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3020ストーリー~『第二の地球』と戦士の記憶を辿りながら~  作者: ユニィウルフ
〈第二章〉未来を渡りし者へと告ぐ

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22-1 誰かのノート

 

 (『運命の人(トキワタリ)』……そして、志津子も美羽も六もごめんね……でもこうなる事が分かっていたから……)


 フューチャーファイターズの拠点内で治療を受けた後、誘拐されそうになった赤ん坊を助けるも、きらりは赤ん坊の代わりに黒い船にさらわれていってしまった……。


 特殊な砂で出来たというガラス張りのカプセルに閉じ込められたきらりの外に、ズィーヴェン星人が二体おり、一体はレバーを握り、もう一体はカプセルの方をじっくり見張っていた……。


「ヨシ……次ハ『レイトミライフェスティバル3020』ヘ向カウトスルゾ!!」

「王モソコデ待機ヲシテイル! 次ノ段階ニ繋ゲロ!!」


 船は段々と『レイトミライフェスティバル3020』の方へと向いて、移動し始めた……きらりは抵抗する事もなく、ただ目をつぶっていた……。


 きらりは脳内から、拠点内にいる志津子とオペレーターの『フォア』に自分の考えを伝えた……現在、志津子はオペレーター室に慌てて急いで向かっていた……。


「どうするかのう……!!」

「急いで、救出しますか?!」

「隊長は今、陸奥川さん達と博覧会の責任者を説得しに出かけてての……今拠点にいるのはわしらと警備をしておる戦士だけじゃから……美羽ちゃんと六くんは博覧会の方で勇誠くんに呼ばれての『怪我した時に治せる奴が必要なんだ!!』とな……万が一拠点を攻撃されることを想定しないといけないぞい」

「わかりました……しかしどうすれば……」


 ――志津子……このままで……私にいい考えがあると思って欲しい……。


 志津子の頭から、きらりの声が聞こえてきた……捕らわれているのにも関わらず、落ち着いた声だった……。


「テレパシー……? きらりはまだ無事なんじゃな……! 無事はいいんじゃが、いい考えって……?」

「治してくれてありがとう……でも、私を信じて欲しい……『レイトミライフェスティバル3020』には警戒するように伝えておいて……『ズィーヴェン星人』の王が潜んでいる……」


 志津子はきらりが言っていた話の内容をそのままフォアに話した……内容を聞いたフォアは急いでキーボード操作をして、『レイトミライフェスティバル3020』にいる雷美の端末に繋げていた……。


「わかりました……こちら『フォア』……!」


 フォアが繋げた先には、『浮島連合』の雷美と風雅、そして『レイトミライフェスティバル3020』でバイトしている杏音が映っていた……話によると、入場門の外は初日の入場者で溢れかえってるそうで、3日間行列で過ごした人もいたんだとか……。


 フォアはきらりのメッセージを伝えると……雷美達は目を見開きながら話していた……。


「オッケー……って、ズィーヴェン星人の王?! 『シャドウ・インフルエンザ』だけじゃなくて……?」

「待ってください……フォアさん……!」

「風雅さん、どうしましたか?」


 風雅は手に持っている、昔ながらの端末を通して、真剣な表情で話していた……。


「えっと……僕の推測なんですが……今回の会場の場所と、『シャドウ・インフルエンザ』が封印している場所が、『偶然』重なったとは思えないんです……」

「陽人のじじいがわざとここを選んだのを怪しんでんのか?」


 杏音は自分にとっては楽な姿勢で、高めな段差に座っていた……風雅の推測を聞いて、少し険しい顔をしていた……。


「山麓さんの話を聞く限り……陽人さんは開催期間を変える気配はないとおっしゃっていました……その上で遠回しに拒んでいるのは、祐郎さんの言う通りに彼の過去が絡んでおり、その過去に『シャドウ・インフルエンザ』が絡んでいた可能性が……」

「おーい、杏音~そろそろ客人がやって来る時間だぜ~~!!」

「すまん、あいつのことはちょっと警戒しとくぜ。ちょっと行ってくる」

「あっ、アタシも浮島のブースに行こっかな~。お兄ちゃん、先行ってるね~~!」

「ああっ! せめて雷美だけは最後まで聞いてくれ~~!!」


 杏音は勇誠の声のもとへ駆け走っていき、風雅は雷美を引き留めるも、雷美は迷うことなく浮島諸島のブースへと向かっていった。

 風雅は涙目にしながらも、志津子は慰め交じりも、この後の行動を一緒に考えた……。


「風雅、言いたいことは分かったぞい~最悪なケースだと『ズィーヴェン星人の王が博覧会を利用して、シャドウ・ウイルスを復活させる』事じゃな……こうなった場合は被害者数が計り知れぬぞ……陽人とやらは一体どのようにして、博覧会を進めるつもりなんだろうか……あまりにも情報が少なすぎる……」

