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3020ストーリー~『第二の地球』と戦士の記憶を辿りながら~  作者: ユニィウルフ
〈第二章〉未来を渡りし者へと告ぐ

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21-1 レイト部隊の緊急会議

 

 『レイトミライフェスティバル3020』の会場内の月に照らされている頃の時間帯に、ある男性が様々な色や形の建物を窓ガラス越しから見渡していた……そこに、一通の通信が繋がってきて男性は発信マークを人差し指で押し込んだ……端末の先にはとある生命機械人の声が聞こえてきたのだ……。


「陽人氏、このまま大規模な博覧会を開催するつもりだろうか? ウイルス側の軍隊が一軍、『ズィーヴェン星人』の残党が『第二の地球』に降り立ってきたのだぞ?」

「はい、この件については存じ上げています……我々も対策としては、十分な案が揃ってきている所ですので……ところで、フューチャーファイターズの隊長様が何故、この件について深掘りするのでしょうか?」

「『レイトミライフェスティバル3020』の開催の延期の申し出にやって来たのだった……」


 祐郎は陽人に『レイトミライフェスティバル3020』の開催時期を延期する事を提案した。祐郎が心配しているのは『ズィーヴェン星人』やウイルスなどの敵対関係によって、参加者の身の安全に関する事についてだけではなかった。


 現在、レイト地方内に『トキワタリ』がやって来た情報が入って来て、デモ活動や誹謗中傷などといった『トキワタリ』に批判する事で大混乱に陥っている。その中での開催は状況の悪化と捉えた為、このような提案を申し出たと言う。陽人は手を顎に当てた後、目を軽く閉じながら話していた……。


「先程、山麓さんからも十分聞きました……せっかく『第二の地球』の未来を分かち合う絶好の機会を無駄には出来ません」

「あくまで『延期』だ……『中止』を申し出にやって来たのではない……」


 祐郎は首を横に振りながら、話していた……陽人は長い沈黙をした後、自身の考え方を的確に話していた……。


「何もかも、遅かれ早かれとも『未来』はすぐそこへとやって来ます。安易に開催期間を伸ばすことは出来ないので、もうしばらくお待ちください……後ほど、部下を集めて会議で話すので……所で、貴方様のその喋り方からして、レイト地方の『過去』を気にしているように伺えます……」

「そうだろうか……我はレイト地方に起きた数ある悲劇をもう起こってほしくないだけだ……一度、レイト地方はとあるシャドウ・ウイルスに崩壊させられた事がある事はお前も知ってるだろう……? 我は機械の体に生まれ、師匠の元へと拾われてた……その師匠や故郷を失い、相棒を失いつつも戦士の道を72年歩んできた……数々の苦難を歩んできた我は、栄光や名声を手にしても、心の傷は一生消える事はない……」


 祐郎は一本調子な声で、これまで経験したことの一部を話してきた……それを聞いた陽人は釣られて虚ろ目になっていた……。


「……つらい経験をされたのですね……確かに、最大の悲劇になることは誰もかも望んでいない事でしょう……分かりました……検討いたしますので、少々お時間いただけますか……」

「確かに、少し喋りすぎたな……それでは、お暇しようか……それと、もう一つだ……『【過去】は全ての始まりであり、一生残るもの。【現在(いま)】も【未来】も過去で成り立つ』これだけを覚えておくように……」


 祐郎は陽人に意味深な言葉を残しながら、通信を切った……その後、陽人はため息交じりで呟いていた……。


「はぁ……祐郎様は相変わらず頑固ですね……向くべき課題は、『これからの未来』なのに……でも、何だか説得力がある気がします……どうしてでしょうか……?」



 祐郎は通信を切った後、少し前に行われた緊急会議のことについて、思い出していた……。


 それは、イリルとセナが『トキワタリ』である事をレイト地方内で広まってしまった後、祐郎は通信室から拠点の全体へと通信を繋げていた、緊急会議の時だった……。


「皆の者……急な呼び出しをしたことを深くお詫び申し上げる……ウイルス側にいる宇宙人、『ズィーヴェン星人』と思わしき生物が、イリルとセナが『トキワタリ』の身分を手に入れ、世間に明かしてレイト地方は『トキワタリ』に関する事での賛否両論で混乱し始めている状況だ……」


