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宣誓!人類の味方となるダンジョンにする事を誓います! 〜チュートリアルを装った攻略させないダンジョン作り〜  作者: 天沢与一


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72話 広島へ

 12月27日。俺は新横浜駅にいた。

 広島の府中ダンジョンまで行くためだ。



「初めまして。若島蒼斗です」


「ふふふ。いいのかね?名前を私に教えて」


「流石に広島まで行くのに顔を隠して行動するわけにもいかないですし、顔がわかったらあんたは簡単に誰だか特定できるでしょう。隠すだけ無駄です。それで?そっちは?」



 やろうと思えばサングラスとマスクつけて行動することもできたが、ここまできて頑なに隠す意味もない。ようは世間に俺がダンジョンマスターだとバレなきゃいいのだ。


 今までのやり取りから、この人が俺の素性を言いふらす人ではないとわかっている。



「これは失礼。私は弥竹奈那(よたけなな)。それでこっちは」


「妹の寧音(ねね)よ。よろしく」


「俺は品谷瑛士!」


「お前は名乗らなくても全員知ってるよ」


「みんな自己紹介してるなら俺も自己紹介したいじゃん?」


「したいなら勝手にしてればいいじゃない」


「寧音ちゃんひどい!」



 今回のメンバーはこの4人だ。


 遊太(ゆうた)光介(こうすけ)を誘うか迷ったが、ダンジョンのゴタゴタに巻き込みたくなかったので今回は結局見送った。また落ち着いたら弥竹姉妹を除いたいつもの4人で遠くのダンジョンに旅行がてら行こうと思う。



「そこの2人、イチャイチャしてるところ悪いのだが、生憎と時間がない。もう行ってもいいだろうか」


「置いていけばいいんじゃないですかね」


「イチャイチャしてないわよ!」


「置いていかれるのはヤダ!」


「息があっているようで何よりだ。ダンジョンの探索において、1番大切なのはパーティ内の連携だからな。ではホームに行こうか」



 まだごちゃごちゃ行っている2人を無視してさっさとホームに進んだ。


 今回、広島まで行く方法は新大阪まではリニアで、そこから広島までは新幹線だ。


 すでに研究者さん……奈那さんが席を予約してくれている。あとホテルも。


 ただでさえ予約が取りにくいリニアをこの帰省シーズンに取れるとは。まさかとは思うけど、俺が広島行くって言う前に席予約してた?じゃないと納得できないんだけど。いや、費用は前に言ってた通り全部奈那さん負担だからいいけどさ。


 移動中は瑛士が持ってきたトランプをやって時間を潰した。


 とりあえず奈那さんはどのゲームも強かったし、寧音の方はどれも弱かった。大富豪の1回目でようやく1番に上がったと思ったのに次のゲームではすぐ転落して大貧民になった時の顔が面白かったとだけ言っておく。そのあと1回も大貧民から上がれなかったとも。全員からボコボコにされて可哀想。


 新大阪駅に着いたら、乗り換えのついでに昼飯だ。オシャレなカフェでパスタを奢ってもらった。


 流石にご飯代くらいは払う気満々だったのだが、気づいたら会計が終わっていた。まじで費用を全負担するつもりらしい。あの人奢り慣れてる。


 新幹線に乗り換えると、寧音からUN◯を提案された。トランプで負けまくったのが悔しくて、さっき駅で買ってきたらしい。


 トランプであんなに負けたのにどうしてUN◯で勝てると思ったんだろうか。



「スキップで」


「では私もスキップしよう」


「じゃあリバース」


「俺は2!」


「またスキップだ」


「ちょっと、さっきから私のこと飛ばし過ぎじゃない!?全然カード置けないんだけど!?」


「そういうゲームだろ。7で」


「置けるタイミングあったら狙うといいよ!俺はリバース」


「ドロ2」


「……置けないわ」


「じゃあ2枚引かなきゃねー」


「仕方がないわね」


「ドロ4。青で」


「あ!俺ドロ4ある!青ね!」


「俺もある。赤で」


「なんでみんなそんなに攻撃カード持ってるのよ!?」


「逆になんでそんなにカード運ないんだよ」


「寧音は昔からゲームが弱くてね。理由は私にもわからない。それより寧音合計12枚だ」


「おかしい。絶対おかしい。全然置けないのに枚数だけが増えていくわ」



 ということで、UN◯も寧音がボロ負けして終わった。


 新幹線を広島の福山駅というところで降りたら、そこからタクシーで今日泊まるホテルまで行く。手段が電車じゃなくてタクシーっていうのがなんか研究者さんらしいというか……電車乗ってるところあんまり想像できないからタクシー移動に違和感がない。


 ホテルはダンジョンが開放されてから作られた探索者向けのホテルだった。


 歩いて10分の距離にダンジョンがあり、ホテルの1階にはダンジョンの素材を買い取ってくれるお店と装備を貸し出してくれるお店が入っている。


 また、武器を保管する場合、武器を置く所までに鍵のかかる場所が2箇所必要という決まりがある。これを守らないとライセンスを剥奪されるから、普通の扉がひとつしかないホテルは自分の武器を置いておくことができない。


 けれどこのホテルは部屋の扉が2重になっている特殊な構造をしていた。自分の武器を持ち込めるし、武器を置いて出かけることもできるから、長期滞在が気兼ねなくできるというわけだ。


 まさしく探索者のために作られたホテルと言える。


 そんなホテルのプレミアムルームが1人1部屋割り当てられた。


 普通にスタンダードの部屋でよかったのに。あと瑛士と一緒の部屋でよかったのに。どうせ瑛士は1人が嫌で俺の部屋に来ると思うし。

 ここまで来ると流石に申し訳ない気持ちになる。


 なのに本人はスイートルームの予約が取れなくてプレミアムになってしまったとか言っている。


 さては奈那さん、金銭感覚狂ってるな?


 寧音の方も特に気にしている様子がないからこっちも金銭感覚おかしそう。


 瑛士からこの世に1着しかない服だからと20万円請求されたと聞いた時は瑛士を付き合わせるための嘘だろうと思ったが、あれもガチの値段だったりするのか?


 ……冷静に考えて服に20万はないか。


 ホテルにチェックインして荷物を置いた後は、レンタルショップで武器を借りた。


 今日は1階層を軽く見て、明日本格的に攻略を行う予定だ。


 瑛士にはあらかじめ動画で広島に行くことを言ってもらっているので、向こうのダンジョンマスターに通知が行っても、通知の正体が瑛士だと知ればそんなに驚かれないと思う。


 まさかダンジョンマスターが2人来てるとは思わないだろうし、同時にダンジョンに入れば通知が2回行くことはない。


 弥竹姉妹には諦めて名乗ったが、それは嫌々仕方がなくだ。できるだけ俺の正体は隠しておくに限る。



「準備は整ったようだね。では行こうか」


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