25話 デス人類の伝説 〜ナスを添えて〜
デス人類史、デス令和500年。
デス人類は今、ナス人類に進化しようとしていた。
「ナス!お前を殺すナス」
「うわああああああああああああ」
「アッ、お前はもう体が
ナス細胞に取り込まれたナス。
輪廻転生の始まりナスね」
「ナスは....美味しくない....ナ....ス」
「そう言ってられるのも今のうちナス。
ようこそナス軍へ、うちは週休七日制ナス」
「週休七日制...だと.........でも...それでも...」
そのとき、ナスになりつつある男に悲しき過去が。
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5年前。
「おじいちゃん....」
静まり返った病室の中。
男はナスに殺された祖父の姿を瞳に移した。
「ごめん...なさい。
僕が...ナスを揚げようとして...
家が爆発したから....」
死体の口が開いた。
「気にするな...失敗は誰にでもある...儂は5歳で国会を焼いてしまったぞ」
「...でも」
「気にするナ.........ス。
だってぇ..........おじいちゃんは、
蘇ったナスからネぇ」
血色のない肌が紫色に染まっていき、開くはずのない瞼が、開いた。
「なっ...おじいちゃんが!?
乗っ取られた!?」
「違うナス!儂儂儂ははははははおじじじじじじじじじじじじじじじじいちゃんナ」
「うわああああああああ!」
少年は叫んだ。
「返せよ!おじいちゃんを返せぇ!」
奴の頬に向かって、握った拳を振り下ろす。
「ナーーーーーーーーース」
圧倒的な運動エネルギーを含んだそれは、ナス星人1号を消滅させるには十分な威力だった。
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そして、現在。
「ナス!?...なんだ何をしたナス!?」
ナス星人は_______________
肉体が砂のように崩れ、滅びの一途を辿っていた。
「...ナス星人が...!何で!?」
「嫌ナス!死にたくないナス!」
「まさか...!?
まさか......
何も分かんねぇ....
もう死ねよ...分かんねぇから」
「ナアァァァァス!」
ナス星人は消滅した。体の塵芥は風にのって流れていく。
ちょうどその時、漆黒の空の端に太陽が現れた。
「綺麗な...朝焼けだ。戦いは終わったんだ」
彼の目からは涙が止まらなかった。
「...さよなら!」
崖に聳え立つ彼の目には...暁の空で微笑む祖父の姿が写っていた。
『生のナスって、まずいよな』
亡き祖父の声が、聞こえた気がした。




