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『捨てられた孤児が神界(最上層)を目指したら最強に!?〜仲間と家族のために世界をひっくり返す〜』  作者: 雨空 幸歩


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15話










 あれからサナに手を引かれてやってきたところは最初のゴミ山から数えて3つめの山だ。


 無言で歩いていたサナが立ち止まり手が離される。





「・・・っ急に引っ張っちゃってごめんねっ・・・ここが私の持ち場で・・・」

「サナ」


「っ・・・!」


「ごめんっ!俺のせいだよな、そんなに震えてるのは・・・昨日の話で、俺がさっき話に出てた"侵入者"だって気づいただろ?・・・それなのに黙っててくれて、ありがとう」


「・・・っそんなっ・・・だってルイは悪い人たちに連れてこられたんだよね?ルイは悪くないじゃない・・・っ」


「でも、俺を匿ってるってバレたらサナがヤバいんだろ?・・・俺はどうにかして逃げるから大丈夫だっ!サナ、ありがとうなっ!」


「そんなっ・・・待って・・・お願い・・・置いていかないで・・・っふっ・・・グス・・・」




 昨日の話から察するにあの真ん中にいた屈強な男が『ボビー』だろう。


 ボスの『ボビー』左右に控える『ボギー』と『ボミー』。


 あいつらがここスラムの支配者ということはすぐに理解できた。


 その支配者がルイを探している以上、サナと一緒にいると絶対に迷惑をかけてしまう。


 そのため一度森へ戻って逃げる方法を考えよう。と思い、その場からすぐに立ち去ろうとした。



 ・・・のだが、服を掴まれ挙句泣いているサナにどうすればいいのか分からなくなる。


 しかし早く立ち去らないと見つかった時にサナとサナの家族に迷惑をかけるのだ。


 そしてルイは意を決してサナが掴んでいる服を離そうと、サナの手首を掴んだ。




「サナー!今日も元気に頑張るぞーえいえいおー!ってな♪・・・・・・は?何してんだお前」



 ゴミ山の陰から軽快そうな男が出てきて、サナに話しかけてきた。

 男の後ろからはルイよりも背の高い男の子が付いてきていて、サナとルイの様子を見て驚いた表情をしている。


 タイミングが悪かったのだ。


 サナはひどく泣いていて、ルイの服をキツく握っている。

 その手を離してもらおうと後ろを振り返りサナの手首を掴んだところでの、男たちの登場だ。


 ルイが泣かせたように感じられてもおかしくはない。

 実際にルイのせいで泣いていたのだが。





「てめぇ!なんでサナのこと泣かせてんだよっ!」


「!・・・っえ!これはっ・・・ちがっ」




 バンッ!



 最初サナとルイを見た時に驚いた顔をしていた男の子が、慌てて走ってきてルイを突き飛ばしサナを背に隠した。




「・・・いってぇ・・・」



 急に突き飛ばされたルイは、抵抗もできず吹き飛ばされる。

 とっさについた手のひらが、ジンジンする。



「・・・それで?ボウズ・・・お前は誰だ?」



 その間に歩いてきた男がサナとルイを突き飛ばした子供を背中にやり、ルイへと睨みをかける。





「・・・っ・・・」



「やめてっ!」


 男たちの背後から慌てて走ってきたサナが、尻もちをついているルイを背に庇い両手を広げている。



「な・・・!サナ!危ないからこっちに来なさい!」


「サナ!早くこっちに来いっ!」


「2人ともやめて!ルイは私の友達なのっ!」


「「なっ・・・!」」


「ほんとうなの・・・だからルイに乱暴するのはやめて、お願い。ガリュウさん、リョウガ」


「・・・わかったよ・・・。一先ず話を聞こう」


「・・・チッ。わーったよ」




「ルイ、ごめんね。大丈夫?」


「大丈夫だっ!気にすんなって!」



 サナが振り返りルイにそっと手を差し出す。

 その手を掴み立ち上がり不安そうなサナに、ニコッと笑ってみせる。

 ルイの元気な答えに安心して、サナも笑顔になる。




「・・・なーんか俺たちが悪者みたいじゃないか?」




「ガリュウさんっ、ごめんなさい。私が泣いていたのはルイのせいじゃないの。・・・私がワガママ言ってルイを困らせたの・・・」


「そうか。早とちりして悪かったな、てっきりサナが悪いやつに泣かされてるのかと思っちまってよ・・・」


「・・・サナがワガママ・・・?ギロッ」



 サナがワガママだったと説明したことで、ガリュウと呼ばれた男は警戒を解いている様子だ。


 反対にリョウガと呼ばれた子は、まだ警戒を解いていないのかルイのことを睨みつけている。



「ルイ、この人はガリュウさんっていってよくお世話になっている人なの。隣にいるのが息子さんのリョウガ、私と同い年の幼なじみなの」


「そっか!サナの友達のルイですっ!ガリュウさんリョウガ、よろしくお願いしますっ!」



 ルイはしっかりとお辞儀をして挨拶をする。

 教会では礼儀や挨拶をみっちりとシスター達に教育されていたのだ。



「・・・っ!!!」



「サナとリョウガは同い年なんだなー!ってかサナはいくつなんだ?」


「そういえば話してなかったね。私はこの間12歳になったんだよ」


「えっ12歳!?俺と一緒じゃんっ!俺は誕生日がまだだから11歳なんだけどなーっ!」


「そーなの!?・・・てっきり年下だと・・・」


「ぐ・・・よく言われるから慣れてるよっ!」


「・・・っごめんね」


「プッ、年下だと思われてやんのーチビだもんな」


「なんだとー!?」





 そんな子供達のやり取りを黙って見つめるガリュウ。


(ルイといったか・・・さっきの挨拶はしっかりと教育を受けた者のそれだった・・・。スラムにこんな挨拶をする奴はいない・・・さっきの"侵入者"はこの子だったのか)




 先ほどの挨拶一つでルイがこのスラムの者ではないことに気づかれてしまっていたのだ。











最後まで読んでくださってありがとうございます✨


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それでは、また次の話でお会いしましょう!


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