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バスク山

「一度街へ戻りませんか?」


セシル「そうですわお姉様!何日もお風呂にも入ってないんですのよ!」


シスター「いえ、一度街に戻っていたらいつ魔王が来るかわかりません、このまま北上します」


「食料とかどうします?そろそろなくなりますよ」


シスター「現地調達です」


セシル「うう…」


セシルは泣き出した。


シスター「セシル、気持ちはわかります、だけどここが正念場です、世界のためにここは頑張りましょう、これは試練です」


セシル「わかりました、お姉様」


「…」


僕はなんて言葉をかけていいかわからなかったのと、これから始まる苦行に打ちのめされて黙っていた。


シスター「馬も休み休み行ってもらいましょう」


セシル「そうですね」


馬車の中ではセシルとシスターの交代で休んでもらった。


二人のレベルだとゴブリンやオークは相手にならないので、ホーリーアロー一発で逃げて行った。


何度野営しただろうか。


二頭の馬のうち一頭が歩けなくなっていた。


「どうしましょう」


シスター「仕方ないですわね、地元の町医者を訪ねましょう」


馬一頭は馬車の荷台に乗せて僕達は歩いた。



だいぶ歩いたら次の町に辿り着いた。


「ああ、食料」


セシル「お風呂に入れますわ!」


僕たちは沸き上がった。


僕たちはさっそく町医者を訪ねた。


町医者「これはかなり疲れてるねえ、二三日ゆっくり休ませれば大丈夫だよ、うちの町は温泉もあるし」


僕・セシル「温泉!?」


シスター「助かりますわ、確かに私たちも疲れてまいりましたわね」


セシル「お姉様!しばらくこの町にとどまりませんか?」


シスター「わかりました、馬が回復するまでの間この町にとどまりましょう」


「先生、この町の名産品はなんですか?」


町医者「温泉まんじゅうがあるよ、土産物屋で買っといで」


僕たちは土産物屋へ向かった。


バクバクバクバク


僕とセシルは買い込んだ温泉まんじゅうを食べ漁っていた。


「おいしい…携帯食料にも飽きちゃって…バクバク」


セシル「そうですわね、あの味は飽きますわねバクバク」


シスター「二人とも落ち着いて食べて、喉に詰まりますわよ」


お腹いっぱいになったところで少し食休めをしたら温泉に入ることになった。


もちろん僕は一人で男湯に入って二人は女湯に入った。



ぷはー


体を洗って温泉に入った僕はまったりしていた。


はあ、気持ちいい。


すると壁の向こうから二人の会話が聞こえた。


セシル「お姉様あの人のことどう思ってるんですの?」


シスター「き、急にそんなこと言われても…」


ばっちり聞こえてるんですけど…


セシル「すごく強い割におどおどしてて変な人ですわね」


シスター「まあそうね、変わった人かもしれないわね」


「…」


僕はどうしていいかわからなかった。


シスター「いつも無理難題押し付けられて抱えきれなくてでも投げ出さなくて、そんな人だから支えたくなるのかもしれませんわね」


セシル「…そんなものでしょうか」


シスター「ふふ、あなたにもいつか現れるわ」


セシル「ふん、私にはお姉様がいればいいんですわ」


二人はなんだかよくわからない話をしていた。



温泉から上がった僕たちはまた地元の料理を満喫していた。


僕・セシル「バクバクバクバク」


シスター「こらこら、二人とも…」


僕たちは郷土料理をいくつも堪能した。


あとは保存食だ。


地元の干し肉や乾パンをたくさん買い込んだ。


馬のエサの藁も忘れなかった。


馬車のメンテナンスも忘れてなかった。


長い道中で馬車の車輪がかなり傷んでいたので修理に出した。


「良かったですね、いろいろ修理もできて」


シスター「ええ、これでバスク山まで行けますわね」


セシル「まだあるんですの…」


僕たちは温泉宿にしばらく寝泊まりして疲れを癒やした。



数日温泉宿で寝泊まりしてすっかり疲れも取れた僕たちはまたバスク山に向かって歩き出した。


セシル「すっかりリフレッシュしましたわね!」


シスター「そうね、ゆっくり出来たわね」


「疲れも取れました」


馬車は北へと向かった。



道中のゴブリンやオーク、多少のドラゴンはセシルのみでも倒せた。


僕はもっと強い敵が現れたときのために力を温存していた。



だんだん険しい山々が連なっている山脈が見えてきた。


シスター「あれがバスク山ですわ」


「またすごい山ですね…」


シスター「山のふもとに町があるから馬車を預けましょう」


セシル「お姉様、温泉ありますかしら?」


シスター「あなたはそればかりね、くす」


僕たちは山のふもとの町まで急いだ。

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