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目下捜索中でございます。〜家電販売員編  作者: ユタカ
目下捜索中でございます〜シーズン2~

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24/30

消失した倫理、あるいは内部ストレージの強制捜査

タナハシカメラの高級調理家電コーナー。そこは今、「冷凍ドリア」の香ばしい匂いと、モラルの全損という名の異臭に包まれていました。

一人の男が、展示品の最高級スチームオーブンレンジに「持ち込みの冷凍食品」を勝手に放り込み、チンと鳴るやいなや、展示のダイニングテーブルで堂々と食事を開始したのです。

其の一:非認可エネルギーの消費検知

「(……いけない。当店舗の電力資産が、決済(購入)という名の『承認プロセス』を介さず、不当な熱エネルギーへと変換されている。これは、店舗のインフラに対する不正アクセスであり、**モラルという名の基本OSが完全にロスト(消失)**している重大なバグだ)」

周囲のお客様が「ここで食べていいの……?」と困惑する中、田所は音もなく男の背後に立ちました。その手には、接客用のスマイルではなく、**「非接触型赤外線温度計」と「精密ピンセット」**が握られていました。

其の二:モラル資産の「目下捜索」

「お客様、静粛に。……現在、あなたの行動ログをスキャンしておりますが、人間としての『モラル』という名の重要データが、内部ストレージのどこにも見当たりません。 私の誠実さが、直ちにあなたの体内に残留しているはずの倫理観を目下、全力で捜索中でございます」

「あぁん? 何言ってんだお前。レンジの試運転をしてやってんだよ!」

「いいえ。試運転とは『性能の確認』であり、『空腹の充填』ではありません。お客様、口を大きく開けてください。ドリアのソースに紛れて、あなたの良心がロストしていないか、私が直接、喉の奥までホールド(確認)して参ります」

田所は男の口元に温度計を突きつけ、さらに「モラルの欠片」を探すために、男が食べているドリアの中にピンセットを突っ込んで、一粒一粒の米を**在庫確認(検品)**し始めました。

其 三:恥部の「パブリック登記」

「やめろよ! 汚ねえな!」

「失礼いたしました。物理的な捜索が困難なため、手法を変更します。……モラルがロストしている以上、あなたは現在、**『人間』ではなく『動く展示品』**として当店の資産に仮登記されました」

田所はそう言うと、売り場から「強力なスポットライト」と「展示用のアクリルパネル」、そして「『大人気! 餌付けの実演販売中』と書かれたPOP」を持ってきました。

「さあ、皆様ご覧ください! こちらは『モラルを全損させた個体』による、電力泥棒の再現展示でございます! 写真撮影は自由です。ハッシュタグは『#タナハシカメラ #モラル消失 #バグ人間』で登記してください!」

田所は、男が食べている姿をライトアップし、あたかも動物園の檻のように周囲をポールでホールド(封鎖)しました。

其 四:貴島の「物理的緊急シャットダウン」

「見世物小屋にするんじゃねえよバカ野郎!!」

背後から放たれた貴島の鋭いハイキックが、スポットライトを調整していた田所の腰を直撃しました。

「お客様、すみません! こいつ、非常識な奴を見ると勝手に『公開処刑という名の展示』を始めちゃう病気なんです! お前もさっさとそのドリアを片付けて出ていけ! 田所、お前はレンジの中を1ミクロンの油汚れも残さずデリート(清掃)してこい!」

「貴島さん……。私はただ、彼のロストしたモラルを、社会の厳しい視線という名の『外部サーバー』にバックアップしようとしただけで……。お客様! あなたの恥じらいは現在、全世界のSNSへ目下、転送手続き中であります!」

「もう二度と食えるかぁぁ!!」

今回のリザルト:店舗の平穏および男の尊厳の全損

結局、男は顔を真っ赤にして逃走。長谷川店長は、レンジの中に残った「焦げたチーズの匂い」を消すために、消臭スプレーを一缶まるごとロスト(消費)させる羽目になりました。

「田所……。お前の捜索方法は、いつも相手の『再起動不能なダメージ』に繋がるんだよ……。次はもっと、静かに何かを探してろ……」

「店長……。では次は、私が『空気中の酸素分子』の数を数え、お客様の呼吸量を完璧に管理ホールドして参ります」

「……息をさせてくれ!!」

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