22話
ひとしきり泣いて笑ったあと、みんなでテーブルを囲み朝食の席へと着く。
今日の朝ごはんは、いつものパンに目玉焼き、そして温かいわかめスープだ。
6人で手を合わせて一斉に食べはじめる。
「・・・みんな、長い間本当にごめんなさい。・・・そしてありがとう。今日からは私も仕事に行きますっ!」
「サナ・・・みんなにも改めて言っておく。リョウガとカンナを含め・・・みんな俺の子供だと思っている。だから遠慮なんかするな。父親なんだからもっと甘えてくれていいんだぞ。・・・そんで俺を5人の父親にしてくれてありがとう」
「・・・ガリュウさん・・・っはい。おとうさんっ」
「おとうさん〜!」
「お、そのお父さんていいな。」
「パパ、子だくさんのパパだねー!私も兄弟いっぱいで嬉しいー!」
「・・・なに照れくさいこと言ってんだよ、くそおやじ」
ガリュウに父親だと改めて告げられ、みんなそれぞれに喜びを感じていた。
そんな中ルイはガリュウの言葉の意味を必死に考えていた。
(・・・サナもサンも喜んでる・・・カンナもリョウガもだ。でも・・・みんなって?・・・俺もってことか・・・?)
そんなルイの様子に気がついたガリュウがルイに話しかける。
「ルイ、勝手に父親だなんて言って悪かったな・・・その・・・嫌だったか・・・?」
「!!!イヤじゃないっ!!!・・・っ違う・・・俺も息子になってもいいのかっ!?父ちゃんだって思ってもいいのかっ・・・?」
「ああ、もちろんだ。ルイさえ嫌じゃなければ・・・俺を、お前の父親にさせてくれ」
「・・・・・・っ!っ父ちゃんっ!これからよろしくなっ!」
(・・・父ちゃん、父ちゃん・・・、父ちゃんっ!俺に父ちゃんができたっ!兄弟もできたっ!にひひっ!)
生まれてすぐ、教会に捨てられたルイは親を知らない。
教会の外に出て歩いていると、すれ違う人たちの中に"親子"を見かけた。
『パパ〜肩車して〜』
『ああ、いいぞー!』
『あなた!気をつけてねっ!』
『わかってるよ。ほら、肩車だー!』
『わ〜!たか〜い!ずっと向こうまで見えるよっ!』
ハハハハ———
「???」
そんな光景を見かけるたび、何だか胸の奥がチクリと痛むような気がして・・・
「早く教会に帰って、じいちゃん達に診てもらお」
と教会への帰路を急ぐのだった。
(・・・ガリュウさんが、・・・俺の父ちゃんっ)
一緒に住み始めて数ヶ月・・・ルイがガリュウに感じていた温かく、ソワソワ、フワフワした奇妙な気持ちに名前が付いたのだった。
あの日感じた胸の奥のチクチクはもうない・・・。
「ゴホンッ。それでさっきサナが言ってた仕事だけど、今日からは俺が仕事に行く。サナにはカンナとサンの世話と家のことを頼みたい」
「・・・えっでも・・・」
「サナ・・・お前はまだ病み上がりなんだ。ゆっくりと体を休めて元気になること、これが1番の仕事だ。俺とリョウガとルイでしっかり稼いでくるから、安心して待ってろ」
「・・・はいっ」
ガリュウに頭を撫でられながら、サナが嬉しそうに頷く。
頭を撫でているガリュウも照れくさそうだ。
「・・・それから、敬語もいらないからな」
「!・・・っうんっ!」
「よしっ!リョウガ!ルイ!仕事に行くぞっ」
「おおー!」「おう」
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