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赤瀬が消えた。
山田和夫が亡くなって、その翌日——何も言わずに。
「……赤瀬、どこ行った?」
九条が低い声で言った。
「わかんねえ……連絡もつかない。」
俺はスマホを握りしめながら答えた。
「アイツが何も言わずにいなくなるなんて……」
佐藤も困惑していた。
竹中六助は冷静に口を開く。
「何か兆候はなかったか?最後に話したこととか。」
「……一昨日の打ち上げだな。」
俺は、その瞬間のことを思い出す。
火が灯る庭、肉を焼く赤瀬、そして俺が言った言葉。
「親父さんと仲が深まるといいな!」
そのとき、アイツはただ静かに「そうだな」と答えた。
なんの感情もなさそうな顔で。
でも、今思えば——あれは、何かを決めていたんじゃないか?
ニュースでは、あり得ないことばかりが報道されていた。
**「鏡の中の自分が勝手に動いた」**
**「鏡が真っ黒になり、映らなくなった」** 「鏡の自分が動いていた。」**
**「鏡の中と意思疎通した人がいる」**
バカみたいな話に聞こえた。
俺達は映ってるが、近所の人は映らない。
その話が冗談で済ませられるなら、どれほどよかったか。
だけど、ニュースではさらに妙な報道が流れていた。
「変電所を狙うテロが発生」
俺は、妙な予感がしていた。
何のためにいなくなった?
「戻ってこいよ、赤瀬……」
お前は、俺たちの仲間だ。
だから——。
早く戻ってこい。




