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3020ストーリー~『第二の地球』と戦士の記憶を辿りながら~  作者: ユニィウルフ
〈第二章〉未来を渡りし者へと告ぐ

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22-3 ジヲの使命

 

「ジヲ……落ち着いたかしら……?」

「……うん……でも、さっきのでエネルギーが……でも、行動をするかれしなかれも、ボクは犠牲になるのは知ってたんだ……」

「そんな……」

「でも、せめて……あのズィーヴェン星人の王を殺せば……あのエイリアンだけは……」

「待ちや……ジヲ……」


 まだ、気が晴れていないジヲに浩司は落ち着いた表情で一声をかけた……。


「ここでエネルギーを使ったら、これまでの成果がパーになってまう……アインスの手掛かりだけのうて、俺らになんか用あって、ここまで来たんやろ? 意地でもここを守りたいのがようわかったわ」

「そうだね……君の言う通りだ……このまま、感情任せにやったら、僕の重要指令を忘れていたところだよ……」


 一瞬で赤くなりかけた目が、すぐに黄色い光に戻っていった……すると、ジヲは私の方を見ていた……。


「君……コードネーム『イリル』……だよね……この辺りに、君に渡したいものがある……」


 ジヲの目が緑色にチカチカと光らせながら、本来壁でしかならない場所がゆっくりと開いた……その中には、壁にかかっているライトシューターが一つ……。


「……なんや? コレ……」

「少し変わった、ライトシューターだな……これも、古代の遺物なのか……?」


 場の雰囲気は、不思議そうな目でライトシューターを見る一方で、ゆゆだけは目を光らせながら、早口で話していた。


「あぁ~あ! これは、時渡の武器の一つ……『時渡(トキワタリ)の軽機関銃(けいきかんじゅう)』ではありませんか~~!!」

「やけに詳しいわね……」

「ウチ、トキワタリに関する物語をぜーんぶ暗記しておるんです~~! 『『第二の地球』武器図鑑』はお気に入りなんどす~~!!」

「……待って、ゆゆは私達がトキワタリだって事を気づいて、協力をしたのかしら……?」


 セナは、ゆゆが協力をしてくれた理由を問いかけた……理由はどうあれ、ゆゆには助けてもらったから、感謝している……もちろん、ノック・ゼクスの人々やレイト部隊のフューチャーファイターズ、浮島連合にいる兄妹やレイト学園の学生にもね……。


 ジヲはライトシューターを両手に持って、いかにも倒れそうに不安定ながらも、私の手に渡した……。


「これ……持って行って……『リファ』が隠してって言われた物……見張るの……苦労したよ……」

「……!? リファに会ったことがあるの?!」


 >システムエラー。データの処理に失敗しました。


「『未来の戦士』と呼ばれていたリファは、この遺跡にやってきてボクにある使命を与えたんだ……『リファ』は両手で武器を渡して、ため息交じりながらも真顔で話していたんだ……」


 ――「コードネーム『イリル』……その名が出るまでは絶対に明かしてはならない……『リグル』はそう言っていた……私には、これから起こる事が全てわかってしまうんだ……これは……私の故郷の星、『フィーア星人』の特質の一つだ……」


「リファは自ら犠牲になる事を知っていて、僕にとある戦士の力を渡して来たんだ……『銃士の力』……一致団結する時に力を発揮するとも……言っていた……」

「……リファ」


 私はリファの顔が頭に浮かんで、少し目が潤いそうになった……もし、リファがいなかったら、ライルと出会うことも『シャドウ・インフルエンザ』を倒すことも、この時代に行くこともなかったんだろうなと、私は胸に手を当てながらそう考えていた……。


「僕の使命はもう果たされた……イリル……あのエイリアンの事と、『シャドウ・インフルエンザ』も事を……倒してきて欲しい……この先に……奴が眠っている……」

「ありがとう……ジヲ……あんたの事を歴史に名を刻んでみせる……そして、アインスの事も……」


 私はジヲから渡された、『時渡の軽機関銃』を装着して、セナ達と共に遺跡の更に奥へと進んでいった……!


