召喚
ヤブーシとガワ・シーナの街道がもうすぐ繋がろうという頃、王様の家来を名乗る人が現れた。
家来「カエデ・ミナト!王からの命で王都へ出頭せよ!」
「はい?」
冒険者ギルド長「おいおい、ついに王様から呼び出しか」
警備隊長「ここんとこ街道作りばっかりだからな」
商工会議所長「うまい儲け話あるだろうか」
建築ギルド長「学校作りの相談でもするか」
クブロ・ヴェイ「確かにそれはありだな」
ヤブーシ「で、どんな話なんだ?」
家来「なんだお前らは!カエデ・ミナトだけでよい!」
冒険者ギルド長「そうはいかねえよ、魔王が現れて国家的な危機なんだ」
警備隊長「俺らはいいとして市長レベルの人間はついていかせてもらうぜ」
商工会議所長「そうだそうだ」
建築ギルド長「お前ら行って来いよ」
クブロ・ヴェイ「ええ、めんどくせえな」
ヤブーシ「ああ、俺らも行っていいのか?スラム統治なんて勝手にやってて税金も納めてねえからな」
家来「カエデ・ミナトだけでよい!」
冒険者ギルド長「仕方ねえな、俺たちは街道作りもあるしお前だけで行って来いよ」
警備隊長「そうだな、俺たちは留守番してるぜ」
商工会議所長「王様に会ってみたかったがな」
建築ギルド長「そうだな」
クブロ・ヴェイ「あぶねえ、税金の話されたらたまったもんじゃないぜ」
ヤブーシ「間違いねえ」
「みなさん、あとはよろしくお願いします」
冒険者ギルド長「ああ、任せとけよ」
警備隊長「こういう時はかっこつけないとなあ」
商工会議所長「俺らだけでなんとかやらねえと」
建築ギルド長「そうだな、昔みてえだな」
クブロ・ヴェイ「おいおい、俺らは最近だぞ」
ヤブーシ「間違いねえ」
かくして僕は王都へ向かうこととなった。
王都へ向かう途中にこの一帯の地図を見ていた。
そう言えばでたらめにクブロ・ヴェイからガワ・シーナまで街道を作ったわけだけど、これを拡張していったら円形にならないだろうか?
そしてこの円内にキーブカ荒野と王都があることも・・・
そんなことを考えながら数日馬車に揺られるとあの王都へ着いた。
「ここは・・・」
王様の謁見の間へ急いだ。
王様「カエデ・ミナト、すまなかったな、お前の能力があそこまで有能だとは思わなかったのだ」
「はい」
王様「魔王が現れることはわかっていた、そのために勇者を探していたのだ」
「で、あの方法で勇者は見つかったんですか?」
王様「いや、それがなかなか見つからなくてな」
「なるほど」
王様「恥を忍んでお願いするが、お前に王都へ戻って欲しいのだ」
「うーん」
僕の脳裏にはガラの悪いおじさんたちが浮かんだ。
ただ王様の要求を呑むだけだとおじさんたちに怒られそうな気がした。
「なるほど、そこで僕たちも人材を育てる学校を作っているのですが人材がなかなか集まらなくてですね」
王様「なに?」
「学校を作るための手助けをしてくれませんか?」
王様「なるほど、交換条件というわけか、ぬぬ、いいだろう、勇者を育てるための学校の設立の協力をする」
「あと、僕が王都にいたままんまだと街が発展しません」
王様「なんだと?」
「なので今まで通り自由に行動させていただきます」
王様「王都の発展はどうなるというのだ」
「それは・・・少し考えさえてください」
王様「考えるだと?」
「王都の位置が陰陽図の陽の位置になりそうなんです」
王様「何を言っているのだ?」
「要するにこのまま街を発展させてくれれば絶対に損はさせません」
王様「ふむ、今はお主を信じるしかあるまいか、わかった、定期的に王都へ馳せ参じろ」
「わかりました」
王様との謁見は終わった。
僕の構想だとこのままキバ・アとノウェルと街道が繋がったら完全に円形になる。
そうすることでますます僕の力は増すだろう。
問題はクブロ・ヴェイとガワ・シーナの中間に位置し、闇市出身で縄張り意識の強いキバ・アとノウェルの街がとても仲が悪いということだった。
ガワ・シーナへ帰還するとおじさんたちは相変わらず酒盛りしていた。
冒険者ギルド長「おう!お帰り!」
警備隊長「交渉どうだった?」
「はい、学校設立の援助をお願いしておきました」
商工会議所長「なるほど、多大な金が動くな」
建築ギルド長「学校も作るとなると忙しくなりそうだな」
クブロ・ヴェイ「そろそろ俺らも自分の街に戻らないとな」
ヤブーシ「そうだな、人材の育成するまではいないとな」
話の流れで飲んだくれていたクブロ・ヴェイさんとヤブーシさんは地元へ戻ることになった。
冒険者ギルド長「最近魔王が復活した影響かモンスターの活動が活発化しててな、お前ら気をつけろよ」
警備隊長「そうだな、俺たちも大忙しだ」
商工会議所長「おい市長、俺たちはどうするんだ?」
「次はキバ・アとノウェルです」
建築ギルド長「あそこは仲悪くてずっと揉めててな、俺たちみたいにはいかないよ」
「なるほど、でも僕たちならやれます」
気の弱かった僕がそんなこと言うもんだからおじさんたちはびっくりしたりにやにやしたりしていた。
クブロ・ヴェイ「そうか、頑張ってくれ、そろそろ俺たちは行くよ、また寄ってくれよな」
ヤブーシ「おう、自分たちの街も大事にしないとな、じゃあな」
ずっと一緒にいた人たちが離れていくのは寂しかった。