「遺跡にいる方に連絡してみますね……」


 ――その一方で……。


 私達は謎のロボットである『ジヲ』と共に、『第二の地球文明の遺跡』の隠された階段を下って行った。下の階へと下るとセナやラッキーのライト機能や懐中電灯の光が頼りになるほどに、暗闇の中を歩いて行く……。


「なんか、匂う……」

「えっ……どこがや……?」

「白い服の女の子、マスターと同じ香りがするような気がする……」

「なーんや! 昨日コソコソ食べた、クリームチーズサンドかと思てたわ~~! あっ……」


 みかんは口を手で塞いでいたが、目を細めた浩司が『後で聞かせてな』と小声で呟いていた……そんな中で、床にボロボロになっていた本のような物が落ちてあった……。 


「誰かのノートかいな……?」

「そうみたいどすね~優しく読んでみましょか」


 私はノートが破けないように、ゆっくりとページをめくっていた……字はインクで書かれている為、薄っすらと書き残されている……。



 2111年6月、僕たちが住んでいた街は深刻な問題に直面していたのだ。

 ある日、じいやが買い物に出かけていた所、いつも買っている卵が信じられないほど高くなっていたと謝罪の言葉を交えながら話していた……その上で従業員が年寄りや中年期の人が多かったらしく、じいやは少し心配そうな目でお店を覗いていた……。


 そう……とうとうこの街にも、少子高齢化社会による人口減少とスタグフレーションによる物価上昇や景気悪化の進行が進んでいるのだ……しかも、僕が住んでいる街では景気が豊か街で、貴族や僕のようなお坊ちゃまがたくさん住んでいる街だったので、たった1セントの差で、10ドル上がったかのように、物凄く敏感だった。


 僕はじいやから誕生日に貰った端末を使って、解決方法を検索した。検索の結果……どれも、僕の力のみじゃ手に負えない事ばかりだ……万が一、お父様やお母様に連絡することもできるけど、現在は海外へと飛び回っており、仕事中って事も踏まえてもうしばらく様子を見ることにした。


 この街での生活が長く過ごせることをただ祈ってる事しか出来ないのだろうか……僕はしばらくの間、この事で頭がいっぱいとなり、学校や風呂でも、先生の授業を聴きそびれかけたりのぼせそうなほど、長風呂になった……。



 ……次のページをめくったが、インクが滲んで良く見えなかったり、破けてしまって見れない状態になっていた……。


「ページが破けてしまってるな……」

「見る限り、持ち主はかつての地球にいた人のようね……」


 羅城とセナは、考えてながら話す……それを横にジヲは目をチカチカさせながら、ノートの方を見た……。


「……! これは、マスターの引き出しに閉まってたノート!」


 どうやら、ジヲのマスターが書き留めておいた日記だそうだ……ジヲは目を黄色く光らせながら話す……。


「マスターは実際に起こった出来事を日記にして書く事をずっとしてたんだよ。これは……マスターが子供の頃の記憶で、直面している社会問題を解決する為に必死だったんだよ……この時の技術力が重なり、ボクを生み出してくれた……そして――」


 >システムエラー。データの処理に失敗しました。


「そして何なんだ?! 気になってやな夢観そうだぜ!」

「ごめん……大事な部分が破損しちゃってたみたい……」


 ラッキーが足で頭をかきながら、話していた……みかんは、床の方に指をさしながら、呼びかけていた……。


「破れたんページがここにある……!」

「どれ……?」


 みかんはゆっくりと破れたページを掴んで、私に渡して来た……。




 2120年10月、この街での生活は、もう終末を迎えようとしていた。 

 僕たちが住んでいる区域では、過去最悪な戦争が発生しており……等々、故郷から離れることになってしまった。


 僕たちも、もうここには住めないから、頭巾を装着してじいやと逃げることにした……街の中で聞こえてくる、銃声や爆発音……瓦礫やガラスの破片が散らばる道路の中で、僕たちは必死に逃げた……。


 その道中、はぐれてしまった一人の子供がいた……その子は崩れた建物の下敷きとなり身動きが取れなくなってしまっている……すると、じいやは僕を先に行かせてこの子を助けると言い出した……この時、僕は落ち着きがなかった為必死に止めるも、論破されてしまい……じいやを信じて、先に逃げていった……。


