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目下捜索中でございます。〜家電販売員編  作者: ユタカ
目下捜索中でございます〜シーズン2~

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22/30

在庫の欠損、あるいは人的資源による昨日補完

タナハシカメラの調理家電コーナー。健康志向の強そうな女性客が、カタログを指差しながら田所に詰め寄っていました。

其の一:未登録アセットの衝撃

「どうしてもこの、海外製の超高性能ジューサー『メガ・スクイーズ3000』が欲しいの! 他の店にはないんだけど、ここならあるわよね?」

田所は端末を叩き、0.1秒で回答を出しました。

「(……いけない。その製品は当店舗の在庫リスト(アセット・データベース)に未登録ロストだ。お客様が求める『液体抽出の悦び』という資産を、当店の棚がホールドできていない。これは販売員としての、そして管理員としての私の全責任における致命的なバグだ……!)」

其の二:ハードウェア不在の「人的リカバリー」

「お客様、静粛に。……その製品がないという事態は、私の誠実さが引き起こした『在庫の全損』であります。今すぐ私が、不足しているハードウェアの機能を、**私の『人的リソース』をもって登記(代替)**いたします」

田所はそう言うと、売り場から「電動のハンドミキサー2台」と「工業用ドリル」、そして「超高速回転するサーキュレーター」を持ってきました。

「ちょっとお兄さん、何をするつもり? 私はジューサーが欲しいのよ」

「ご安心ください。ジューサーの本質は『破砕』と『遠心分離』です。専用機がない以上、私がこのドリルとミキサーを同期シンクロさせ、お客様の目の前で**『人力・超高性能ジューシング・プロトコル』**を執行いたします」

其 三:音速の「抽出登記」

田所はお客様が持参したリンゴを空中に放り投げました。

「さあ、抽出を開始します! ホールドせよ、果汁!」

ギョォォォォォォォォン!!!!!

田所は両手のミキサーとドリルを猛烈な勢いで回転させ、空中のリンゴを物理的に粉砕し始めました。しかし、回転速度が「高性能」を超えて「音速」に達したため、リンゴはジュースになる前に分子レベルで霧散ロスト。売り場一帯に「リンゴの香りがする濃霧」が立ち込めました。

「ギャー! 私のリンゴが消えた! ジュースは!? どこなの!?」

「お客様、落ち着いてください。現在、果汁という名の液体資産は、この空間全体に**『空気の一部』として均一にホールド(散布)**されました。これこそが、飲む必要すらない究極の『全身摂取登記』であります。さあ、深呼吸をして、リンゴを全身でデバッグしてください!」

其 四:貴島の「強制終了」

「霧吹きにしてどうするんだバカ野郎!!」

背後から放たれた貴島の鋭いドロップキックが、回転するドリルを握った田所の腰を捉えました。

「お客様、すみません! こいつ、在庫がないからって自分をジューサーだと思い込んじゃって! 田所! お前の責任の取り方はいつも『物理的な嫌がらせ』なんだよ!」

「貴島さん……。私はただ、ハードウェアの欠損ロストを、私の情熱という名のソフトウェアでパッチ(修正)しようとしただけで……。お客様! あなたのリンゴは現在、店舗の空気中に100%ホールドされております!」

「飲ませろぉぉぉ!!」

今回のリザルト:店舗の空気環境および顧客資産の全損

結局、お客様は「霧になったリンゴなんていらない!」と激怒。長谷川店長は、リンゴの霧でベタベタになったテレビやパソコンの画面を泣きながら拭き上げる羽目になりました。

「田所……。お前の責任感は、常に『周辺機器(周囲の人間)』に大ダメージを与えるんだよ……。もう二度と、自分の体を『家電』にコンバートしようとするな……」

「店長……。では次は、私が『防犯カメラ』として、24時間瞬きをデリートして店舗をホールドして参ります」

「……寝ろ!!」

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