22-2 アインスの願い
浩司の言葉の通り、更に奥の部屋に行くと……そこにはズィーヴェン星人と大型ウイルスの姿が見えたのだ……! 以前、メイキョウ地方で戦った獅子のような姿に瓜二つな大型ウイルスにズィーヴェン星人が背中に乗っており、唸り声を発していた……。
私達はこっそりと様子を見ていた……姿は確かにバグズ・レオだったが、言葉が一切発していなかった……稀に発しても『憎い』や『恨めしい』などの恨みを呟いていた……羅城は警戒しながらも小声で話した……。
「バグズ・レオ……?」
「あれは亜種の『ダークバグズ・レオ』だ……バグズ・レオの怨念が一つになって出来たウイルスだ……遺跡のような暗い場所では、誰かの復讐心や憎しみが集まると、ウイルス因子の餌となってしまう……この種のウイルスを『ダーク種』と呼ばれている……恐らくあのバグズ・レオのみならず、ズィーヴェン星人も似たようなオーラを纏っている……ダーク種に違いないな……」
誰かの執念が集って誕生したウイルス……『ダーク種』のバグズ・レオ……目が赤く光っており、通常よりも気性が荒そうだ……そして、『ダーク種』と思われるズィーヴェン星人は低い声で呟いていた……。
「『ガーレ』ノ仇ハ……俺ガ討ツ……」
そういいながら、ズィーヴェン星人はこちら側に指をさした……すると、ダークバグズ・レオは口から力を蓄えて、こちらに攻撃したのだ……!
「グルあああぁ!!」
「下がれ……!!」
「えっ?!」
突然に姿を表した謎の影が私達の目の前に立って、ダークバグズ・レオの攻撃を手に持っている武器を片手で振り回して、弾き飛ばした!
「あら……タットンにネウラ……?! 何でココに……?」
「説明……後にしろ……」
タットンはすぐさまにダークバグズ・レオの方へと向かって、攻撃を仕掛けていった……ジヲはダークバグズ・レオの方へと近づき――
「そりゃぁぁぁ!!」
ジヲは目を赤く光らせながら、ダークバグズ・レオに対してエネルギー弾を放った……! しかし、エネルギー弾はダークバグズ・レオに命中しても、真顔だった……。その後、ダークバグズ・レオの指示役であるズィーヴェン星人は見下しながら鼻で笑っていて、ジヲは足を強く踏み入れながら大きな声で話した。
「……何カシタカ?」
「あの時……タイムマシンを使って、マスターを肥やしにしたのって……君たち『ズィーヴェン星人』の王だってこと……そして、あいつの偽名はもう知ってるよ……『古鴨 陽人』……」
「……!?」
ジヲは『ズィーヴェン星人』の王の名前を明かしていた……! ジヲの口からは顔見知りの名前が挙がっていて、衝撃のあまり、みかんが頬を引っ張りながら目を見開き、ゆゆは『どういう事?』と言わんばかりに疑問を抱いていた……。
「えぇぇぇ?! 陽人さんが?! アタシ悪い夢でも見てるんか?」
「『古鴨 陽人』……今回の『レイトミライフェスティバル3020』の主催者様も『古鴨 陽人』はんどすが……」
「……何であの残忍なエイリアンでしかない奴が……! 逆に何でタイムマシンを造ったマスターが破滅の運命を辿らないとならないんだ……!」
「アインス……『タイムマシン』ヲ造ッタ野郎カ……貴様ノマスターハ……ヌルイ考エデドコカノ時代ヘト行ッテシマッタノダゾ……タイムマシンノ活用方法ニ怒リヲ覚エタ上デ封印ヲシタ……カツテノ地球ガ『コレカラノ未来』ヲヨリヨクデキルノニアインスガチャンスヲ潰シタノダ……哀レニモ程ガアル……」
ズィーヴェン星人は睨み付けながら、アインスを貶していた……ジヲは過剰になって、赤く目を光らせながらズィーヴェン星人にこう言い放った……。
「マスターをバカにするなんて……許さない……許されるはずもない……マスターは『温かな瞬間』に行くために……タイムマシンを造った……誰もが血を流すことのない、温かい時代へと行ける機械を造って、歴史に名前を刻み込んだ……! それに引き換え、マスターの経歴を知らない奴は、タイムマシンを利用して、利益を得ようとしていた……過去の時代の物を盗んで、ただのお金に変えていた……! 過去の時代を調べるだけならまだしも、過去の改ざんを真顔でしていた……こんな事、マスターは望んでいない……! 僕は……僕は、マスターをこの宇宙の誰よりも大切な存在なんだ……!!」
「ジヲ……」
「戯言ハモウイイ……ヤレ……!」
ズィーヴェン星人の掛け声で、ダークバグズ・レオは攻撃を仕掛けた……! 私達も必死に剣やハンマーで攻撃を仕掛けるも、回避されたり、弾かれたりしていた……羅城は剣に地面を刺しながら、ブラストを放って、私達を戦いやすくしてくれた……。
「羅生炎陣!!」
「そらっ!!」
「ブリズ!!」
支援マジックの『パワード』をかけてくれたかのように、身体が軽く感じ、浩司やみかん、リトやゆゆも一気に攻め込んだ……しかし……どんなに攻撃を与えてもダークバグズ・レオは、全然真顔だ……。
後ろに隠れていた、ジヲは目のランプが消えかかっていた……。
(マスター……今大切なのは『これからの未来』なのかな……)
――「ジヲ……ちょっと行って来るよ……そんな顔しなくても、すぐに戻ってくるよ……『これからの未来』を繰り広げるには……『これまでの歴史』が必要不可欠なんだよ……例え歴史離れが進行してもさ、過去はなくなることは一切ないんだ……」
ジヲは目を再び青く光りだして、こちらにやって来た……!
「何度アガイテモムダダ! 『コレカラノ未来』ハ逆ラエヌ……過去ナンゾスグニナクナル!」
「うわぁぁぁぁぁぁあ!!」
ジヲは大きな弾を放って、ダークバグズ・レオに命中させた……! ダークバグズ・レオとズィーヴェン星人は目を手で隠しながら、抵抗する……。
「違う……『これからの未来』を繰り広げるには……『これまで歴史』が必要不可欠なんだよ……! 君がどう歴史を馬鹿にしようとも、未来にこだわろうとも、過去はなくなることはない……!!」
「グッ……! 小賢シイロボットメ……」
「弱点……頭だよ……!」
「頭やね! お任せください~!」
ゆゆはその場でジャンプして、弓を引いてブラストを放った……!
「紅葉流・花ノ舞!!」
ゆゆが放ったLeafの矢は全て、ダークバグズ・レオの頭部やズィーヴェン星人の頭部に的中させて、ダークバグズ・レオは、一瞬二つ脚で立ち上がった後、横に倒れていた……。
ズィーヴェン星人はダークバグズ・レオの背中から降りて、ダークバグズ・レオを責めこみながらも不機嫌になっていた……。
「何ヤッテルンダ……! 役立タズナ駄獣ガ……コウナッタラ俺ノミデ……ッテン……?」
ズィーヴェン星人も因子になりつつなっていた……ラッキーはニヤリと笑いながら話していた……。
「ジヲは弱点は頭だって言っていたが、『奴の』とは一言も言わなかったな!」
「ナニ……クソ……! ウゥ……」
「これからの未来に必要不可欠なのは『過去と現在』である事をお前は背いていた……」
羅城は因子になりかけているダークバグズ・レオとズィーヴェン星人に背をそむきながら話していた……ズィーヴェン星人は『フン』っと鼻で笑いながら消え去っていった……。




