決闘
とんぼ返りで僕たちはノウェル、キバ・ア方面へと向かった。
目的は例の興行を開催するためだった。
ノウェル市長「なに!?俺とあいつが決闘だと!?なめてんのかお前ら!?」
おじさんたちはにやにやしている。
冒険者ギルド長「ああ、長年のわだかまりがとけていいだろ?」
警備隊長「やっぱり男同士は拳だろ」
商工会議所長「いや、もうお前らの問題だけじゃなくなってんだよ」
ノウェル市長「なんだと!?」
建築ギルド長「ノウェルとキバ・アが繋がったら街道が環状に繋がるんだよ」
ノウェル市長「ぬう・・・」
「お願いします、戦うか街道を通すか決めてください」
ノウェル市長「やるしかないか・・・俺が勝ったらこの話はなしな」
冒険者ギルド長「よし、次はキバ・ア市長を説得だ!」
警備隊長「燃えてきたぞ!」
商工会議所長「くくく、市長同士が殴り合い・・・」
建築ギルド長「面白くなってきたな」
「・・・」
おじさんたちの謎のノリに圧倒されながら僕たちはキバ・アへ向かった。
キバ・ア市長「なに!?なんで今更タイマンなんてしなきゃいけないんだ!?」
冒険者ギルド長「まあ聞けよ、トップ同士がいつまでもいがみ合ってたら下の奴らが迷惑するだろ?」
警備隊長「そうだそうだ」
キバ・ア市長「ぐぬぬ、俺が勝ったらこの話はなしだからな」
商工会議所長「わかってるって」
建築ギルド長「決まったな」
「・・・」
数日後ノウェルの闇オークション会場を特設会場にしてノウェル市長とキバ・ア市長との格闘マッチが行われることになった。
ざわざわ
闇オークションにて行われるノウェル市長とキバ・ア市長とのタイマンには各地のVIPが集まった。
チケットは転売に転売を重ね高騰した。
ざわざわ
僕たちはもちろん一番いい席で観戦していた。
司会「お待たせいたしました!」
わーーーーーーー!!
うおーーーーーー!!
司会「赤コーナー、闇市のドン、ノウェル市ー長ーー!!」
うおーーーーーー!!
ノウェル市長が両手を上げてアピールする。
司会「青コーナー、職人たちのドン、キバーアー市ー長ーー!!」
キバ・ア市長は客席のほうを見ない。
うおーーーーーー!!
司会「ラウンドワン、ファイ!!」
カン!
ゴングが鳴り戦いの火ぶたが落とされた。
双方ジャブの応戦。
キバ・ア市長のボディ!
ノウェル市長ダメージが大きそうだ!
ノウェル市長「おおおお!!」
ノウェル市長大ぶりの右ストレート!!
キバ・ア市長はかろうじてかわす。
キバ・ア市長ジャブの嵐!!
ノウェル市長苦しそうだ!!
ノウェル市長のボディ!!
キバ・ア市長苦しそうだ!!
お互いボディブローを食らって雲行きが怪しくなってきた。
そう、二人とも仕事ばかりで格闘のための体づくりをしていなかったのだ。
プラス加齢でスタミナが切れてきたのだった。
冒険者ギルド長「なんだよ、だらしねえな」
警備隊長「はっはっは、俺らとは鍛え方が違うな」
商工会議所長「へっ、俺らのほうが強いぜ」
建築ギルド長「間違いねえな」
ノウェル市長「はあ、はあ」
キバ・ア市長「くっ、くらえ!」
カン!!
司会「1ラウンド終了!!」
「どうなっちゃうんですかね」
冒険者ギルド長「お互いスタミナ切れだから泥仕合だろうな」
警備隊長「見ちゃいられねえ」
商工会議所長「はあ、乱入したい」
建築ギルド長「お前はそればっかりだな」
ざわざわ
明らかにスタミナ切れの二人だったがインターバルでどのくらい回復したかが見ものだった。
司会「ラウンド2!!ファイ!!」
カン!!
ゴングが鳴るとともに二人のパンチの応酬が始まった。
ノウェル市長の右ストレート!
キバ・ア市長のボディブロー!!
おおおお!!
観客は沸いた。
冒険者ギルド長「おお、2ラウンド目で燃えてきたな」
警備隊長「すげえ殴り合いだ」
商工会議所長「おお、すげえ」
建築ギルド長「真剣勝負はいいもんだな」
ボコボコ!!
カン!!
二人が全力で殴り合ってたらゴングが鳴った。
ざわざわ
二人にセコンドが駆け寄ってから何やら周りがざわざわしている。
冒険者ギルド長「おっと、なにやら雲行きが怪しいぞ」
警備隊長「うーん、試合終了か?」
商工会議所長「なんだ?タオルか?」
建築ギルド長「うーん、そうかもしれない」
両陣営セコンドがタオルを投げた。
「あ、タオル」
冒険者ギルド長「やっぱりタオルか・・・」
警備隊長「仕方ねえな」
商工会議所長「ヤワなやつらだ」
建築ギルド長「まあ仕事あるしな」
ざわざわ
司会「皆様お待たせしました、両セコンドの判断により、日常業務に差し支えが出るという判断になりタオルが投げ込まれました、したがってこの勝負!!ドロー!!」
ざわざわ
ブーイングが出るような審判ではなかったが何か腑に落ちない結果だった。
冒険者ギルド長「まあ街道は通させてもらおうな」
警備隊長「そうだな」
商工会議所長「環状街道の完成だな」
建築ギルド長「やったな」
「二人に会いに行きましょう」
僕たちは控室に向かった。