 しかし、じいやが帰ってくる気配もないまま、僕も逃げることに専念して、ようやく船へと駆け込んでいた……目に浮かんだのは紅く見えた、炎が燃え盛る山……爆発音や投下音が立て続けに鳴り響いた……だんだん僕の目がぼやけてきた……これが故郷のあるべき姿なのか……どうして、犠牲者を出してまで奪おうとするのか……自分達の住処じゃダメな理由でもあるのか……僕は手すりを強く握りながら、お別れの言葉を言う……さよなら、みんなと……。


 あの子は無事に避難用の船に乗れて、少しほっとするもまだ悲しみでいっぱいだ……。僕も……どこかへ行かなくちゃ……よし、あっちの国なら、比較的安全だし……僕が大学で身につけた技術力なら、研究所を経営するのも行けると思う……それまではしばらくの間、メカニックエンジニアをして、下積みしないといけないな。



「……これは、マスターが戦争で故郷を失った頃の記憶だね……この戦争は世界各地で繰り広げられて、約2000万人もの犠牲者が出てしまったんだ……その中で、マスターの家族やじいやの名前が入っていった……」

「そんな……」


 このページは戦争について書かれていたのだ……こちらまで心が苦しくなる内容だった為、ジヲも目を青く光らせながら、力を無くしかけてた……。


「あっちにもあるで……! まだあるみたいや……」


 リトは、遺跡の端にあったと言う破れたページを私に渡して来た……。



 2131年9月、研究所を持つことができた僕は、次の段階へと移行するようになる……相棒のロボットであるジヲや研究員と共に、誰もが時空を超えて時代を駆け抜けるようになる『タイムマシン』の開発に成功させる事だった……。


 理由としては……長年にわたり、僕は一家団欒を経験したことがない。学生時代の頃に家庭が一般人の同級生が、家族でテーマパークに行ったと教室で話していた……そういう話を聞くと何だか心が曇ってくる……僕の家庭は豊かだったものの、兄弟姉妹の仲はイマイチだったが上、両親も仕事で海外へ飛んで行っており、一年に2~3回位しか家に帰ってこない家庭だったのだ……。


 人生で最後の一家団欒は、小学生時代の時、屋敷の庭園でみんなでお茶会を開いたことだった……対してどうでもいい話をして、よくわからずに盛り上がって……そんな楽しい時間だった……。


 だから……もう一回だけ……あの頃へ戻りたい……そう思った僕は、誰もが温かい時代へと行ける機械を造っていったのだ……もう、血が流れる事は二度とないように……。


 追伸:このノートを見つけた方へ

 万が一、もうこの『地球』が住めなくなった星へと化とした場合、どこかの遺跡へ隠して欲しい……。

 鍵については、もうバラバラにして、使えなくしたけど……無理矢理使おうとする奴もいるはずだよ。


 それじゃあ、よろしくね。 アインス研究所の『アインス・アルタリアス』



 『アインス・アルタリアス』……この名前は確か……『タイムマシン第一号機』の創造者だ……薄々と気づいたが、このノートはアインスの日記だったのか……最後にはタイムマシンを悪用する者に腹を立て、鍵を壊して姿を消してしまうんだよね……。

 そして……ジヲは目を青く光らせながら、低い声で話す……。


「マスターが……タイムマシンの開発する事に心に決めた頃の記憶だね……あれ以降……忙しくなり過ぎて、日記にてを付けられなくなっちゃったけどね……あの後、タイムマシンは無事完成出来たけど……あの後が……」

「こちら、フォア……! イリルさん、いますでしょうか……?」


 セナがモニター画面を映し出した、オペレーターの『フォア』が、真剣な表情で話していた……きらりがズィーヴェン星人の王の事を話したこと、『レイトミライフェスティバル3020』にズィーヴェン星人の王がいる事……そして、今回の『レイトミライフェスティバル3020』に違和感を覚えたことを全て話した……。


 羅城はフォアに手を胸に当てながら、気になる事を問いかけた。


「……そんな事が?! それはそうと、隊長やノック・ゼクスの皆様は無事だろうか……?」

「今の所は、連絡はありませんがGPSが動いているので、順調に進んでいると思います」

「……待ちや……何かおるで……!」


 浩司の言葉の通り、更に奥の部屋に行くと……そこにはズィーヴェン星人と大型ウイルスの姿が見えたのだ……!



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