20-5 危機再び
ズィーヴェン星人の幹部との戦いを終えて、リトは息を切らしている浩司にスポーツドリンクを渡して、私は腰を抜かしていた山麓を支えながら立つ。
みかんはゼクス星人だと知った後、山麓に対して質問攻めな姿勢を見せたのだった。
「それよりもな……アタシ、山麓さんが宇宙人だったってことが驚きなんやけど……なんで、最も早く言わなかったんや? てっきり山麓さんの故郷って軍隊ある地方やと思ってたわ」
「申し訳ございません……混乱になる状況を避けたかったんです……先程おっしゃったように、私は『ゼクス星』で生まれて、軍隊の幹部として戦い、残忍かつ凶暴な『ズィーヴェン星』との長きに戦いに血を流しました……結果としては相討ちでしたが……まだ、悔しい気持ちでいっぱいです……」
山麓は因縁の相手を倒れたのを見て、鼻で笑っていたものの表情は暗かった……山麓は持っているヘビィシューターをそっと撫でながら話す。
「ズィーヴェン星との交戦後……血を流して倒れていた指揮官が、最後の力を振り絞って、こうおっしゃっていました……」
――「逃げろ……地下の宇宙船を……使え……お前は……第二の……地球で……暮らせ……る……はず……だ……」
「こうして私は、目に涙を流しつつも、宇宙船に乗り込み、『第二の地球』へと到着しました……最初に降り立ったのはアサガオ府のこの辺りで、放浪としている中、前の最高責任者と出会ったということです。そして時が流れ、最高責任者になる時、ゼクス星やフィーア星のような星が次々と蘇らせたいと意味を込めて、現社名『ノック・ゼクス』として改名をしたというわけです……」
「なーんや、どうしてもフィーア星人を見つけたかったのって、救いたかっただけなんか……『アラサーで宇宙人の研究チームを設立しました~』かと思てたわ~」
「みかん……ラノベちゃうし、一瞬で大企業になんのはハードコアすぎんねんて!」
「あら……? 祐郎から通信だわ?」
浩司はみかんに対して、鋭いツッコミを入れた直後、セナは祐郎からの通信を繋げて、目からモニター画面を映し出した……いつもは冷静沈着な彼にしては、今回は慌ただしく話していた……。
「祐郎……? どうしたの……?」
「イリル……あれ程、『トキワタリ』の身分を明かすなと言ったはずだ……! レイト地方では、お前に関しての批判が既にその話題が広まっている……!」
「ええ……?! 噓でしょ?!」
セナはニュースアプリを急いで起動して、みんなに見せるように記事を見せた……!
<速報>レイト地方に、トキワタリが発見される。
ニュースの記事にアクセスして、スクロールをすると私とセナの画像が乗っていた……これってまさか、ヒマワリ・ネオンシティにいた時の画像……? 記事には、トキワタリが重罪をしている事と関連性があると見て、調べていると載ってある……ラッキーは息を荒くしながら、ニュースにケチを付けていた……。
「なんで俺様が載ってねぇのかよ!!」
「この場合は載っていない方がいいでしょ!」
「どあほ!! あれ程、誰にも言わないて信じてたんに、オレらの約束破ったんか!!」
「誰にも言ってないのに……あっ……!!」
私に怒鳴りつけたリトの言葉で、思い出した事があった……。
『ノック・ゼクス』に行った時、怪しい二人組がコソコソと話していたことをみんなに話す……。
「リト……! 今はどう脱出するか大事や!! 多くの連中が俺らを囲い始めてるで!」
「もう、あんときアタシが羅城さんと一緒に行動してたら、例の怪しい奴をとっちめたんにな……」
「皮肉なこと言ったって、解決しないわよ……」
「一旦、帰還せよ……!! 対策は我々と話し合うべきだ……!」
「う……うん……!」
普段は物静かなアサガオ御所だが、どんどん荒げた声がこちらに近づいてきてる……祐郎は山麓にも真剣な表情で会議に来てと説得する……。
「山麓殿もこの会議に参加して欲しい……!」
「本来ならば、営業時間外となってしまいますが……私個人としては助けられましたので、今度はこちら側が助太刀いたしましょう……!」
「リト……! テレポーターはまだあるんか?」
「テレポーターはあれで最後なんや……」
リトが持っていた、テレポーターは使い捨てのタイプだったらしく、もう使用できない状態だった……すると、セナからもう一人の声が繋がってきた!
