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目覚めたら神にされたけど二度寝しようと思う。ぐうたら神の厄祓い日記  作者: ハトサンダル


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第5話 新たな才

 アズラトゥスにある煌矢の神殿へと降りてきたファトゥール達。しかし煌矢は部屋に戻っているようだった。


「…煌矢様が居ませんな」


「まさか寝てんじゃ…ん?」


応接間のソファに何かが打ち捨てられている。


「これは…?」


それは異様な形に潰れた石だった。


「…カルシノク、さっきここを出る前に彼に魔石を渡したって言ってたわよね?」


「は、はい…しかし、この様に潰れる粗悪品の筈は…」


「ええ…紋様からして、結構質のいいものでしょうけど…」


内側から溶かされた様な破壊の痕跡だけが残り、石板としての形は見る影も無い。


「九割九分アイツの仕業でしょうね…」


ふたりは煌矢の部屋までやって来た。


「…ぅ……ぁ…」


部屋からは苦しむ様な煌矢の声が小さく響いていた。


「煌矢!何かあったの!?」


「…ぅ……が…」 


ファトゥールが煌矢を揺さぶるも、反応は無い…


「魔力の乱れは無し…力が暴走している訳では無い?」


「……ッ…ァ……!?」


瞬間、煌矢は目を開いた。刃物の様に鋭い目でこちらを睨む…が、しかし一呼吸置くと、落ち着いた様子になり始める。


「……あ〜…夢だったか……」


「目が覚めた?」


「…ぁ…〜…?」


「現実見ろォ!」


「うわ…いでで顔は引っ張るな馬鹿…!」


「神様に向かって馬鹿とは何よ!?」


「お、落ち着いて下さいファトゥール様!」


わちゃわちゃと騒ぐファトゥールに煌矢は次第に目が覚め始める。



 「コホン…色々聞きたい事はあるけど、まず!」


ファトゥールは潰れた魔石を差し出す。


「これ、どうやったの?」


「…えっと…」


「煌矢様、ファトゥール様は魔石が壊れた事に怒っている訳ではありません」


「え?」


「天界ではありふれた品ですので、使い過ぎによって故障する事も良くあります…」


「問題は、こんな壊れ方をした理由よ!力がコントロール出来てないなら、神様としての仕事にも関わるもの」


「とは言ってもなぁ…表現する言葉が出てこないよ」


煌矢は魔石が崩壊した状況を説明する。


「能力の発現が随分早いわね…これだと代理より別の仕事をさせるべきかしら…?」


「あれで分かったの?」


「ファトゥール様は真実の女神…答えを探すという点に関しては他の神々とは一線を画すと言えるでしょうな」


「過程まで分かるわけじゃないから、一長一短だけどね」


ファトゥールが真剣な姿は、会ったばかりの煌矢でさえそのギャップに驚かされる。


「そうね…あの魔石はね、内側に魔力が凝固して結晶化した魔晶ましょうが組み込まれてるのよ」


「はぁ…」


「ま、アンタが魔晶を丸ごと分解して吸収したからね…残ったのは魔力を含んでない絞りカスの石ころだけ」


「…訳がわからない」


「言うなれば、アンタは強い磁石みたいな体質なのよ」


遠回しな回答に困惑する煌矢。


「アンタの身体に魔力がすごい勢いで引き寄せられて、魔力を含んだ部分が全部引き剥がされたって事、分かった?」


「…成程、普段は神様らしいんだね」


「ええ、全くもってその通りです」


「うっさい!アンタら!神様対する敬意が足りとらんわー!」


「はは、すまないすまない…何だか家族といた頃みたいでね」


「な、何よそれ…私が親しみやすいと!?」


「ああ。神様は騒がしいけど嫌じゃないから、きっとそうだろうさ」


「…え、えぇ〜///」


照れくさそうにするファトゥールとは対照的に、煌矢の表情はどこか寂しげだ。


「…ファトゥール様、お仕事についてのお話をよろしいのですか?」


カルシノクは気まずい雰囲気とリセットする為に威厳ゼロの主を本題に戻す。


「あっそうだった…」


「そういや、仕事の事をふわっと言われてたけど…」


「これよりアンタには、信者達の禊を担当してもらうわ!」




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