8話
ルイが取り押さえられてからしばらく経ったが、男達は動き出そうとしなかった。
先の分からないこの時間が、ルイの恐怖心を更に掻き立てていた。
日はとっくに沈んでいて辺り一面を暗闇が支配している。
いつもならとっくに教会に帰っている時間だから夜の森は初めてだ。
昼間とは違い木々のざわめきがはっきりと感じ取れる。
(ガイ...ジン...無事でいてくれ...)
(じぃちゃん...ばぁちゃん...みんな、心配してるだろうな。こんなに遅くなったら、またばぁちゃんにお説教されるだろうな...)
(なんでだろ...いつもなら絶対イヤなのに。お説教されてもいいし手伝いだってこれからはちゃんとやるから...だから早く3人で教会に帰りたいな...)
「・・・そろそろだ。」
男達の頭、ダイキが不意に声を出し座っているところから上を見上げて一点を見つめている。
それにならい、他の4人も上空を見上げている。
その光景にルイもそっと目線を空に向ける。
(・・・何もないじゃんか)
そこにはいつも通りの空が広がっており、特に興味を惹かれるものでもなかった。
(なんでこいつらはずっと同じ方を見てるんだ?)
ルイが不思議に思っていると
刹那——
さっきまで星だと思っていた少し大きめの光がチカチカと動き始めたのだ。
「えっ...星が動いてる...?」
ルイの呟きにメイがチラッとこちらを見た。
「あれが船だ。あの船にお前のダチが乗ってるんだよ。残念だったな。」
「......ッそんなッ!」
ルイの動揺を置き去りに、チカチカと光る星はどんどん上空へと昇っていく。
そしていつの間にか、星の光は見えなくなってしまっていた。
「よし。任務完了ーっと。引き上げるぞ。」
「了解っす〜」
「了解ですぜ!」
「りょーかいー!」
ダイキの言葉にそれぞれが答える。
「ダイキさん。こいつ・・・忘れてますよ。」
「あぁ?・・・そういやいたな。メイ、バン、2人で捨ててこい。俺らは先に戻ってるからな。」
「了解。」
「ええ〜!俺もっすか〜?こんなガキ、メイ1人で十分でしょ〜!」
「こいつが一回見失ってるからな、念には念を...だ。」
「そっすね...了解っす〜」
指名されたバンが嫌そうな顔をしていると、ダイキがハチを指差してルイのことを見失った時の話をしていた。
(クソ...2人かよッ)
メイ1人ならもしかしたら逃げ出せたかもしれない。
バンの実力はわからないが、2人相手にルイが逃げ切るのは不可能である。
ということだけは、ルイにもしっかりと感じ取れた。
ガイとジンが乗っていたとされる船が上空に消えたこと。
これから、ルイはどこかに捨てられること。
ガイとジンを失ってしまったたこと。
これ以上の絶望があるもんか...
そう思っていたルイだが、これからさらなる試練が
が待ち受けていることをこの時はまだ知る由もなかった。
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