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「時空の交差点を護る女神たち」(セーラー服と雪女 第24巻)  作者: サナダムシオ


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⑯ 猫姫と犬王

 何だかんだで、一週間が過ぎた。

 今日は二週目の月曜日だ。


「何だか、私たちだけ暇ねえ?」

 黒猫のバステト嬢が、隣を歩く犬王アヌビスに話しかける。彼女は今日も、金の甲冑とオリハルコンの剣を、身に着けている。


「またナニか出て来ても、前みたいに無闇に始末しないで下さいよ?」

 犬王が答える。彼の服装も、何時もの未来的なツナギだ。


「貴方、私を何だと思っているのよ?」

「天下無双の女剣士。」

「……悪くない通り名ね。」

 どうやらお気に召したようである。


「この私が、貴方の命を何度も救った事も、お忘れなく!」

「ええ、それはもちろん、有り難いと思ってますとも。」


 二人は、そんな無駄話をしながら歩きつづけて、池のほとりに差し掛かった。

「この池も、よく考えたら不思議よね。」

「えっ、ナニがですか?」


「だって池にしては大き過ぎるし、湖にしては小さ過ぎるわ。それに何より、水が海のように塩辛いのよ。知ってた?」


「……あの水を、舐めたんですか?」

「たまたまよ。何よ、その顔は!」

「いや、別に…。」


 黒猫嬢め、いつも澄ました顔をして、お上品ぶっているのに……余程喉が渇いていたのかな?

 犬王はそう思うと、つい笑ってしまいそうになった。


「……ねえ、知ってる?この池について、マコトシヤカに囁かれている、とある説。」

 バステト嬢が、少し真面目な顔で、そんな事を言い始めた。


「何です?それ。」

 アヌビスも一応興味有り気に返事をする。


「この池の底にも、ポータルになる穴が開いていて、その向こう側は、どうやらニンゲン界の海の底に、繋がっているらしいのよ。」


「えっ?」

「だからこの中から、ナニかがコチラの世界に、やって来る事もあり得るっていう話なの。」

「へえ……そりゃあ、あんまり愉快な話じゃありませんねえ?」


「……だから一応、備えは必要よね?」

「まあ…そうですよねって、ああっ!?」

「どうしたのよ。急にヘンな声を出したりして。」


「……だって、あれ、あれ!」

「え〜、どれよ?」

 黒猫が、犬王の指差す方を見た。


 すると、今まさに、池の中央辺りの水面が、丸く盛り上がり始めるところだった。


 直径10m程の巨大な椎茸の、傘の部分のようなモノが、水面からすっかり出ると、それが徐々にコチラの岸に向かいながら、下の細い脚の部分を見せ始めた。金属の脚は、全部で8本有るようだった。


 そんな、鈍い銀色に輝く、大きな金属のクラゲのような物体が、池の中央部分から次々に浮上して、どんどんコチラに向かって来るのだ。

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