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『捨てられた孤児が神界(最上層)を目指したら最強に!?〜仲間と家族のために世界をひっくり返す〜』  作者: 雨空 幸歩


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18話








 それからの日々はあっという間に過ぎていった。




 気がつけばルイがスラムに来てから、3ヶ月が経とうとしていたのだ。


 この3ヶ月間・・・ルイは毎日ゴミ山に通い詰め、高得点を稼いでは食料を買い溜めていた。


 その間に、最初は険悪だったリョウガとも打ち解けて今ではすっかり悪友となっていたのだ。


「ルイ!今日もどっちが多く点数を稼げるか勝負しよーぜ」


「おう!まっ、リョウガはまだ一回も俺に勝ってねーけどなー!」


「っるっせー!今日こそ勝つからいいんだよ!」


「にひひっ!じゃ、あとでなー!」








 あの日・・・サナのお母さんが亡くなった次の日から、こうして仕事に出て稼ぐのはルイとリョウガの役目となっていた。





 夜ご飯を一緒に食べる約束をしたのにいつまで経っても来ないサナとルイを心配してガリュウが訪ねてくるまで、サナは泣き崩れ、ルイはその後ろで呆然と佇むしかできなかったのだ。



 ガリュウは状況を瞬時に把握して、素早く動いた。

 人員管理などないに等しいが、誰かが亡くなった時は報告しなくてはならないのだ。


 ガリュウが報告に向かった時に話した相手は、その日、ルイ達が物々交換をしてもらった男だったのだ。


 他の下っ端より聡いこの男は、亡くなったのが今日黒い薬を渡した子供の母親だと気付いた。

 気付いたからといって何をする訳でもないのだが・・・


 原則、親のいない18歳未満の子供は誰か大人が面倒を見ることとしている。


 ルールのないようなスラムだが、ちゃんとルールはあったのだ。


 その為、サナとサン、ルイの3人を誰が面倒を見るのか(ルイも兄弟と思われていた)。

 という問題に直面した。


 しかしそこは、ガリュウの「俺が面倒を見る」の一言であっさりと解決したのだ。

 それからすぐ、目の前ではあるがガリュウの家に3人で引越し、大人1人子供5人での生活が始まったのだ。


 サナのお母さんの葬儀は、自分たちだけで執り行った。

 やはり満足な葬儀もできず、指定された場所に眠らせてあげるだけだった。


 そして6人が満足に食べて行くには、悲しみに浸っている時間などなかった・・・。


 そのため、身軽に動けるルイとリョウガで仕事に出ているのだ。

 ガリュウも行くといったが、サナの様子が心配だったため下の子2人の子守として家に居てもらっている。





 サナはあれから・・・みるみる元気を無くし、母親との日々を思い返しては涙する日ばかりだ。




「・・・サナ・・・早く元気になってくれよ」




 いつからサナの綺麗に笑う姿をみていないだろう・・・サナの笑顔を取り戻す一心で、せっせと仕事に出かける日々をすごしているのだ。










 ———









「「ただいまー!」」


「あ"ー腹へったー!」


「俺も腹減ったー!」



「おかえり。リョウガ、ルイ。いつもありがとな」


「リョウ兄、ルイ兄、おかえりー。カンナいい子で待ってたよ?お土産は?」


「おかえり〜!ボクもいい子で待ってたよっ!」


「・・・・・・」




 リョウガの妹カンナ、サナの弟サンともに9歳だ。




 サンも・・・

 母親の死にショックを受けていたが、カンナの支えのお陰で立ち直ったようだ。







「今日は俺も、リョウガもいい稼ぎだったからなっ!・・・じゃーんっ!ステーキだっ!」


「えぇー!ステーキ!」


「なにそれ〜!」


「ステーキなんて・・・凄いじゃないか!お前たち!」


 ステーキを知らないカンナとサンだがご馳走だということはわかったようで、興味津々だ。


 ガリュウさんはステーキを交換できるほど稼いできたルイとリョウガを誇らしく思い、2人の頭をグチャグチャにしながら抱きしめる。



「離せよっくそおやじ。俺だってステーキが何なのか知らなかったんだ。ルイが今日はこれにしようって言うから・・・」



 リョウガも生まれた時からこのスラムにいる。

 もちろんステーキなんてご馳走を聞いたことも、食べたこともなかったのだ。



「・・・っ悪いな。俺が不甲斐ないばっかりに・・・母ちゃんも死なせちまって・・・お前達のこともロクに守ってやれねーなんて・・・」


「何言ってんだ!ガリュウさんには感謝してるんだっ!不甲斐ないなんて言うなよっ!」


「・・・ダセーこと言うなよくそおやじ。いつもみたいに能天気に笑ってろ」


「素直じゃないなー!リョウガはー!」


「っるっせー!」




 恥ずかしくなったリョウガはサナ、カンナ、サンの元へと逃げ出していった。



「ガリュウさん、このステーキ焼ける?」


「・・・あぁ!キッチンに行くか」



 サナの家にキッチンはなかったが、ガリュウさんの家にはリビングの奥に小さなキッチンがあった。

 今まで調理を必要とするような食事がなかったため、もっぱら手や顔を洗う場所として使っていたのだ。




「火をつけるぞ・・・」



 フライパンの上に肉を並べ、そのフライパンをガリュウが左手で持ち上げる。

 そして持ち上げたフライパンの下に右手を添えた。



「・・・ファイア」



 ボッ—





 ガリュウの手のひらに小さな火が灯った。




最後まで読んでくださってありがとうございます✨


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それでは、また次の話でお会いしましょう!


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