胎動
魔王はとある山で眠りを取っていた。
魔王「まだだ・・・まだ足りない・・・あいつを倒すには・・・」
眠れば眠るほど強くなる。
それが魔王の能力だった。
魔王「くっ、はじめ会ったときに消してしまえばよかった、警戒し過ぎたか、まさかあんな力を持つとは」
魔王は寝ながら考えていた。
ドクン
魔王「そろそろか」
がばっ
魔王は目覚めた。
魔王「さて、始めるか」
無限細胞分裂!!
ボコボコボコボコ
魔王の体からゴブリン、オーク、ドラゴン達が生まれる。
ボコボコボコボコ
魔王「まだだ、精根尽きるまで」
ボコボコボコボコ
魔王が生み出した魔物たちはゆうに1万を超えた。
魔王「はあはあ」
これだけの魔物を生み出すにはかなりの生命力を消費した。
魔王が生み出した魔物たちは今か今かと命令を待っていた。
魔王「お前たちは先に向かっていろ、場所はあそこだ」
ギャアアァァ!
魔物たちの叫びは大きなうねりとなった。
魔王「ふっ、どっちが根負けするか勝負だ」
魔王は不敵な笑みを浮かべ、そしてまた眠りについた。
シン・ド・ジュクからキバ・アへの中央街道の工事は困難を極めていた。
シン・ド・ジュクからの街道とキバ・アからの街道、うねった二つの街道をどう繋ぐかが肝になっていた。
実際の工事が図面と大きく異なり、結ぶ地点が大きくずれる可能性があった。
そもそも正確に距離を測る手段もなく、図面すら正確性が問われるほどだった。
「参りましたね、どう修正しましょうか」
建築ギルド長「そうだな、俯瞰して見てみないとわかりにくいしな」
「これ以上カーブをきつくするのもなあ」
建築ギルド長「ノリで繋げるのはダメか?」
「陰陽太極図の効果に影響でないといいんですけどね」
建築ギルド長「そうだな、まあなんとかなるさ」
結界作りもいよいよ大詰めとなっていた。
僕は街道の接続の件でそわそわしながら昼休憩のため何を食べようかご飯屋さんを探していた。
するとシスターを見かけた。
シスター「あら、カエデさん」
「シスター、こんばんは」
シスター「チャドさんの作ってくれた魔道具で魔法が使えるようになった生徒が大勢いますのよ」
「それはすごい」
シスター「いい人を連れてきてくれましたわね」
「ええ、運が良かったですね」
シスター「相変わらず忙しそうですわね」
「ええ、暇よりはいいかなって」
シスター「ちょっとお話しません?」
僕はドキッとした。
「え、あ、はい」
僕たちは城壁の上へと登って行った。
シスター「カエデさんがいなかったら私たち今ごろ魔王に滅ぼされていますわ」
「そんな、町と町を繋いだのはあの人たちのおかげというかなんというか・・・」
シスター「それでもいがみあっていた町同士を繋いで一つにまとめた功績は大きいですわ」
「そ、そうでしょうか」
シスター「みんな感謝してますのよ」
「そ、そうですかね、あはは」
シスターの顔を見てドキドキしたのでふと目を逸らしたら平原にモンスターの群れが広がっていた。
「あっ、敵襲!!」
シスター「ほんとですわね、警報!!」
ウーーーー!!
敵襲の警報が鳴る。
「多い、なんて数だ」
魔物の群れは平原を覆っていた。
シスター「魔道隊を集めてきます!」
「わかりました!」
僕一人で突っ込んでもいいが僕一人でどうにかできる数ではなさそうだ。
おじさんたちが集まってきた。
冒険者ギルド長「また来やがったな!」
警備隊長「祭りみてえだな」
商工会議所長「くっくっく、目にもの見せてやる」
建築ギルド長「おいおい、しかしすごい数だぞ」
シスター「魔道隊!」
城壁の上にシスター率いる魔道隊が並ぶ。
シスター「魔王には聖属性の攻撃が有効ですわ!」
魔道隊A「ホーリーアロー!」
魔道隊B「ホーリーアロー!」
魔道隊はステッキから矢を放ち、魔物の群れに命中する。
「すごい・・・」
シスター「次!」
次の魔道隊が並んで魔法を放ち始める。
すごい連携だ。
冒険者ギルド長「俺たちも負けてられねえぜ!」
警備隊長「そうだな!」
商工会議所長「魔法が止んだら突っ込むか!」
建築ギルド長「お前は学ばないな・・・」
かなりの数の魔物を撃退したところで魔道隊に疲労の色が見えてきた。
シスター「くっ、さすがにこの量は・・・」
「シスター!下がってください!あとは僕たちがやります!」
シスター「わかりました、お気を付けて!」
「城門から外へ出ます!」
冒険者ギルド長「任せろって、俺たちがなんとかしてやる」
警備隊長「この最新兵器でな」
僕たちはチャドさんに作ってもらった新しい魔道具を装備した。
商工会議所長「目にもの見せてやる」
建築ギルド長「お前飛び蹴りよくするけど、これはカイザーナックルだからな」
僕たちは城門から外に出た。




