〈二章アウトロ:後編〉ドパガキ・パニック?!-3
ローデアの足取りを追いに、私達はオータム大通りの奥の方へと走って行った……奥へと進むと大きな雑貨屋やグッズショップの看板がハッキリと見える場所へと辿り着いた。ローデアは未だに姿を表していないが、雑貨屋の入口の前に見覚えがある三人の陰がハッキリと見えてきた……。
「駆に美菜、ラルクかい……? 服装からして、任務にあたっている所だけど、ローデアの足取りを掴んでるようには見えないな……」
エスカレーターと自販機が見える、雑貨屋の入り口付近にて、フューチャーファイターズの駆と美菜、そしてラルクが何か話し合っていた……ローデアの足取りを探していたらいいんだけど……。
「ちょっと、観てくれよ~~!」
「えっと……どうなさいましたか……?」
「ラルク……なに油売ってるんだ……? 命令出されているはずだろ?」
「ついさっき、ネリネが変な踊りをしている所、見ちゃったぜ~~! その上でニュースに挙げられてやんの~~!!」
ラルクは端末を駆と美菜の方に、笑いながらも見せていた……恐らく、今起こっているオータムシティの状態の記事を検索していた……ラルクは先程のネリネの写真を見せたら、駆はため息をつきながら話した……。
「あっ、本当だ……って、仲間が災難な時に笑っちゃダメだよ!」
「だってさぁ、この前楽しみに取っておいた、カナリアベーカリーの限定明太フランスを真顔で食ったんだぜ?! 俺あんとき、朝早くから並んだのに……せめてコーヒーか紅茶と一緒に食えってんだよ!! ってなわけでこれは仕返しだぜ!」
ラルクは頭に蒸気を放つぐらいに、愚痴をこぼしていった……ラッキーは『理由がしょうもねぇ……』って呟き続けいた……美菜はご機嫌斜めなラルクを宥める……。
「え、えっと……そんなに怒らなくても、また買えば大丈夫ですよ……明日は朝から予定が空いているので、その時に行きましょう」
「流石に迷惑かかっちまうから、美菜は大丈夫だぜ~~。あっ、変な踊りと言えば、こんなのも見つけたぜ~~!!」
「どうせネリネの事だから、ラルクが休憩スペースに置いてどっかに行っちゃうから食われちゃったんでしょ! ラルク……! そんなに人を出汁にすると――」
ラルクはアプリを変えようと、端末を操作した……すると、ラルクの端末から禍々しいオーラが放っていった……!
「あっ!! みんな……避けて!!」
「えっ?」
急に現れた、禍々しいオーラは三人に向かって、体内に入っていった……そして、先程の人達と同じような行動を起こす……!
「「「ドパガキ~~!!」」」
「一足遅かったわ……!」
「やっぱりな……あのクソったれはアタシ達が普段使ってる、端末を利用したんだよ……!」
スフィーリアはすぐさまに三人に向かって、リフレスを発動させた……その後、三人は動くことはなく、下を向いて立っていた……。
「でも、なんでしょっぺぇ方法でなんだ……?」
「それが、ローデアのやり方なんだ……! 長時間端末を使っているやつを標的にしたんだ……!」
「だったら、端末をそんなに使ってねぇヨーヨー小僧も水娘も乗っ取られてるんじゃねぇか!!」
「あのクソったれは使える奴は何でも使ってきたからな……標的じゃなくても、ワンクリックですぐに巻き添えにするつもりだ……」
「……! 皆様~~あちらを……!!」
睡蓮は大通りの、先程通った道の方に指を指していた……あのドロドロした壁画のような魂が一瞬で通っていた……間違いない、ローデアだ……魔物の『大怒破我鬼』の力を持ち逃げした上に取り入れたため、更に邪気が強くなっている……見つけただけでも体感温度が下がっていく……。
「ローデア……!」
「やっと見つけたか……追いかけねぇと……!!」
私達は急いで、大通りへと飛びながら向かっていくローデアを追いかけていった……近づくほど、段々と体感温度が下がっていく……。
すると、ずらりと並びながら生えている木の後ろ辺りで、見覚えがある尻尾がブルブルと震えていた……。
「うぅ……こんな事になるなら……外に出るんじゃなかったな……」
「ウル……何で弱気になってんだよ? エースファイターとしての意地はどうしたんだい?」
スフィーリアは木の方へと近づいて、耳や尻尾を垂れ下がりながら、震えている狼獣人に声を掛けた……すると、すぐさまに耳や尻尾を立ててスフィーリアの方に向いた……。
「うおっ?! ……何だ……寮母とイリル達か……脅かすなよ!! んで、レイト地方にいるんじゃなかったのか?!」
「お前の大声にビックリしてるんだ!! 今回の騒動なんだが……犯人はレイト地方からここへ来てるのさ……」
スフィーリアはウルにこれまでの経緯を詳しくハッキリと話していた……ウルは手を顎に当てながら軽くうなずいていた。
「なるほどな……正直言って、気味悪すぎだろ……」
「おかしくなったみんな、ローデアに操られてるって訳だ……それに、日常的な物を武器になっちまうなんてな……」
スフィーリアはため息をつきながら話していた……その後、後ろから急に邪気を感じる……! 私達は後ろから聞こえる声の方向に素早く振り向いた……!
