第10話 ライト正教会
ファトゥールは唸りながら何かを考えていた。
「う〜ん…ふ〜む…」
「どったんですか?」
「そろそろ私の祝祭をする時期でね、儀礼の為に近辺の司教達がに集まるのよ」
「へぇ〜」
「何他人事の様にしてるのよ、アンタも参加させるに決まってるでしょ?」
「え〜?」
煌矢の顔に面倒という表情が浮かび上がる。
「それにアンタの顔見せが目的もあるんだから」
「あ〜…そういえば神様でしたね」
「私この世界で二番目に信者の数が多い"ライト正教会"の主神なんですけど!?」
「…まぁ、人を惹きつける要素は多いっちゃ多いから妥当かな?」
「褒めてるの…?まぁいいわ、教会の上層部が数日で来るから寝坊しないでね。」
数日後、ファトゥールの信奉者の集まるライト正教会にて…
「さて…揃ったね?」
「はい、ハッコク枢機卿…護衛が居ないのは心許ないですが」
「しかし、主の考えは分からぬ事ばかりです…あの禁域は、最近大規模な魔力暴走が発生したばかり…」
「泣き言は無しだよルキア、アイロー、司教だろう?」
「ばぁば?こいつらはな、ばぁばみたいな肝っ玉は持ち合わせてないんだよ」
「枢機卿と呼びな、ティファ…穢れ禊は既に始まってるんだから、主は何時だって我々の誠実を求めるものさね」
……───煌矢の神殿では…
「時間だ!起きなさーい!」
「…スー…zzz」
「あと5分を何回繰り返す!?もう三十分だよ!?こうなったら…!」
ファトゥールは宙に跳び上がり、煌矢目掛けて飛び膝蹴りを放つ
「起きろォーーッ!!!」
その時、落ちてくるファトゥールの一撃を煌矢は寝転がったまま受け止めた。
「片手で止めたァ!?それが出来んなら起きろォ!?」
不機嫌そうに重い瞼を僅かに開く。
「……」
「よし!さっさと着替えなさい!髪も整えて顔洗って…」
「はい…」
準備を整え、朝食を取る。
「今日は…信者さんが来るんでしたっけ?」
「そ、でもアンタは彼らの上司になるんだからね?ちゃんと神様らしい雰囲気で接するんだよ?」
「何ですかそりゃあ…」
「まぁ嫌われない程度に偉そうにしてりゃいいの!ほら、もうすぐそこまで来てるんだから!」
ファトゥールがスマホらしき物を取り出して見せてくる。定点カメラらしき映像から映されたのは四人。善性が滲み出る様な表情の青年…温和な表情で毒を吐く男…
豪快な佇まいの女性…そして最後に、傷跡だらけの老婆が一人。
「…あの人、何者なんです?単なるお婆さんと言うには…何というか強者のオーラが溢れ過ぎている感じがするんですが」
「彼女はハッコク枢機卿よ、三十年くらい前にあった第二次伏魔戦争の英雄よ」
「ふ〜む…枢機卿かぁ…ほぼトップじゃないですか…」
「アンタもアタシの部下の中じゃトップクラスなんだから頑張りなさいよっ!」
そうして、応接間の玉座らしき椅子に腰掛ける。
(…座り心地最悪だ、背中がほぼ直角にされるじゃねぇか)
「ハァ…頑張るか…」
続




