27話
「きたっ!」
先ほどガリュウから渡された刀を持ちながら、ルイとリョウガはゴブリン達がいる方向に構える。
「お前たち2人で戦ってみろ。本当に危なくなるまで助けないからな」
「おう!」
「ああ、やってやる!」
そう言って2人から少し離れて見守れる位置にガリュウが移動する。
そして2人に気がついたゴブリンたちが、武器を振りながら向かって走ってくる。
「ルイっ!それぞれ1体ずつ相手にするぞ!お前、右側のやつな!」
「わかった!」
それぞれ、1体ずつゴブリンの相手をすることにする。
ルイは右側のゴブリンに狙いを定める。
(さっき父ちゃんが戦った時は一瞬だった・・・素振りとは違うんだ・・・!ガイ、ジンとやってた模擬戦を思い出せっ!)
ゴブリンは二足歩行で、武器も持っている。
ルイと向き合ったゴブリンはナイフを右手に持っている。
左にいるリョウガと向き合っているゴブリンは棍棒を持っていた。
模擬戦は木の枝で作った刀で行っていた。
いまルイが手にしているのは、本物の武器だ。
そして、相手が持っている武器も同じく。
刀を持っている手が僅かに震えているのがわかる。しかしその震えを無視して、ルイは目の前にいるゴブリンを睨みつける。
「いくぞっ!」
ガリュウと戦っていた時もそうだが、目の前にいるゴブリンも足が速い方ではないようだ。
これならルイの得意な足の速さで、相手を翻弄しつつ攻撃を当てられるだろう・・・そう思ったルイは先手必勝とゴブリンの方へと駆け出す。
目の前の敵がいきなり猛スピードで向かってきたと思えば、右に左にと動き回るため全く反応できていない様子のゴブリン。
(これなら大丈夫そうだ!一気に後ろからいくぞっ!)
ルイの動きについてこれていないゴブリン。
そのゴブリンの背中側に回り、勢いよく刀を斬りつけた。
ザシュ—
「ギャー」
「ハァッ・・・ハァ・・・やったか?」
初めての魔物との戦いで力が入りすぎていたからだろうか、ゴブリンを後ろから斬りつけたルイは自分が息切れしていることに気づいた。
息を整えながらじ・・・っと見つめていると、少しずつ倒れているゴブリンが砂になり始めたのだ。
「ガリュウさんが倒した時と同じだ・・・・・・!やった!倒したんだっ!」
(初めて魔物を倒した!俺も戦えるんだっ!)
この日、ルイが魔物を初めて倒した記念すべき日となったのだ。
ルイはグッと手のひらを握りしめ、初めての勝利を噛み締めていた—
そして足元に転がっている小さなゴブリンの魔石を拾う。
魔石は小さいのに、いまルイの掌の中にある石はずっしりとした重みがあるように感じた。
(リョウガは大丈夫か?)
少し離れたところで、もう1体のゴブリンと戦っているリョウガを見る。
リョウガの戦い方はシンプルに正面突破のようで、ルイはその戦い方はすごくリョウガらしいな、と思った。
ゴブリンに正面から向かっていき、刀で斬りかかっているが持っている棍棒で弾き返されている。
しかし、何度弾き返されてもすぐに体勢を整えまた斬りつけてくる・・・その攻撃の繰り返しに、次第にゴブリンの方がリョウガの攻撃を受けきれなくなった。
ザシュ—
「ギャギャッ」
「はぁ・・・ひつけーな!っやったか?」
そしてついにリョウガの刃が、ゴブリンの体を前から斬りつける。
正面から斬られたゴブリンは後ろに倒れ、少しずつ砂になって消え最後には小さな魔石だけが残った。
パチパチパチパチ—
「お疲れ様、初陣にしては出来がよかったんじゃないか」
「父ちゃん!やったぜー!」
「これくらい、肩慣らしにもなんねーよ」
「ルイは速さで翻弄して、リョウガは正面突破か・・・まだまだ粗削りだがいい動きができてたな。そしてこれからはどんどん魔物と戦うことになるだろう。決して油断せずにこれからも戦うんだぞ」
「おうっ!」
「おお」
「ゴブリンの魔石は記念に取っておけ。お前たちの討伐記念だ。さーて・・・ここを出るために、じゃんじゃん魔物を倒して強くなるぞ!」
それから夜が老けるまで、3人は魔物を探して周った。
基本的にはルイとリョウガが戦い、危なくなるとガリュウが助けに入った。
そして戦闘のあとに、どこが良くてどこがダメだったのかをガリュウが2人に教える。
それを繰り返し行うことで、ルイとリョウガの戦闘力はグングンと成長していった。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
✨スタンプ✨気軽に押してください!
ポチっと(笑)
感想・レビュー・お気に入り登録、
めちゃくちゃ励みになります!
それでは、また次の話でお会いしましょう!




