職人の町キバ・ア
ノウェルを実質傘下におさめた僕たちは南のキバ・アに向かった。
冒険者ギルド長「それにしても意固地なやつだったな」
警備隊長「とても仲良くはできねえな」
商工会議所長「クブロ・ヴェイとかヤブーシのやつらとえらい違いだ」
建築ギルド長「あいつら元気してるかな」
「ひと段落したら会いに行きますか」
ノウェルからキバ・アの途中には関所があって通れないようだった。
冒険者ギルド長「あちゃー、ほんとに仲悪いんだな」
警備隊長「どうする?最終的には壊すことになるんだが」
商工会議所長「市長の地震で一網打尽よ」
建築ギルド長「はっはっは、派手でいいねえ」
「・・・一応話聞いてみます・・・」
僕は関所の衛兵に話を聞いてみた。
「あの、通してほしいんですけど・・・」
衛兵「なんだお前、ノウェルから来たのか?帰った帰った」
「みなさん、やるしかないですかね?」
おじさんたちはにやにやしている。
仕方ない・・・
僕は深呼吸をして関所に手をかざした。
局所大地震!!
ゴゴゴゴゴゴゴ
衛兵「な、なんだ!?」
衛兵「関所が崩れるぞ!?」
ゴゴゴゴゴゴゴ
関所は地震で崩れてしまった。
冒険者ギルド長「よー、強力だな」
警備隊長「だいぶコントロール出来るようになったんじゃねえか?」
商工会議所長「よく考えたら恐ろしい小僧だな」
建築ギルド長「ああ、敵回したら一番やべえ」
「ああ、またやってしまった・・・」
衛兵たちが慌てふためく中、僕たちは悠々と元関所を通過した。
ノウェルから馬車で数日、職人の町キバ・アに到着した。
職人の町だけあって建物が立派なのが多かった。
建築ギルド長「おお、立派な建物が多いなあ」
冒険者ギルド長「お前好きだねえ」
警備隊長「この中で一番仕事好きだよな」
商工会議所長「次は俺だ」
「確かに立派な建物多いですね、話が合うかもしれません」
僕たちはキバ・ア市長を探した。
ひときわ立派なビルにキバ・ア市長はいるようだった。
冒険者ギルド長「あの建物か」
警備隊長「だいぶ立派な建物だな」
「あの建物・・・コンクリート!?」
商工会議所長「コンクリート?」
建築ギルド長「なんだそりゃ、新しい素材か?」
「はい、石灰石に砂と砂利と水を混ぜると出来るものです」
建築ギルド長「へえ、興味深いな、お前の能力で作れるのか?」
「いえ、配合を調節すれば誰にでもできます」
盲点だった。
コンクリートは魔法の素材のようで実際自然界に存在する素材を調合することで作れる。
建築ギルド長にはその技術を伝えてもいいだろう。
僕たちはすごい技術力を持つキバ・アの市長を訪ねることにした。
「あの・・・シン・ド・ジュク市長ですけど・・・キバ・ア市長に会わせていただけませんか?」
衛兵「シン・ド・ジュク?ああ、例の街道の?ああ、ちょっと待ってろ」
特に荒くれものという評判のないキバ・ア市長はもしかしたらアポなしでも会ってくれるかもしれない。
衛兵「市長が会うそうだぞ」
冒険者ギルド長「話がわかりそうだな」
警備隊長「そろそろこの旅も最後だな」
商工会議所長「ああ、長いようで短かった」
建築ギルド長「そうだな」
「みなさん、まだ成功すると決まったわけでは・・・」
そうこうしているうちに市長室へ着いた。
キバ・ア市長「・・・入れ」
「失礼します」
冒険者ギルド長「こ、これは厄介そうだぞ」
警備隊長「お前話せよ」
商工会議所長「小僧、頼むよ」
「はい、わかりました」
建築ギルド長「おお、頼もしくなってきたな」
キバ・ア市長「何の用だ?」
「はい、我々は町と町を繋ぐ街道を通しておりまして、キバ・アさんも入っていただけないかと思いまして」
キバ・ア市長「・・・メリットはあるのか?」
「はい、流通網が城壁で囲まれることによって魔物や野盗に襲われる危険性が格段に下がります」
キバ・ア市長「ほう」
「更には町同士が繋がることによって物流の観点からも活発になり、人物金が動くようになります」
冒険者ギルド長「へえ、市長もやるじゃねえか」
警備隊長「さすがだな」
商工会議所長「俺たちにリーダー押し付けられただけあるな」
建築ギルド長「頼もしいな」
キバ・ア市長「なるほど、いいだろう、しかし条件がある」
「条件?」
キバ・ア市長「ノウェルとだけは繋げないことだ」
「ええ!?」
冒険者ギルド長「参ったね」
警備隊長「それだけは困った」
商工会議所長「街道が勘定にならねえぞ」
建築ギルド長「どうにかならないか」
キバ・ア市長「いいや、ここ何十年もあいつらとは仲が悪いんだ、ここだけは譲れねえ」
「困りましたね」
キバ・ア市長「どうだ?これでもうちを街道に入れるか?」
冒険者ギルド長「魔王が攻めてきてて人間同士連帯しないといけない段階に来ているんだ」
キバ・ア市長「魔王?」
警備隊長「そうだ、最近地震が多かっただろ?あの地震で魔王が目覚めたんだ」
キバ・ア市長「なんだと・・・うーむ・・・」
商工会議所長「人間同士四の五の言ってる場合じゃねえぜ」
建築ギルド長「頼むよ、シン・ド・ジュクのトップたちが頭下げてるんだぜ?」
「信じがたいかもしれませんが町同士が繋がることで僕の能力が強化されるんです」
キバ・ア市長「お前の能力が?」
「はい、今のところ地震を起こしたり突風を起こすくらいしか出来ませんが」
キバ・ア市長「地震!?ではさっきの地震は?」
冒険者ギルド長「そうだよ、こいつが起こしたんだよ」
警備隊長「そうそう、言うこと聞いたほうがいいぜ」
キバ・ア市長「ぬう・・・」
商工会議所長「町が壊れちゃうよ?」
建築ギルド長「結局こうなっちゃうのね」
キバ・ア市長「わかった、街道には入ってやる、しかしノウェルとだけは開通させねえ」
冒険者ギルド長「頑固だな」
警備隊長「職人らしいな」
商工会議所長「もっと合理的に考えないと」
建築ギルド長「そうだよ」
キバ・ア市長「しつこいぞ、ノウェルとだけは開通させねえ、それが条件だ」
「わかりました、では話は変わりますが、魔道具についてご存じですか?」
キバ・ア市長「魔道具?ああ、ノウェルの闇オークションに時々妙な魔道具が出回っているという噂は聞いたことがある」
冒険者ギルド長「え、あいつそんなこと言ってなかったぞ」
警備隊長「うーむ、市長でも把握しきれてないとか?」
商工会議所長「そんなわけねえだろ、俺たちに隠してたんだよ」
建築ギルド長「いずれにしてもノウェルにはまた行かないとな」
「そうですね、ノウェルに戻りましょうか」
僕たちはキバ・ア市長舎を後にしてノウェルへと戻ることとなった。




