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ノック・ゼクスの頼み


 きらりの未来予知を受けて私達はアサガオ府のナデシコ通りへとやって来た……やって来るズィーヴェン星人の手がかりを掴むため、ナデシコ通りを調べようとした所、偶然にも羅城と山麓が芝生の広場にて、クレーマーに対応していった場面を見かけた……。

 その後、私から挨拶しようとして、芝生広場へと近づいて行ったら、こちらをすぐに見つけて用事があるかのように軽く手を挙げて、私を呼び出していた……。


 「ああ……奇遇だな……イリル殿……ちょうど、君に頼みたい事があるんだ……突然で申し訳ないが、内容はこちらの山麓殿との話し合いにて、伝える……」

 「わかった……」

 「山麓殿、今回は隊長の代役としてやって来ました……『フィーア星人』探索の件について、私から少し提案があります……はるばるとメイキョウ地方からやって来た、国立家推薦の戦士のイリル殿と優秀なアシスタントのセナ殿に任せるということは出来ますでしょうか……?」


 羅城はすぐさまに、顎を手に当てている山麓に向かって、胸を手に当てながら提案を話していた……山麓は私とセナの事をじっくりと見て、羅城の提案を耳に傾ける……。


 「こちらの戦士さん……でしょうか……? 少なくとも、前回の提案よりかは安定出来ますが、彼女を推薦する理由はあるでしょうか……?」

 「彼女は『第二の地球文明の遺跡』の調査や『レイトミライフェスティバル3020』の防衛を幅広く対応してきました。そして、彼女は過去に『フィーア星人』と出会った事があると証言しています……」

 「なるほど……一旦その件について、詳しく詳細を聴かせておきたいのですが、お時間を取らせてもらっても大丈夫でしょうか……?」


 山麓は私達をすぐさまに、『ノック・ゼクス』の本社へと招待していった……そして、扉が自動的に右に動き、見えたのは長くて向かい合ったソファ二つとその間にテーブルがある部屋……そう、面談室に案内されたのだった……。

 私達はソファにゆっくりと腰を下ろした後、向かい側に山麓も腰を下ろした……そして、山麓にフィーア星人について質問されたけど、これまで起こったことを全部話すと、私が『トキワタリ』だってことが知られてしまう……必要以上な事を伝えずに重要なことのみを山麓達に話していった……。

 この頃を口にすると、羅城とセナは目を見開きながら、反応していたのだ……。


 「それは本当か……? イリル殿………」

 「うん……昨夜、私達にこんな事を言っていた……」

 ――「『ズィーヴェン星人』が『第二の地球』に紛れ込んでいた……アサガオ府のナデシコ通りに降り立つ……行かないと、幽霊の街となる……」


 きらりが話していた未来予知の件を伝えると、山麓は険しい表情で頭を悩ませているかのように話していた……。


 「ズィーヴェン星人……ウイルス側の一軍がまだいたとは……あまり思わしくありませんね……私は我が社とは因縁があります……口惜しい事に、我が社に内通者を送り込まれて、倒産に追い込まれる事態になってしまい、元へ責任者が辞退する事となってしまいました……現在は経営状況は倒産までとは言いませんが、やや不安定な状況下にあります……」

 「そんなことが……あんたも大変だったね……」

 「はい……更に追い打ちをかけるかのように、我が社のウイルス因子予防ワクチンを巡って、クレームや批判が殺到しているところです……我が社が慎重に調査してみた所、ウイルス因子はどうしても見つかりませんでした……」

 「これは恐らく……外部の者がウイルス因子予防ワクチンに何らかの形で小細工を仕掛けた事しか、考えられません……過去にこちらのワクチンを使わせて頂きましたが、この様な事例があることは初めて聞きました……副反応に抗体を作るため、発熱を起こす程度しか……」

 「羅城さんのおっしゃる通りです……我々も見落としがないかとことん調べている所です、そこでですが……ご協力をお願いしてもよろしいでしょうか……本社とは別の医療品を保管する、医療品保管ルームというのがあります。本日未明、防犯カメラが途切れたとの情報が入ってきました……しかし、私は本日『レイトミライフェスティバル3020』の主催の古鴨 陽人様と面談の予定があり、手放せない状況でいます……そこで、我が社の社員と共に医療品保管ルームへと向かってくれませんか?」

