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宣誓!人類の味方となるダンジョンにする事を誓います! 〜チュートリアルを装った攻略させないダンジョン作り〜  作者: 天沢与一


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58話 アドバイス

 1回目にここに来た時、なんの反応もなかったから今日もなにも無いと思っていた。けれど今回はわざわざ接触しにきて、求めてきたのがサイン?


 ファンならファンでいいけど、だとしたら相手がどこのダンジョンマスターかわからないまま接触して来たことに説明がつかない。


 そもそも自分のサインなんて作ってないから出来ないし、断っておいた方が無難か。ダンジョン内では何があるかわからないからな。変なことに使われても困る。



「すみませんがサインとかそういうのやってないので」


「えー、俺はあんたに聞かれたこと素直に答えたんだから少しくらい見返り求めたってよくないっすか?」



 やけに天護の護符というアイテムについて素直に教えたなとは思っていたけどやっぱり見返り目当てか。だとしてもなんで最初にサイン求めるんだよ。



「そうですね。俺が知りたい情報を教えてもらったのは事実なので、答えられそうな質問とかアドバイスなら1つお答えします」


「まじで!?何聞こう。考えるからちょい待ち」



 あっさり納得したな。


 サインは断られること全体で最初から情報目当てか?


 なにを聞いてくるんだろう。


 俺のダンジョンについてか、それともダンジョン運営についてか。俺のスキル構成とかも聞かれる可能性あるかな。


 質問されるのを待っていると、小声で“決めた”と言うのが聞こえた。



「なんでしょう」


「ショップで買えるアイテムを売って稼ぐ時に、1番ポイント効率がいいアイテムってなんだと思う?」


「は?」


「え、なに。これもダメ?」


「すみません、ちょっと予想外な質問だったので驚いただけです。大丈夫です。」



 要するにダンジョンのアイテムを使って効率よく金を稼ぎたいってことだよな?

 俺も考えたことあるっちゃあるけどそれよりもポイント集める方を重視してたからなぁ。


 てか質問の内容本当にそれでいいのか。いいならいいけど。



「お店に売るなら2万台で買えるスキルの書が1番効率が良いかと。スキルの人気度によって買取価格が1万から10万とかなり上下するので、自分で需要を調べて売ってください。ただし、高いからといって同じスキルばかり流通させると買取価格が暴落するので注意が必要です」


「あー、スキルの書!あんたのところからもドロップする奴だよな。具体的なおすすめある?」



 ……いや、自分で需要を調べてって言ったの聞いてなかった?


 あと俺のダンジョンについてそこそこ知ってるみたいだしやっぱりただのファン?まだ偶然探索者の動画を見ただけの可能性もあるか。



「魔法系のスキルは全体的に人気が高いですよ」


「魔法系な。確かに使えたらかっけーよなぁ。覚えとくわ。スキルの書以外で他になんかあったりしない?」



 なんかこいつ遠慮がないというか、ぐいぐい来るというか。ダンジョンについて知るためならなんでもする研究者さんっぽい雰囲気を感じる。


 こいつまさかダンジョン使って金を稼ぐことを考えてダンジョンマスターになったとか?


 ……流石にそれは無いか。


 こいつの目的がなんにせよ俺のこととか俺のダンジョンについての内容じゃないから全然質問には答えられる。答えられるが、もらった情報以上の情報を与えそうだから、これで最後にしよう。



「株式会社特殊素材研究所のような企業に直接売り込みに行くのも手かと思います。他のダンジョンでドロップしないアイテムなら喜んで高額で買い取ってくれると思いますよ。リスクとしてはあそこはダンジョン内で使えるアイテムを開発してるので、今後ダンジョン産のアイテムに価値が無くなる可能性が出てくることでしょうか。まぁ他のダンジョンマスターが売りこみかける前にさっさと何かを売るのはありだとは思います」



 個人的にはこっちの方がおすすめ。


 俺の時は接触の仕方がアレだっただけに個人的には進んで協力したくはないが、今でも一応特研の東畳さんとは連絡を取っている。今後何かに役に立つかもしれないし、無理矢理できた縁とはいえ利用できるなら利用するに限る。

 特に俺からは何もしないけど、ダンジョン内で使えるアイテムはどんどん開発されてほしいな。探索が楽になれば、探索者の人数も増えるからさ。



「へぇ。確かあんた特研の人と会ったんだろ?その時なんかアイテム売った?」


「金さえ払えばなんでもしてくれると思われたくなかったので特には」



 どちらかというとダンジョンの運営において俺以外の意思が少しでも入るのが嫌だったから協力を断ったんだけど、目の前の男はそういうプライド無さそうだし言っても理解してくれ無さそう。



「それ俺が金払えばなんでもする男だって思われてね?」


「そんなことないですよ」


「ま、いいけど。アドバイスどーも。次から俺のダンジョンに来る時は事前に連絡してくれよな。急にダンマスに来られるとびっくりするのはあんたにもわかんだろ」



 確かにびっくりするけど、自分の動画とか配信で言っとけば充分かなぁと思ってる。


 それに詳細に何月何日に行きますって言って相手のダンジョンマスターに待ち構えられたく無い。



「善処します」


「それ断るやつだろ」


「そろそろ帰っても?」


「無視かよ」


「もう用は無さそうなので帰りますね。お邪魔しました」


「……配信通りの自由人だな。同じダンマス同士これからよろしくお願いしまーす」



 少なくとも敵対心は無さそうなので考えておきますって言いながら横を通り抜ける。それも断る時のやつだろって言われた気がしたが無視した。


 俺の声が届かないところまで進んで、隠遁者スキルを小声で唱え、居場所を把握されたくないので、帰り道はゴーレムをなるべく倒さずに帰った。


 探索者とちらほら遭遇したが、やっぱりまだ朝だからか人数は少ない。


 ダンジョンを出て時間を確認すると、9時を過ぎていた。


 予定よりはだいぶ早く帰って来れたけど、大学の講義はもう始まっている時間である。


 今からならギリギリ遅刻の範囲に収まるだろうか。


 いや、急いで行って結局間に合わなかったら嫌だしゆっくり大学に行くか。元々1限目は休む予定だったし。


 こういう時普段真面目に大学行ってると単位のこと気にせず気軽に休めていいよな。


 近くに店がないので今回手に入れた魔核は売りに行かず、まっすぐ大学に向かって、当初の予定通り2限目から出席した。

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