タイトル未定2025/05/18 03:01
空を見上げていた。
ボル:「来たな、雷翔!」
赤瀬:「ああ」
ボル:「ビリビリするな!!」
赤瀬:「本気を出せるのは初めてだな。」
混乱と恐怖が戦場を覆った。
赤瀬は無言のまま、身体をわずかに傾ける。足元の地面に溜まった電気が一瞬で解放され、空気が震えた。周囲の兵士たちは何が起きたのかわからないまま、その場で力を失い膝をつく。
彼は動く。地面を蹴った瞬間、視界から消え、気がつけば敵のど真ん中へ踏み込んでいた。手をかざした瞬間、火花が弾け、触れた者は次々に倒れる。武器を持つ手が痙攣し、戦意を奪われる。
戦車は赤瀬を狙っていた。だが、その動きはすでに読まれていた。視線を向けた瞬間、空気がざわめき、機体が揺れる。発射されたミサイルの軌道が変わり、まるで操られるように逆方向へ飛び去る。それが向かう先は、彼ら自身の部隊だった。
他の戦車も砲撃の準備を整えている。鋼鉄の装甲に守られた重機が、破壊の号令を待つかのように唸る。しかし、彼は歩みを止めず、そのまま進む。車両の内部では異変が起きていた。計器が狂い、回路が焼け、エンジンが沈黙する。数秒後、戦車はただの金属の塊となった。
銃弾が飛び交う。それが彼の体を貫くーーはずだった。しかし、すべてが止まる。まるで時間の流れを捻じ曲げられたかのように、宙に浮かび、進むことを許されなかった。そして次の瞬間、弾丸は意図しない方向へ飛び去る。発砲した者たちは恐怖に満ちた表情で、絶望する。
赤瀬は、一歩、また一歩と歩みを進める。その度に戦場は沈黙し、敵は無力化していく。
闇が深いほど、雷の光は鋭く輝く。
軍の包囲網の中で、赤瀬は静かに息を整える。風の音すら消えた戦場——次の瞬間、その沈黙が砕かれる。
漆黒の空を背景に、ほとばしる電気が閃光となり、彼の身体を包む。まるで夜そのものを切り裂くかのように、光の柱が戦場を貫く。 雷轟とともに。
その光の中で、赤瀬は既に動いていた。
闇に沈んだ兵士たちは一瞬、視界を奪われる。光と影が入り混じり、錯乱するその中で、赤瀬の姿は幽鬼のように現れる。
次の瞬間、雷轟が炸裂する。
兵士たちは何が起こったのか理解する間もなく、閃光に包まれる。電流が肌を焼き、神経を支配する。悲鳴が響くが、雷鳴がそれを飲み込んでいく。
赤瀬の姿は、一瞬の光と共に消える。
次に現れた時、彼はすでに別の位置にいる——まるで雷そのものが意思を持って動いているかのように。
銃弾が飛ぶ。しかし、それは光の中で軌道を狂わせ、闇へと消える。
ボル「ヒャッハー!」
赤瀬は何も言わず、ただ次の兵士を感電させていく。
夜は裂け、光の刃が戦場を支配する。
地面に転がる弾丸や破片——無秩序に散らばったそれらが、微かに震え始めた。
赤瀬の周囲に、見えない力が巡る。磁場が動き、鉄の玉がゆっくりと宙へと浮かび上がる。
兵士たちはそれを見て、理解する間もなく動揺した。
次の瞬間、空気が震え、鉄の玉が赤瀬の周りで渦を巻く。重力を拒絶するかのように回転しながら、まるで意思を持っているかのように動き始める。
一斉に放たれる。
赤瀬はただ立っている。その周囲を旋回する鉄の刃が、彼の意志を受けたかのように軌道を変え、兵士たちへと向かっていく。
抵抗する間もなく、戦場は沈黙する。
高速で飛翔した鉄片が次々と標的へ到達し、敵陣を貫いていく。銃を構えた者は、それを撃つ間もなく弾かれ、叫びを上げる暇さえなく地面へ沈む。
ボル「これまでとはな!。」
鉄の玉はすべて役割を果たし、敵の陣は崩壊した。
赤瀬は無言のまま、再び周囲を見渡す。戦場はもう、沈黙していた。
赤瀬:「慣れてきたな。」