 ロビー内では、様々な戦士やTypeの力に恵まれてる者が集まっていた……『レイトミライフェスティバル3020』にいた、雷美と風雅、杏音と勇誠が祐郎に先程起こっていたことを話していた。


「博覧会の会場内では、既にトキワタリを批判する声で充満しています……」

「このまま長引くと、博覧会に閑古鳥が鳴いちゃうかも……」

「マジでどうすんだぁ~! 俺たちが苦労して建てた建設を一晩で壊せってのか?! 俺らまで壊れちまうだろ!!」

「叔父さん……まだ壊すって決まったわけじゃねぇだろ? 都会って自由なイメージがあったけど、意外とクソ田舎に似てる所あんだよな……それはそうと、叔父さんの場合は体調不良でも仕事に行こうとすっから、心配するのはそこじゃねぇだろ?」


 勇誠は足を強く踏み入れながら、歯を食いしばっていた……杏音は舌打ちをしながら皮肉な事を言っている……。

 続いて、ロビー内にいる山麓と五百子、端末からもう一人の社員が参加していた……。


「もしもし~? 私はノック・ゼクスのオペレーターの『ほん 睡蓮すいれん』と申します。山麓さんに調べた結果、常に退職した方がお二人おりますね~」

「我が社にズィーヴェン星人に関わってる者がいたと……?! しかも内通者が、最近出世したばかりの……」

「ええ……まだ内通者がいたのか~~……あのインベーダーめ~そこまでしてオデ達を倒産に追い込ませたいのか~……」

「五百子さん……我が社はちょっとのそっとじゃ潰れたりはいたしませんよ……? えらい打撃は喰らいましたが、業績はまだ黒字……ズィーヴェン星人の対策はしっかりしておりますので……」


 睡蓮は端末から余裕のある表情をしながらも、少し険しい声で話した。山麓の横に端末をじっくりと見ながら悩んでいる浩司と、浩司の腕を掴んでいるリトの姿があった。


「浩司……まだあいつが言ってる事信じるんか?!」

「……正直信じたくあらへんが、親父に関連する手掛かりあったら、回収すりゃええし、敵がやって来たら対処するだけやで」

「しかしのう……」


 浩司が先程戦っていた、ズィーヴェン星人の幹部を撃墜した時に、捨て台詞かと思われていた言葉が引っかかるそうだ。キーボード操作をした浩司は祐郎の元へデータを送信した……。


「この前回収したデータチップにこんなん書かれてたんや……親父の遺言としれっと混じって、こんな事が書かれてたんや……」

「どれ……?」


 最愛なる息子の浩司……。

 このデータを読んでるっちゅーことは、もう遺跡に行ったみたいやな。

 みんなで家族旅行をした頃は、まだお前が小5の時だったがなぁ……。

 みんなで行った海は今でもハッキリと覚えとる……。 

 浩司が俺にガチガチに砂埋めてたの、あれビックリしたねんて。


 さて、本題に入るとするか。


 俺が持ち出した遺物は、古代タイムマシンの傍にある。

 誰も見つからへんように隠すのは苦労をかけたわ……。

 古代タイムマシンと深いかかわりがあるから、むやみに明かさんといてな。


 それと、もう一つ

 地下に『シャドウ・ウイルス』が一体、『シャドウ・インフルエンザ』が眠っておる……。



 レイト地方、ヒマワリ府 リーフ区 ○番地



 浩司の父、『坂傘 源十』らしき遺言を目にしたイリルやレイト地方の戦士達が、衝撃的な存在に目を見丸くしていた……!


