24話 ネットの神様
「ここ...は...どこだ?」
「すばらしい夢の中へ、ようこそ。
儂は、インターネットの神で、ある」
「なん...だと?」
「おめでとう。君は見事、
『リポストで当選!?君の願い事プレゼントキャンペーン』
にて、厳正な抽選の末、見事当選、となったぞ」
「...混乱してるからちょっと待て、
何が何で何だ」
「覚えて、ないか?昨日、リポスト、した筈だ」
「えぇ...あれってまじて当たんの?
あれ系リポストする奴普通に冷笑してたけど、当たんのか...」
「何で、そんな態度で、リポスト、したんだ?」
「いや...何でだろう。気まぐれ...流れてきたから」
「まぁ、そんなことは、いいんだ...さて、叶えてほしい"願い事"は、あるか?
ただし、ネット関連に、限るぞ」
「願い事か...
暴言吐いてるアニメアイコンのfps垢とか、俺の好みじゃない人みんな見えないようにして、
冷笑系とバカしか流れてこないSNSにしてくれ」
「お前、想像以上に、くだらない、人間だな。
普通に、ミュート、ブロック、活用すれば、良いだけだ。
そんな、くだらん事を、神に、祈るな」
「ブロックしても湧いてくるんだよ...!
あと句読点減らせ、文を長くすんな聞き辛ぇよ」
「3行以上
を長い文と
認識する人
は普段から
本を読んで
おらん証拠
と思わんか
今の人間は
普段の読書
する時間が
足りてない」
「変な改行するんじゃねぇ、
バズったポストのリプにいる説教くさいおじさんか!?お前は!!」
「其方がリプ欄の説教おじさんを覗く時、説教おじさんもまた其方を覗いているのだ」
「知らねぇよ」
「で、他になんか願い事は無いの」
「そんな言われてもさっきの以外ねぇって」
「もっと特別な願い事...!
あるだろ...なんか...こう...!
気になるあの子の裏アカウント...とか」
「気になるあの子の裏アカウント絶対知りたく無いだろ。悲しいよ愚痴とか書かれてたら」
「そうか...やはりお前、ネットに向いておらんのかもしれんな」
「え?」
「お前はネットを最も楽しめる人間が何か分かるか?」
「何って...エンカウント厨?」
「違う」
「え...?」
「人の不幸を、喜べる者だ」
「え?」
「でもお前は違う」
「ちょ...ん???」
「嫌いな奴が凍結されて喜んだ時、
年越しした瞬間に流れる二番煎じのネタを
先んじて冷笑した時、
エイプリルフールで企業や個人が炎上した時、
お前は、どこか幸せじゃ無かったよね?」
「...なんか語り出したと思ったらその構文使いたかっただけか。
分かってる?お前神様だろ?
なに若人ぶってんだ?
その構文の元ネタ少年漫画だぞ?」
「な!?漫画を楽しむのに...
年齢は関係ないだろう....?」
「いや、あんた何歳?」
「57歳」
「...57でネットのノリ擦ってんのはきついだろ、普通なら孫いてもおかしくねぇんだぞ」
「...私はネットの神様だ」
「だからこそ自覚を持って動けよ。
大抵の有名人はネットのノリを擦ったりしないだろ」
「...」
「黙るなよ」
「......そち...だ」
「え?...な、何だよ」
「難癖ばかりつけやがって!
誹謗中傷とあらば"法的措置"で相手してやろう、
小童ァ!!」
「う、うわあああああああ!法的措置だ!
だいたい妥当な時に使われるけど、
偶にプライド高い奴が批判を受けて、
とりあえず何か反撃しようとする時にも使われる法的措置だ、しかも大抵匂わせといて訴えずに終わる!
あれを見る度に口から冷笑が溢れるんだ!
生きてるって実感が湧くんだ!」
「...クソ冷笑ドーパミンキッズめ、喰らえぇい!!!
私のッ、最強の法的措置ィイイイイイ!
超法的ガベルアタック!!!!!!」
バシンバシンバシンバシン!!!!!!!!!
「うあああああああああああああああああぁああぁああぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああ
俺の...スマホが...!」
ドーパミンキッズにのみ備わる6つ目の臓物、スマートフォン。叩き壊され、ここに仕舞い。




