの作れないですよ!!」
商工会議所長「そうかそうか、まあ、作れたとしても商売にならんか」
警備隊長「もともとこいつが一番血の気荒いからよ、金勘定やらせて大人しくさせてるのよ、大人になれって」
商工会議所長「うるせえ、日和ってるのはお前らだろう」
冒険者ギルド長「まあギルド的な観点から言うと協力するのはいいことなんだけどな、あんな爆撃されちゃうと話がややこしくなるな」
建築ギルド長「まあ交渉とかは専門外だが、この際だから北のクブロ・ヴェイの奴らと手組むか?」
警備隊長「なるほど、ヤブーシのやつらに襲撃されたから誘いやすいな」
商工会議所長「なるほど、この際だからありだな」
冒険者ギルド長「よし決定だ。それで誰がどこで交渉するんだ?」
警備隊長「うーん、カエデ含め俺ら4人は殺されたらまずいが他に適任がいない・・・ギルドか商工会議所的に手を組まないかと持ち掛けてみるのはどうだ?」
商工会議所長「俺は段ボール売り込めればそれでいいや」
建築ギルド長「おいおい、商売の話じゃないだろう、まあいい、ここにいる5人で行くか」
冒険者ギルド長「そうだなあ、久々に行ってみるか」
僕たち5人で北のクブロ・ヴェイまで交渉に行くことになった。
馬車で数日進むと木でできた城塞都市が見えた。
シン・ド・ジュクと同じようなスラムだが、建築様式はそれなりに工夫しているように見えた。
門番「誰だ!?止まれ!」
冒険者ギルド長「シン・ド・ジュクの長達が話し合いに来たぜ」
門番「えっ・・・」
警備隊長「揉める気はないぜ」
商工会議所長「うまい儲け話持ってきたぜ」
「(あわあわ)」
僕はまたしても慣れない状況に慌てふためいていた。
門番は門番で屈強な男だが、この4人の屈強さには敵わないようだった。
門番「少々お待ちを・・・」
門番はそそくさと立ち去ってどこかに行ってしまった。
冒険者ギルド長「あいつまだ生きてるのかな」
警備隊長「うーん、食生活悪そうだからな」
建築ギルド長「どうだろうな」
「あいつって誰なんですか?」
商工会議所長「クブロ・ヴェイ市長だ。もともとマフィアのボスだったんだけど今は市長やってるようだ」
「マフィア!?」
冒険者ギルド長「ああ、あっちもスラムだから力のあるものが統治するのが当然なんだよ、うちは4人がバランスよくやってるから平和だけど」
「なるほど・・・」
そうこうしている間に門番が戻ってきた。
門番「こちらへどうぞ・・・」
門番の道案内に従ってスラムの中を通って煌びやかな建物の前にたどり着いた。
建築ギルド長「おー、ここの建築俺も手伝ったんだよ」
「えっ、そうなんですね」
商工会議所長「ちっ、仕事好きだねえお前」
建築ギルド長「なんだよ、お前だって好きだろ」
商工会議所長「ちげえねえ」
はっはっはと二人が豪快に笑っているうちに門番に案内されて市長室にたどり着いた。
「ドキドキ」
冒険者ギルド長「ここか」
僕たちは扉を開けた。




