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「時空の交差点を護る女神たち」(セーラー服と雪女 第24巻)  作者: サナダムシオ


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㉙ 村田京子

「なあに?二人きりで楽しそうにして……アヤシイわね?」

 ちょうどそのタイミングで、エレベーターから村田京子が現れた。


「まさかアタシのサン・ジェルマンが、"知恵の神トート"かもしれない、なんて話をしているんじゃないでしょうね?」


「ええっ?」

 これには流石の雪子も驚いた。


「なによ。私だって、古代エジプトの神々について、少なからず勉強しているのよ。それに伯爵がアヤシイほど有能なのは、昔からじゃなくて?別にイイのよ、彼が何者でも…何しろアタシなんか、雪女なんだから。」

 京子は、当たり前のように、そう言って笑った。


「それにしても、シュメールのアヌンナキの次は、古代エジプトの神々だなんて、流石の雪子さんも、手に負えないわよねえ?」


 コレには、雪子も反論出来ないが……苦し紛れに、ついこんな事を言ってしまう。

「……まあ、イザとなったら、私たちには雪村が居るけどね?」


「雪村君に頼り切るのは……感心しないわね。貴女らしくもない。」

「そうね……今のは失言だったわ。忘れてちょうだい。」

 それっきり、三人は黙り込んでしまった。


 すると、そのタイミングでまた、エレベーターの扉が開き、地下のゲストルームから、ジャンヌ・ダルクがやって来た。


「ああ、雪子さん、京子さん、こんにちは。先日はお疲れ様でした。」

 彼女の日本語も、ずいぶん流暢なモノになっていた。


「それと……ろくに戦力にならなくて、申し訳有りませんでした!」

 彼女はそう言って、深々と頭を下げた。


「そんな……とんでもない。その点に関しては、私たちはみんな、大差無かったのよ。」

 京子も、ジャンヌには優しく言った。


「そうよ。今回は、相手が神様なんだもの。負けたって、恥ずかしくは無いわ。」

 雪子も慰める。


「でも私……早々に気を失ってしまって……その間に決着が着いていたから。」

「アレはね、成雪君に憑依していた、セトという名の神様が片付けたんだよ。」

 伯爵がそう言った。


「だから残念ながら、誰の手柄でもないんだよ。」

「そう……なんですね?」

「そうよ。落ち込む事は何もないのよ。」

 京子がもう一度、ソレを強調して言った。


「分かりました…じゃあ私、今から地下の武道場に行って、もう一度鍛え直して来ます!」

「おお、前向きでイイじゃない。そういう事なら、私も付き合うわ。」

 雪子がティーカップを置いて、腰を上げた。


「ハイ!是非お手合わせをお願いします。」

 そして早速二人は、張り切って地下に降りて行ったのだった。


「やっぱり彼女たちは、ああじゃなけゃね?」

「そうですな。」

 少しオトナのカップルは、ソレを見送るのであった。


挿絵(By みてみん)

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