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EVOLVE〜エヴォルブ〜 Season10 ― 言わなかった後悔、言わなくてよかった光 ―  作者: 柊梟環
EVOLVE〜エヴォルブ〜 Season10 ― 言わなかった後悔、言わなくてよかった光 ―
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第13章 中原裕也の本当の顔

■ 中原の落とし穴



アークシステムズの会議室。

(なぎ)中原(なかはら)の動きを追跡し、(しゅう)が裏付けを取り、

ついに中原(なかはら)を呼び出して対面の場を設けた。


中原(なかはら)は、不敵な笑みを浮かべていた。


「……徳山(とくやま)の命令で動いていた、だって?」

(しゅう)が問いかける。


中原(なかはら)は肩をすくめた。


「半分正解で、半分ハズレだよ。

 確かに徳山(とくやま)の言うことは聞いてたけど……

 “全部従ってたわけじゃない”」


(なぎ)が首をかしげる。


「じゃあ……(たまき)さんを狙ったのは徳山(とくやま)じゃなくて……あなたの意思?」


「そう。あれは徳山(とくやま)の命令じゃない。

 ただの……腹いせだ」


「腹いせ?」


(たまき)が驚いて声をあげる。


中原(なかはら)は笑った。


「俺、北澤(きたざわ)美乃(よしの)に振られたんだよ。

『あなたとは無理です』ってさ。

 あれは侮辱だった。

 だから……ちょっと痛い目に遭わせてやりたかっただけ」


(しゅう)(なぎ)(たまき)

「………………」


3人の表情は“完全に呆れている”ものだった。


「そんな理由……?」


(なぎ)がぽつりとつぶやく。


「大体悪いことするやつの理由なんてくだらないものだろ」


中原(なかはら)はふん、と鼻で笑う。


「じゃあ徳山(とくやま)への攻撃は?」


(しゅう)の声は低い。


中原(なかはら)の笑みが歪む。


徳山(とくやま)も気に食わなかったんだよ。

 俺を使い捨てみたいに扱って……

 だから、こいつも一緒に落とそうと思ってた」


「二重スパイみたいなものか……」


(なぎ)がメモを取りながら呟く。


「そういうこと。

 あんたらも徳山(とくやま)も、美乃(よしの)も……

 全部まとめて壊せればよかった」


(なぎ)(しゅう)を見る。

その目は“こいつ……本物の危険人物だ”と言っていた。


(しゅう)は淡々と言った。


「……ありがとう。

 君が自分で罠に落ちたおかげで、全体像が見えたよ」


中原(なかはら)はニヤリ。


「で、どうするんだ?

 俺を利用するんだろ?」


「もちろん」

(しゅう)の声は静かだが、強かった。


「君の証言と君が仕掛けたトラップ、全部逆に使う。

 徳山(とくやま)を追い詰めるために」


中原(なかはら)は肩をすくめ、

「好きにしろよ」と笑った。

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