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「時空の交差点を護る女神たち」(セーラー服と雪女 第24巻)  作者: サナダムシオ


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⑪ 森のポータル

「残念だわ。この子たちとは、意志の疎通が図れない。」

 由理子は、そんな事を呟いた。

 実を言うと、鷹志はずっと以前からそんな気がしていた。

 

 昆虫を始めとする、所謂外骨格の虫類たちは、甲殻類を含めて、精神構造的に、我々脊椎動物と相容れないモノが有ると、常々思っていたのである。


 ソレは、イカやタコなどの頭足類より、更に難しく感じられるのだった。


 宇宙を探索する、某SFドラマで昔語られていたように、彼等は、個々の意志よりも、集団の意識を優先するような…そんな印象を受けるのである。


 ソレは、例え昆虫どうしの争いの場面においても明らかで、一匹のスズメバチより、集団のアリの方が強かったりするのである。


 残念ながら、我々には決して彼等の考えは読めない。

 そして恐らく彼等も、個人の考えを尊重する我々の事は、理解不能であろう。

 だから流石の由理子のチカラも、及ばないのが当然だと、鷹志には思えたのだった。


 むしろ鷹志は、外骨格類の祖先は"地球由来ではない"のでは?とさえ、常々疑っていたのである。それはクマムシなどの環境適応性を見ても、明らかなのである。


 そんな事を考えながら歩くうちに、鷹志と由理子は、とある穴の前に辿り着いた。

 どうやらコレが、先程ケツァルコアトルスに教えてもらった、ポータルの入り口らしかった。


 二人がおもむろに中に入ろうとしたその時、逆に中からコチラへ出て来るモノが有った。


 最初に、大きななハサミが二つ見えて来た。しかしそれは、ザリガニでもなければカニでもない。やがて尻尾の先まですっかり全貌が見えると、それは、ニンゲンサイズの巨大なサソリだという事が分かった。


 ソイツが尻尾の毒針をチラつかせながら、次々に穴からコチラに出て来る。

 やがて二人は、穴の前で、10匹程の大サソリたちに、すっかり取り囲まれてしまった。


「友好的には…見えないよねえ?」

 鷹志はそう言いながら、隣の由理子を見た。

 由理子も困り顔だった。

「…彼等は"中に入れ"と言っているわ。」


「…罠のニオイがプンプンするなあ。」

「それでも…行くしかないでしょうね。」

「ユリちゃんは勇気あるなあ。」 


 鷹志は半ば呆れながら、由理子と一緒に穴の中に入って行く。すると後ろから、ゾロゾロと大サソリたちがついて来た。


 もしも前からもサソリが出て来たら、文字通り" 挟み撃ち"だなと、彼はふと考えて、少し笑ってしまった。


挿絵(By みてみん)



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