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「時空の交差点を護る女神たち」(セーラー服と雪女 第24巻)  作者: サナダムシオ


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⑬ 雪村と弓子と香子

 日曜日になった。

 今日は、イレギュラーな三人体制の日だ。

 担当者は、真田雪村、酒井弓子、真田香子だった。


 香子は公務員だから、報酬は受け取らず、ボランティアに徹するらしい。偉いなあ、律儀な事だと、それを聞いた雪村は思ったのだった。


 実を言うと、このメンバーの組み合わせには、雪村のチカラの暴走を停める狙いも、含まれていたのだが…。


 弓子のたっての希望で、今日は乗り物を使わず、のんびり歩いて見廻りをする事になった。

 デート気分で、雪村と腕を組んで歩く彼女に気を遣って、妹の香子は、少し後方からついて行く形をとった。


 今日のコースは、田園方面だ。赤っぽい色彩の麦や稲穂が風にそよぐ。このエリアは、比較的に温帯に近い気候だ。


 実にのんびりした雰囲気の、理想のデートコースに思えた。兄の幸せそうな様子を見て、どこかホッとした気分になる香子であった。


 日に日に、ニンゲン離れしたチカラを発揮するようになった兄の事を、これでも彼女は、いつも陰ながら心配していたのである。


 しかしながら、まったりした幸せな時間は、そう長くは続かなかった。

 腕を組んでウットリしていた弓子が、突然ビクッとして頭を抱えながら、その場にしゃがみ込んだのだ。


「とてもたくさんの…恐れや悲しみの感情が…空から降って来る!」

 彼女がそんな事を言う。

 雪村と香子は、思わず赤い空を見上げた。


 果たして頭上では、今まさに、空に開いた大きな穴から、一機の旅客機が、この地下世界に突入して来るところだった。


 ポータル…つまり時空のゲートとなる穴は、いつも都合良く、壁や地面に開いているとは限らない。

 場所によっては、空や海の中にも開いているのだ。


 尾翼のマークから、恐らくそれは、マレーシア航空のモノのようだった。

 真っ逆さまに落ちて来る機体。翼やエンジンの一部が破損している。どうやら制御不能に陥っているようだ。


 おもむろに、雪村が両手を上げる。

 すると、見えないチカラが旅客機を捉え、機体を水平飛行に戻した。そしてそのまま、ゆっくりとウアジェト女王の城の前に、着陸させる。


 「様子を見に行きましょう。」

 雪村はそう言うと、右腕に香子、左腕に弓子を抱えて、パッと飛び上がった。そしてあっと言う間に、女王の城の前まで移動してしまった。


「……今のは、どうやったの?」

 思わず尋ねる香子。

「うん?さあ?何となく出来た。」

 そんな返事をする雪村。

 もはや、理屈抜きのチカラの発現具合だった。


挿絵(By みてみん)


 

 

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