「フン……それはどうかな……」
「おい、ゴミ魔法使い! おかしくなった奴らをさっさと元に戻せ!!」
「無理な相談だな……第一こうなったのは、貴様らがやる気を無くしたせいなのだからな……」
「少なくとも、あなたがその人達をおかしくしたのは、事実やないですか……これ以上騒ぎを起こすようなら、本当にお茶漬け状態で対応いたしますよ~~?」
「私がすぐに帰るとでも……? 冗談じゃない……! 私の得意マジックとこの悪霊を組み合わせた力をとくと味わうがいい!」
ローデアは禍々しいオーラを放った後、マジックを放ってきた……! すぐさま私は、向かってくるマジックを盾で弾き飛ばし、スフィーリアはフレイマを放って、何事もなかったかのように打ち消した……。
しかし、他のみんなはマジックを避けきれず、当たってしまった……!
「ゲッ……何だか身体が変になってくぜ!!」
「イリル……スフィーリア……逃げて頂戴……!!」
セナは大声でこう言いながら、禍々しいオーラを纏っていた……! そして、四人は大声でこう言い放つ……!
「「「「ドパガキ~~!!」」」」
ローデアは再び、去っていこうとした……恐らく、向かって右の方面……すなわち、大型の電気屋の方向に行ったに違いない……! スフィーリアは操られたセナ達の前に立ちながら、私にこう話した。
「ここは、アタシが……! ローデアはお前が追ってくれ……!」
「わかった……!」
私は、大通りにいる人々の事をスフィーリアに託して、ローデアが向かっていった電気屋の方へと走って向かった……。辿り着いたら、大型ビジョンの下に、二人の戦士の姿が……私は目を見開きながら、仲間の名前を叫ぶ……。
「笑……理央……!」
しかし、いくら名前を呼んでも反応がない……やっと、反応してきたと思ったら、ゆっくりとこちらの方を向いて来て――
「ま、まさか……!」
「「ドパガキ~~!!」」
笑と理央は、大声でこう叫びながら、奇妙な踊りをしながらも私に近づいてきた……! 途中で進むのを止めながらこう話してくる……。
「ドパガキ~~!! 広告のモニターを観ていたらぁぁぁ~~」
「ドパガキ~~!! 寮母が言ってたクズにまんまとハメられたぁぁぁ……!」
笑と理央は、少し残っていた意識を使いながら、私にこう話す……。
「気を付けてぇぇぇぇ! 街の映像が全部乗っ取られてるぅぅぅぅぅ!!」
笑が言っていた事を整理すると……オータムシティどころがメイキョウ地方全般に同じ様なマジックをかけていたらしい……! 辺りを見渡すと、避難させたはずの人々がこちらへと集まってきて……私と杖を両手で構えるスフィーリアを囲んでいった……!
「あっ……! しまった……!」
「拠点に連絡したら、隊長やオペレーター全員まで洗脳されちまってる……!!」
「スフィーリア……ローデアはメイキョウ地方のあらゆる映像にマジックを仕掛けたみたい……!」
私は笑が話していた事を、そのままスフィーリアに伝えていった……すると、上から禍々しいオーラを放った魂が笑いながらこう話した……。
「あはははは! これだよこれ!! 今のメイキョウ地方はもう、私のものとなったと同然だ!!」
「等々、このマジックもそう数は使えねぇ……あのクソったれを倒すほか方法がないな……!」
「なら……私が奴を……!!」
「ああ、そうか……くれぐれも気を付けてくれ……!」
私はライトシューターを片手に取り出して、ローデアに銃口を向けた……! すると、ローデアはニヤリと笑ってきて、低い声で話していた……!
「命知らずなトキワタリめ……お前には永遠に出られることのない『悲劇』に招待しよう」
「『悲劇』……?」
ローデアは再びマジックを使い、大きな穴を作っていた……私はローデアが作っていた穴に吸い込まれていった……。
「フン……計画通り……邪魔者を一秒でも閉じ込めておけば、スフィーリアを真っ先に倒せるな……さぁ……『自由な勝負』をしようではないか……! ……何を黙り込んでいるんだ……? まさかとは思うが、この偉大なる魔力に負けるのが悔しくて、泣きそうになっているのか……? どちらにせよ、勝ち目はないがな……ははははは!」
イリルが『フィルドー』に閉じ込められた後、ローデアは笑い声を交えながら、上から目線で話した……。スフィーリアは拳を握りしめながら、眉をひそめながら、足を強く踏み入れた!
「あっきれた……!! わざわざこの瞬間の為だけに、こんな事を仕掛けたのか?! 勝負は基本的に、互いに公平に競い合う事だろ?! でも、お前が行おうとしている『自由な勝負』は、無関係な人を巻き込んで、お前の方に有利な状況を整えている、ただの『自分勝手』だ!!」
「勝負に決まりがあるなんて、いつ誰が決めた……? これが、私の掟だとギルドがあった時から知っているだろう……?」
「まるで、勝ちを確信している言い方だな……決まった事ばかりが『当然』って思ってるのか? 『偶然』と言う出来事、全部が間違っているのか?」
「……? 何が言いたい……?」
ローデアは自身が仕掛けたフィルドーを覗くと、やや余裕が崩れるような表情で、マジックを放とうとしていた……。
「はっ、まあいいだろう……あの中に入っていった『トキワタリ』から先に始末してやろう。そして、最後はお前を排除するから、楽しみにしておけ……!」




