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『捨てられた孤児が神界(最上層)を目指したら最強に!?〜仲間と家族のために世界をひっくり返す〜』  作者: 雨空 幸歩


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12話

 








 スタスタスタ


 ドスドスドス






 2人の足音が遠ざかっていく。







「・・・・・・・・・・・・ぷはぁー。よし・・・行ったな!」




 バンに捕まった時のことを思い出したルイは咄嗟に近くの木に登り、そのまま上で息を潜めていたのだ。

 手が自由になったことで、木登りが得意なルイにとって急いで登ることは朝飯前だった。


 一息ついたところでさっきの2人組のことを考える。

 ボミーと呼ばれた男...ルイの声を聞いた男はかなり恰幅のいい...樽のような体型をしていた。

 一方、ボギーと呼ばれた男は吹けば飛ばされそうなくらいヒョロヒョロでお世辞にも強そうにはみえなかった。



(・・・あいつらが探してるのって俺のことだよなー。急いでて縄のこと忘れてたっ・・・ジンに爪が甘いっていつも言われてたのにー!そんでジンに説教されてる俺をガイが茶化してくるんだっ!

 ・・・・・・っ考えるのやめよ・・・)




 ジンならこう言うだろう、ガイならこう言うだろう。


 と思い出してしまうのはむしろ自然なことだった。


(クヨクヨしててもしょーがねー!いま出来ることを考えねーとっ!とりあえず・・・腹減ったーっ!)




 いつもならとっくに温かい夜ご飯を食べて、お風呂にも入っている時間だ。


 手が自由になったら、次はお腹の虫が騒ぎ出した。



「とりあえず、あいつらが行った方と反対に行ってみるかっ!」



 先ほどの2人が向かった方向とは反対側・・・右方向に向かうことを決めた。







 ———











 シュ 


 ザッ


 ストン—




 移動方法はもちろん木々を乗り換えながら進む。


 今までのルイなら葉っぱが揺れる音や枝の音など、全く気にせずに進んでいた。


 しかしバンの身のこなしを間近にみた今では少しでもあの動きに近づけるようにと思い返しながら動いている。


(これも修行だっ!・・・あいつの動きが出来るようになればっ・・・俺ももっと強くなれるっ!)




 そうして修行を重ねながらしばらく森の中を進んでいくと、少し先のひらけたところに街並みが見えたのだ。



 街並み——



 といってもいいのか分からないようなトタン屋根にチラホラ穴が開いており、つぎはぎだらけのボロボロの家屋が数十件、並んでいる。




「・・・誰か住んでるのか?」




 1番近くにある家の近くの木に飛び移り、木の上からそっと様子を窺う。




 ・・・—・・・—・・・



 微かに人が話している声が聞こえる。

 もっと近くで様子を窺ってみようとそっと地面に着地し、更に家へ近づく。





「おかあさん、今日のお薬だよ。・・・ほら、ゆっくり飲んでね」


「サナ・・・あなたにばかり負担をかけてしまってっ・・・う・・・っ・・・ごめんね」


「っ!負担になんかなってないよっ!サンもいつもお手伝いをしてくれてるし・・・だから安心してね」


「・・・ゴホッ・・・っ・・・ありがとう・・・」


「ほら、横になって休んで・・・」





 壁にところどころ小さい穴が開いており、地面に着地したルイはその穴の一つを覗いて中を窺う。


 部屋の中は外観とあまり変わらないボロボロ具合で、左にダイニングテーブル、右側に小さいベッドが3つ並んでいた。


 テーブルもベッドも酷く傷んでいる様子で、教会で使っていたものとは比べものにならなかった。


 3つ並んでいるベッドのうち2つは膨らみができている。

 1番右に先ほど『おかあさん』と呼ばれた女性が眠っている。

 布団から出ている手は随分と痩せ細っていて、骨が不自然に浮き出ている。



(・・・さっき薬を飲んでたし、何か病気なのかな?)



 そこから目線を左に向けると1番左のベッドには先ほどの会話から察するに『サン』と呼ばれた人物が眠っているのだろう。



『サナ』と呼ばれた女の子は、台所へ行き忙しなく動き回っている。

 その後ろ姿を見つめる。


(・・・俺と変わらないくらいか?まだ小さいのに・・・)



 パキッ—




「っ!!!だれっ!?」



(・・・っやばい!)





 じっと小さな穴から中を覗いていたため、少し体勢を変えようと足を動かした時に足元にあった枝を踏んでしまったのだ。


 慌てて隠れようとするも、隠れるところが全くない。

 木の上に戻ろうと思ってもここからでは少し距離があり間に合わないだろう。


 ルイがあわあわとしている間にも少女が外に出てきてしまいルイを見つけ目を見開き驚いた表情をしている。



「・・・あなた、だれ・・・?」


「あっ・・・いや・・・ごめんっ。俺っ・・・「グゥ〜〜」・・・っ」


「・・・・・・」


「っ・・・っ・・・」


「お腹・・・空いてるの?」




 空気を読まず鳴ってしまったルイのお腹の音に、あまりの恥ずかしさで顔を真っ赤にしたまま頷くことしかできなかった。







最後まで読んでくださってありがとうございます✨


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それでは、また次の話でお会いしましょう!


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