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目下捜索中でございます。〜家電販売員編  作者: ユタカ
目下捜索中でございます〜シーズン2~

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21/30

規格外の渇望、あるいは物理的最適化の代償

タナハシカメラのPCコーナー。一人のエリートビジネスマンが、眉間に深いシワを刻んで展示機を睨みつけていました。

其の一:理想アセットの不在

「どれもこれも中途半端だ! 13インチだと画面がロスト(不足)しているし、15インチだと重量という名の『負荷』が大きすぎる。厚みもあと3ミリ薄くなければ、私のバッグという名の『ストレージ』にはホールド(収容)できないんだ!」

お客様の絶叫に近い要求に、田所は音もなく背後に立ち、その背中を哀れみを持って見つめました。


「(……いけない。このタナハシカメラという供給システムにおいて、お客様の理想とする『完璧な個体』がロストしている。これはメーカーの怠慢、あるいは市場のバグだ。そして、目の前のお客様に満足を提供できない以上、この『魅力的な商品の紛失』に関する全責任は、管理員である私にある……!)」


其の二:責任の「物理的受容」

「お客様、静粛に。……あなたの仰る通りです。理想の製品がこの世に存在しないという事態は、私の管理責任における全損であります。今すぐ私が、**責任を取ってこの世界の物理法則をデバッグ(修正)**いたします」

田所はそう言うと、売り場にある最新型の「16インチ超高性能ノートPC」を手に取り、迷うことなくバックヤードから持ち出した**「大型の裁断機」と「工業用やすり」**をカウンターに並べました。

其 三:田所流・カスタム登記

「ちょっとお兄さん、何をするつもりだ!?」

「ご安心ください。大きすぎるなら削り、重すぎるならデリート(削除)すればいいのです。今からこのPCの両端を2センチずつ切除し、バッテリーという名の『余剰重量』を物理的にホールド(摘出)することで、**世界に一つだけの『責任完了モデル』**を登記いたします!」

田所が裁断機の刃を下ろそうとした瞬間、火花(のような情熱)が散りました。

「いけない! 基盤が露出しましたが、これは『内部構造の可視化』という名の透明性向上です。さあ、今すぐあなたのバッグに合うサイズまで、私が責任を持って**このPCを『圧縮(物理)』**して参ります!」

其 四:貴島の「強制終了シャットダウン

「製品の命をデリートしてどうするんだバカ野郎!!」

背後から放たれた貴島の鋭いハイキックが、田所の側頭部を捉え、危うく真っ二つにされかけたPCを救出しました。

「お客様、すみません! こいつ、責任感がバグって『物理的な解決』に走っちゃって! 田所! お前に製品を加工する権限なんて1ミリもねえよ! 削るなら自分の給料削れ!」

「貴島さん……。私はただ、お客様のニーズと現実のギャップを、私の誠実さ(裁断機)で埋めようとしただけで……。お客様! 現在、あなたの理想のサイズは私の手元で目下、成形中であります!」

「壊してるだけだろうがぁぁ!!」

今回のリザルト:展示機の損壊および社会的信用の全損

結局、お客様は「あんな狂気に満ちたPCは欲しくない」と、恐怖のあまり近所のカフェへ逃げ込みました。長谷川店長は、田所が「PCのキーボードが重いので、全てのキーを抜いて『タッチパネル(という名の空洞)』にリフォームしました」と報告してくるのを聞き、静かに店舗のシャッターを下ろしました。

「田所……。お前の言う『責任』は、常に『破壊』を伴うんだよ……。もう何も触るな……」

「店長……。触れないという行為は、究極の『静止ホールド』です。このまま石像として店舗の景観を登記して参ります」

「……そのまま固まってろ!!」

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