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EVOLVE〜エヴォルブ〜 Season10 ― 言わなかった後悔、言わなくてよかった光 ―  作者: 柊梟環
EVOLVE〜エヴォルブ〜 Season10 ― 言わなかった後悔、言わなくてよかった光 ―
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第14章 美乃、再び

■ 強く、優しく帰ってきた人



翌日。

アストリア社人事部との面談のために

美乃(よしの)がひっそりと出社した。


謹慎中のため、自分の部署には寄れない。

迷いなく向かったのは――


アストリア社内にある

アークシステムズ調査会議室。


扉を開けると、

(しゅう)(なぎ)(たまき)が立ち上がった。


「お久しぶり」


美乃(よしの)が柔らかく微笑む。


「あなたたちに……どうしてもお礼を言いたくて」


(たまき)は思わず駆け寄り、

美乃(よしの)の手を握った。


美乃(よしの)さん……!

 わたしたち、美乃(よしの)さんを信じて調べてます……

 もう少しなんです……!」


涙がにじむ。


美乃(よしの)はそっと(たまき)を抱き寄せた。


(たまき)さん……

 あなたが泣くことなんてないのよ。

 ありがとう。こんなに思ってくれて」


(たまき)は胸が温かくなる。


この人は強くて優しい。

誰よりも温かい。


美乃(よしの)さん」


(しゅう)が向き直る。


「あなたが掴んでいる情報があれば、教えてください」


美乃(よしの)は少しだけ表情を引き締めた。


「……まだ正式には誰にも言ってない。

 けれど、この状況なら話した方がいいと思ったの」


そう言って机に1冊のノートを置いた。


徳山(とくやま)末松(すえまつ)、そして中原(なかはら)裕也(ゆうや)

 この3人が最近、不自然に残業していた時期がある。

 サーバーログの“抜け”と一致するの」


(なぎ)の目が光る。


「これ……決定的な手がかりになりますよ……!」


(しゅう)も静かに頷いた。


美乃(よしの)さん。

 あなたの勇気が、事件を動かすきっかけになる」


美乃(よしの)は深く息を吐いた。


「……もう、逃げない。

 私も戦うわ。

 自分を守るためじゃない。

 ちゃんと真実のために」


その言葉はとても強くて、

そしてあたたかかった。

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