「こちら、ゆゆどすえ? SPはんもいくつか送り込みますえ! ただ……出迎えってなると……ごめんなさい……最短でも20分前後かかってしもいます……」
「20分?! 着く頃にはに俺様達が牢屋行きになっちまうだろ!! この辺りに隠し通路とかねぇのかよ!!」
ゆゆは眉を垂れ下がった様子で、下を向いていた……荒げた声はだんだんと大きくなってきて、トキワタリを批判するデモ集団で視界に入ってきた!
「トキワタリを追い出せ!! トキワタリを追い出せ!! トキワタリを――」
「ここにいたぞ! 捕まえろ!!」
「トキワタリって言うのはあなたね!! レイト地方から出て行ってよっ!!」
「もう無理やーーー!!」
批判する一般人が手を出そうとした、その瞬間、下から何かの紋章が表れて、手を出してきた一般人をはじき出した! この紋章……バリアの時とそっくりな星型のマークをしていた……ひょっとして――
――困っているようだね
「キミ達を送り届けるよ……『テレポハイド』……」
「えっ……? きらり……? ちょっと待って――」
私の頭から話しかけていた声と同時に、私達は青い光に包まれて、どこかへ飛ばされていった……!
目を開けたら、見覚えがある基地のような場所……そう、レイト部隊のフューチャーファイターズの拠点へと一瞬で帰ってきたのだった……。
私はキョロキョロと見渡す所、やって来た青い服の少女が、顔色が良くない状態で口を手に抑えながら、咳き込んでいた……。
「……ゴホゴホッ……『運命の人』……」
「……!! きらり……!!」
きらりは立つことが難しい程、力が抜けていた……私は両手で必死に受け止め、きらりを支える……もうしばらくすると、羅城と五百子も、ロビーに駆けつけてきた……。
「すまない……突然、こちらのお嬢さんが『ノック・ゼクス』に入って来て、イリル殿達を救いたいと聞かなかったのだ……私も五百子殿も無茶だと説得したのだが……」
「きらり……体が弱ってるのに何でそんな無茶を……」
「私……どうしても……『フィーア星』と同じ運命を歩ませたくなかった……から……私は……『脅威』の……正体……知ってる……『フィーア星』と……因縁が……うっ……」
「きらり……これ以上は……! 急いであんたを休ませるから……!」
私はセナと一緒に、医療室へときらりを背中に抱えながら走っていった……! 急いで、衛生隊である『若竹 志津子』にきらりをベッドに横になるようにそっと置いて、診てもらう……。
志津子は真剣な表情で私達に向かって、話していた……。
「……フィーア星人か……わしはこ奴のような宇宙人を研究した事はあるのじゃが、治療をするのは初めてじゃのう……」
「治るのかしら……?」
「重症じゃ……長年に渡り、フィーア星人の特有のエネルギーを大量のエネルギーを使う技を頻繫に使用した事によるものじゃ……点滴治療を行うからこのまま回復を待つしかなかろう……」
「……」
私は、目を閉じながら、ベッドの方へと向いていた……きらりが再び立ち上がるのは時間の問題か……せめて、私が何か助けになる事をしないと……。
ん……? 何だか頭の中で急に浮かび上がってきたような……。
――「イリル……沢山、助けてもらったから……今度はお前が助けられる側だぞ……」
……そうだね……ライル……このまま待つことは出来ないね……私は、横になっているきらりを見て、小声で呟いた……。
「きらり……沢山、助けてもらったから……今度はあんたが助けられる側だよ……だって、ライルもそういいながら、私を助けたんだからね……」
――その一方で……。
祐郎はある者に通信を繋げていて、重要なことを話していた……。
「陽人氏、このまま大規模な博覧会を開催するつもりだろうか? ウイルス側の軍隊が一軍、『ズィーヴェン星人』の残党が『第二の地球』に降り立ってきたのだぞ?」
「はい、この件については存じ上げています……我々も対策としては、十分な案が揃ってきている所ですので……ところで、フューチャーファイターズの隊長様が何故、この件について深掘りするのでしょうか?」
「『レイトミライフェスティバル3020』の開催の延期の申し出にやって来たのだった……」