 (マスター……最後まで、会いたかったな……)



 ――その一方で……。

 延期されることもなく始まった、『レイトミライフェスティバル3020』は沢山の客足が止まることがなく、次々と入っていった。そして今は昼下がり、人々は屋台やフードコートに人が集中して、休む暇もない状況だった。


 そんな時間で、日陰のベンチにネズミの獣人とその後輩の人間の女子……バイトで休憩中の女子が居座っていた……六は落ち着きがなくウロウロとしていた……。


「おせぇ!! 隊長組はまだ終わらねぇのか?!」

「ネズミ野郎……会議なんだからちっとのそっとじゃ終わんねぇだろ? あんま急かすんじゃねぇぞ」

「うぅ……こんな時……端末にゲームを入れたり、おやつにチーズチョコを持ってくれば……」

「美羽まで……オレはそこまでせっかちじゃねぇよ!! ただ……こんなになげぇと心配になるってことだ!!」


 杏音は海外のブースの方をじっくりと見ながら、ため息を付いていた……。 


「はぁ~、バイトリーダーに言って……暇つぶしに見て回ろっかな……」


 そう考えていると、何だか辺りがざわついているような気がした……しかも、賑わっている方でもなく場が凍り付いているように捉えていた……。


「ちょっと待って……! モニターに誰か映ってる……!」

「今回の博覧会の主催者……? でも、ゆゆ様はまだ来てないのに……?」

「というか……スタッフさん何でウチらを見てんの……? しかも、目がめっちゃ怖いんですけどーーー!!」


 突然、スタッフ一同がやって来ては客を狙っているように睨みつけていて、辺りは呆然としていた……。


「おい……俺達にもヘイト向けられる気がする……」

「うぅぅぅぅ……私達……トキワタリさんに関わったのが……ばれちゃったんです~~もうおしまいです~……」

「なにびくびくしてんだ!! ちげーよ!!」


 美羽はびくびくしながら、六に抱きついてきた……杏音から、親戚の通信が入ってきた……。


「叔父さん……こんなギスギスした時に限って……なんだ~~?」

「杏音、こっちの状況は無事か?」

「今は客を睨んでいるスタッフがいる……後、観客が数十人……」

「ロボットの爺さんが、こっそりと調べたことがバレちまった……! これは、分かった情報なんだが……あの例のズィーヴェン星人の王とやらは陽人さんだと分かったんだ!! それに、会場の場所や例のシャドウ・ウイルスの場所が一致してるのも、奇遇なんかじゃねぇ! あれを使って、攻撃しようとしてんだ!」


 勇誠は鋭い目つきで、焦りを見せるも杏音に的確に情報を伝えた……それを聴いた杏音は顔をこわばりながら――


「はぁ?! 睨んでいるスタッフみんな、エイリアンって事かよ?! 陽人のじじい、よくわからねぇデカ物使って何がしてぇんだ?」


 場の雰囲気は凍り付いたまま、陽人は首を横に振りながら話した……。


「皆様『レイトミライフェスティバル3020』にお越しいただきありがとうございます。今回は非常に残念な報告をさせてもらいます……今回の『レイトミライフェスティバル3020』は臨時の中止とさせて頂きます……今回の協力者に反逆者がいました……そう、フューチャーファイターズの皆様方と大手企業のノック・ゼクスの方々です……そして、今回の参加者方も含まれます……」


 観客がモニター画面の陽人を見て、不満な声を挙げていた……『金返せ!!』『なんだよ、無責任者が!!』『この時を一番楽しみにしとったんに!』『どうしよう~~ヨロレイヒ~~』の声が殺到する中、陽人は一切顔色を変えなかった……。


「手始めに……開幕初日から、あなた方を『ズィーヴェン星』にご招待いたしましょう……! はぁ……戦士様方が……変な探りを入れなければ……こんな事態にはなかったんですけどね……!!」


 陽人は薄っすら笑うと、床から赤紫色の光が床から出てきたのだ……! その光は散らばってきて、人々に落ちてきた……!


「……! 地面から変な光が……!!」

「きゃああああ!!」


 バン!!


「ひょっとして……陸奥川さんが駆け付けて来たんでしょうか……」

「いや……よく見ろ……あの陰からして、山麓のじじいじゃねぇ!!」

「イリルと遺跡組か……?! 何で銃持ってんだ?」


 突然の銃声と共に、見覚えがある姿が遺跡からここへとやってきたのだ……!


「例え、『未来』がどんなに立派に成り立っても、犠牲にしていい『過去』なんて……ない!!」



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