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「時空の交差点を護る女神たち」(セーラー服と雪女 第24巻)  作者: サナダムシオ


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㉗ 私の成雪

「……ああそれと、ご心配無く。成雪君のカラダはお返ししますよ。」

 セト神はそんな事を言いながら、気を失って転がっている、ジャンヌ・ダルクを起こした。


「ホントに大丈夫なのよね?」

 心配そうに尋ねるカグヤ。


「大丈夫ですとも。以前、雪村君やサン・ジェルマン伯爵のカラダを乗っ取りに来たのは、四次元世界の住人の中でも、ずっと下っぱの連中なんですよ。」

「えっ?」

 コレは雪子の反応だった。


「実のところ、あなた方が多少自由に動きまわっても、我々の四次元の世界から見て、大した影響はないのです。」

「……そうなんですね?」

 コレは伯爵の声。


「アレは縄張り意識の強い、雑魚のやる事なんです。でも、同じ世界の住人として、謝罪しておきますよ。申し訳ない。」

「いやいや……そうですか。」

 急にそんな風に言われても、中々信じられないものだ。


「爬虫類族だって、元を正せば、それ程好戦的でもない……きっと歴史のどこかで、我々四次元人の誰かが、憑依したり、影響を与えたりしているはずです。」


 成雪の話を聞きながら、ふと雪子が周りに目を遣ると、頭足類の円盤群は、すっかり退散していた。彼等とて、好きで戦争を仕掛けて来た訳ではないのだろう。

 親玉のアポピスが居なくなった今、頑張る理由も無いのだ。


「じゃあ私はコレで……ああ、そうだ。色々と迷惑をかけたお詫びに、私のチカラが必要な時は、この成雪君を通して、いつでも呼んでくれたらいい……キミたちの世界では、"召喚する"と言うのかな?」


 セト神は最後にそう言うと、成雪の中から、フッと抜けてしまったようだった。


「あれっ?僕、今までナニをしてたんだろう?」

 そこに残ったのは元の成雪だった。

「お帰り。私の成雪。」

 カグヤが彼を抱き締めた。


 こうして、地底世界への侵略行為は、一つの終結を迎えた。チーム・サン・ジェルマンも、警備担当から目出度く解任となり、皆で元の時空に帰る事になった。


「色々と世話になったな、伯爵。」

 ウアジェト女王が言った。

「いえいえ。また困ったら何時でも呼んで下さい。すぐに駆けつけますよ。」

 サン・ジェルマンが、それに答える。


「まだ少し、虫たちの動向が気になるが……当面はモンダイ無かろう。」

「彼等もきっとどこかで、我々がアポピスを退けるところを、見て居ますよ。」

「……だとイイがな。」


「じゃあまた。縁が有ったら逢いましょう。お元気で。地下世界の平和を祈ってますよ。」

「ありがとう。他のメンバーにも、よろしく伝えてくれたまえ。」


 そして伯爵と愉快な仲間たちは、無事に元の世界に帰って行ったのである。


挿絵(By みてみん)

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