「……!」

「ここって、『レイトミライフェスティバル3020』の会場の住所と一致しているじゃない……!」

「ええ?! 運営側、気付かなかったんかいな?! はよ知らせた方がええんちゃう?」

「みかん、世間ではイリル殿の話題で持ちきりだ。更に『シャドウ・インフルエンザ』がいると伝えたら、更に問題が悪化するのみだ。まずはイリル殿とセナ殿の誤解を解かないといけない……」


 みかんは急いで知らせに行こうとするも、羅城に肩を軽く叩かれ、止められた。山麓は祐郎が映っている、一番大きなモニターの前に立ち、深くお辞儀をしていったのだ。


「陽人様には開催期間の変更を提案しに行って参りました……」

「どれ位の変更を申し出ましたか……?」

「最短でも一週間や二週間程度に、最長でも二ヶ月ぐらいの範囲内で申し出ました……しかし、『もう少し考えさせて』や『安易に変えられない』と言い残して、変更される気配はありませんが……」

「陽人のおっさん、1年で待てねぇのは仕方ねぇが、何で時間をちょっと遅らせる事ぐらい拒んでんだ?」

「きっと、陽人氏にも辛い過去があるだろう……だが、今は市民達を平穏にさせる方が先だ……『レイトミライフェスティバル3020』の事については我と『ノック・ゼクス』の皆と対処するとしよう。そして、『シャドウ・インフルエンザ』は未だに眠っていると言っていた……操縦者がいない限り、目を覚まさぬ……ズィーヴェン星人よりも早く見つけ、撃破を図らないとならない……」


 杏音は陽人の事をせっかちだなと思いつつも、祐郎は視線を下に向きながら陽人をフォローしていた……イリルは祐郎に向かって、手を挙げていた……。


「私をもう一度、『第二の地球文明の遺跡』へと入れてほしい……」


 イリルはハッキリとした声で顔をしかめながら、遺跡に行かせてもらうように話した……祐郎は手を顎に当てながら心配そうな目つきで話していた……。


「でも、きらり殿は……」

「さっき、医療室できらりが一瞬だけ目を覚まして、テレパシーを送ってくれた……そして、こんな事を言ってた……」


 ――私からのお願い、言ってもいい? 『第二の地球文明の遺跡』に行って欲しい……。


「……いいけど、これがあんたの助けになるの……?」

「うん……修正の手掛かり……あそこにある……」

「わかった……」


 力のない頭からの声でも、イリルにとってはハッキリと聞こえていた。イリルは志津子と美羽、六にきらりの頼み事について話していた……三人は沈黙の後、言葉を発していた……。


「そうか……なに、心配することはない、きらりの事はわしらに任せて、お主はきらりが頼まれた事をやればよいのじゃ」

「えっと……上手くできますように……私もあなたも……」

「小娘を治すのはオレ達の役目だ! お前はその修正とやらをやってこい!」

「ありがとう……きらりをよろしくね……」


 祐郎は医療室での出来事を聞いて、軽く首だけでうなずいていた……。


「わかった……しかし、お前はお尋ね者の身だ……くれぐれも注意してくれ」

「あんさんら~待ちなはれ」


 祐郎の映像の隣に、とあるお嬢様の姿がお屋敷の部屋を背景に映し出した。ゆゆは手を振りながら、おしとやかにもある提案をする。


「遺跡に行く際は、うちも連れて行ってくださいな~」

「大丈夫かよ? お嬢さんが出る場じゃねぇぜ?」

「心配せんでくだはい、うち弓道習ってるんで、皆さんのお役に立てると思います~」

「分かった……明日はイリルとセナは浩司達と共に再び遺跡に、浮島連合のお二人と『ダイヤモンド重工』は引き続き会場の方へとお願いしたい……『ノック・ゼクス』の皆は我と陽人氏との会議に参加してもらいたい……それでは、明日に備えて会議を終了する」


 祐郎は解散の声を発したら、各員一斉に動き出していった……。



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