 「わかりました。私達、フューチャーファイターズはこれまで、ノック・ゼクスと協力関係を気遣ってきました。これ以上、悪意のある者の好きにさせるわけにはいきません。引き受けましょう」

 「私も行くよ……所で……社員って……あのコソコソ隠れてる人……?」


 羅城はソファから立ち上がって、熱い視線で山麓の依頼を引き受けることにした……私も何か手掛かりが見つかるかもと、羅城に同行する事にした。

 ……何だか視線を感じる……他に誰かいるような……? 私は山麓の背後にあるツボをじっと見つめると、ツボか飛び出るかのように、耳と尻尾が出てきて、その後すぐに私達の方へと移動していった……。


 「サンロクさぁ~~ん……やっぱり他に手が空いてる子いないのぉ~~?」

 「あら? いつの間にいたわ……!」

 「こちらのアライグマの獣人のお嬢さんが……? 貴方もノック・ゼクスの方でしょうか……?」


 山麓の隣にいるアライグマの獣人はあくびを手で覆うように、眠そうな目で話していた……。


 「ん~~……そうだけど、かしこまらないでもらえるかな~……オデは『新井あらい 五百子いおこ』だぁよ~~……ノック・ゼクスの『偵察部』だから~」

 「ぐがが~~……ポンド・ストリートは……俺様が買い取った~……グ~~……」

 「ラッキー!! 寝ちゃダメよ!!」


 セナはラッキーを手で強くつついた……すると、先程までの話を全部聞こえなかったかのようにぐっすりと寝ていたらしい……ようやく目を覚ましたラッキーは半目で辺りを見渡していったのだ……。


 「……? ここどこだ……?」

 「さっきまでの話全部寝てたのかしら?! こんな時……ルッコラ一号がいてくれたら……」

 「こんな場面でも吞気に昼寝できるロボットが羨ましいよぉ~」


 五百子は寝ていたラッキーを見て、羨ましく思っていたらしい……山麓は拳を口に当てながら喉を唸らせた後、五百子にこう話した。


 「新井さん、先程話した通り、戦士さん達を医薬品保管ルームへ案内してもらえますか?」

 「は~~い……どうりでスイレンが「クレーム対応してくるで~、しばらく戻りそうにあらへんわ~」って行った後にオペレーター室に急行したから、ただ事じゃないって思ったんだよな~……話は全部聞いたさ~、厄介ごとになる前に急いで向かおう~」

 「よろしくね……山麓も気を付けて……」


 私達は五百子の後を追いかけるかのように、本社とは別館の医薬品保管ルームへと向かって行った……道中、社員も深くお辞儀をしていた……案外、五百子も尊敬されているのかな……また、コソコソしている社員もいた気がするが、山麓の依頼の方を優先しよう……。


 (いました……『ボス』……あの者がトキワタリです……)


 ――その一方で……。

 イリル達がノック・ゼクスの本社へと向かっている時、先ほどのクレームを起こした調査員チームの三人は、足を強く踏み入れて顔に力を入れながら歩いて行った……そして、アサガオ府にある小さな白いドアを力一杯引いた後、一人の白衣を着た男性に山麓に愚痴を話していた……。


 「なるほど……やっぱり、ノック・ゼクスはマネーイズタイム社の兄弟企業……誰に対しても虚無な存在じゃのう……」

 「そうだよ……桐山きりやま先生……しかも、フューチャーファイターズのエースに仲裁を入れられた……! こんなんじゃ、俺達が圧倒的に不利だ……!」

 「まあまあ、そう焦らなくても……あやつらに手立ては十分とある……ひとまず、ウイルス因子に効く薬が必要じゃろう? 一旦診察を受けて、いつもの薬屋へと行きなされ」

 「おう、ありがとよ……やっぱり、桐山先生は安心できるな!!」


 調査員チームは急に肩の力を抜いた後、医者である桐山に対して敬意を払っていた……三人は処方箋をもらった後、薬屋へと向かっていったのだった……。



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