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3020ストーリー~『第二の地球』と戦士の記憶を辿りながら~  作者: ユニィウルフ
〈第二章〉未来を渡りし者へと告ぐ

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24-3 レイトミライフェスティバル3020 熱狂


 段々と空は綺麗な橙色へと変化していって、『レイトミライフェスティバル3020』は賑わいを絶やさないまま、会場に明かりを照らし始めていった……私達は様々なパピリオンやブース、アトラクションなどを体験していって、健やかな一日を過ごしていった……これまでの旅では全然ゆっくりできていなかったから、様々な歴史や文化に触れられて、いい経験となった……。


 そして、橙色から段々と月が見えるようなハッキリとした夜空になる時……私達は高い場所へと最新式エレベーターに乗って、風通しがよく会場が一眼とできる場所へと辿り着いた……そこには、手すりに腕を置いている男性の陰……『ダイヤモンド重工』の建設監督の勇誠が双眼鏡を首にかけて、鼻歌を歌ってた。


「よう、兄弟! 夜の目玉は、ドローンショーだ! 杏音もドローンの操作に参加してんだ! 全力で見届けてやるぜ!!」

「ドローンショーか……」

「楽しい時間はあっという間に過ぎ去るもの……いい経験になったよ……」


 きらりは優しい声で話していた……彼女にとってはこの博覧会はとても貴重な瞬間になるだろう……私もつられて微笑んでいた……。


 すると、その横から、大きく腰を振りながら、白いシルクハットを被った、パピヨンマスクのようなサングラスの女性がこっちに近づいていく……。


「Wow! フューチャーファイターズの皆さん! オミヤゲイカガデスカ~~?」

「ゲッ! なんじゃこりゃあ!!」

「あの~……ちょっと言いにくいのですが……あなたとこの人は誰でしょうか……?」


 栗子は、半裸かつ馬マスクのアクリル板を片手で掴んだ。ルッコラ一号は目を点にするような目で首を傾げる……。


「ワタクシ、『クリ・グミヨー』とお笑いサークルのサークル長の『ORA! ヤマダ』の限定グッズでございま~~す! 外国人には、結構売れているんですよ~~! おひとついかが?」

「すまねぇ……俺も杏音も、最近忙しくて……テレビ見る暇ねぇから、アンタはともかく、サークル長は知らねぇんだよなぁ……メイキョウ地方では知られてるんじゃねぇのか?」

「俺様も、知らねぇ……そもそも、メイキョウでは八二三とかいうハジケ女がいて……そいつと比べたら……影が薄いと思うぜ……」


 場の反応がしらけてしまう様子を見た、栗子は両手を頭で抱えながら膝をついた……。


「Shock! グミヨ……悲SEA!」

 (いや待てよ……さっきのAIアシストロボットちゃんが言ってた、八二三って人を我がサークルにご招待したら、レイト地方での人気も爆弾レベルに上がるんじゃないかしら……)

「……アタシ、ちょっとあっち行ってくる……」

「私も、ちょっと飲み物を……みんなは?」

「浩司達も、この辺りに来てるみたいだし、ちょっと行ってくるわね。イリルも行くわよね?」

「私は……もう少しこの景色を堪能したい……」


 私は、手すりに軽く手を置いて、この風景をじっくり見たいとセナ達に伝えた。


「分かった……先に行ってるね……」

「Oh?! ちょっとStop! 八二三という人はどんな――」


 みんなそれぞれの事情で、移動していく中、私は今いる場所へと残り、この『レイトミライフェスティバル3020』の全体を見下ろしていた。色とりどりなブースやパピリオン……ライトで照らされている、楽しそうに見えるアトラクション……この風景は自分達がシャドウ・インフルエンザの襲撃から守った成果だなと思うと、何だか心が潤ってくる……。


 『第二の地球』はまだ『ダークマター』を恐れている状況下ではあるけれど、私はそれでもこの時代を歩んでいきたいと思っていた……そう考えていたら、頭の中で似たような風景を目にしたのを見えて来て――


「はっ……!」 


 ふとした瞬間、私はあの時の記憶が、蘇ったかのように浮かび上がった!


――「イリルにライルよ……これが……『レイトミライフェスティバル』のドローンショーだ……今はまだ公開されていない新型のドローンを使うそうだ……」

「綺麗……」


 そうだった……あの時、博士が私とライルを連れて、過去のレイトミライフェスティバルより前の大規模な博覧会に連れていってくれたんだった……確か、あの頃は今のレイトミライフェスティバルよりは質素で、和風な構造が結構見られていたな……。


 でも、博覧会に行けただけでも、十分満足だったかもしれない……だって、『第二の地球』を開拓して間もない時だったから……。ライルは、月が浮かぶ空の下に飛んでいるドローンに指を指した……。


「見ろ……あのドローン達は『第二の地球』を上手く表現しているな……」

「本当だ……特にエメラルドグリーンが……」


 博士は『第二の地球』をモチーフにしたドローンを見て、笑顔で話していた……。


「『第二の地球』の未来がこれからどうなっていくのか、楽しみだ……」

「ねぇ、ライルはもしタイムマシンを動かせるとしたら……何に使うの……?」

「俺か……? う~~む……」


 ライルは腕を組みながら、長い沈黙の後、私の方を見ながら話していた……。


「何もしないな……何故なら、未来は過去で成り立っているからだろ……複雑になるほど過去を改ざんしても、現在よりも良い結果になるかも知れないが、宇宙が崩壊するほどに最悪の場合があるかも知れないからな……プロダンサーだって、幼少期から踊りを習っているからこそ、現在のプロダンサーに成り立っているだろ……? しかし、人によっては踊りは習っていたが、音楽家になったり、荷物運びの職に就いたりする奴も、結局は過去に成り立っている……俺は、こうして『第二の地球』に地に足をついて、イリルや博士……今はここにいないけど、セナと共に話せる時間……それだけでも、最高な瞬間だって思えるんだ……」

「……博士と同じだね……私も同じ考えだけど……結局のところ……出来事は何が起こるのかはだれも予測出来ない瞬間だからね……」



 ――私は思い出した記憶を目に浮かばせながら、ゆっくりと瞼を下した……そして、目を開くと、今の賑やかな博覧会の光景が目に見える……。


 結局……あの博士はどんな顔だったかは思い浮かべる事はできても、どんな人物だったのかは思い出せなかったな……これは推測だけど……博士に関しては、レイト地方にはなかったのかも知れないと思われる……。


 そう思うと、長くため息をついた……すると、後ろから突然声が―― 


「最高な一日だったよ」

「うん……えっと……あんたは……?」

「これをあげる。地球にいた時に懐かしくて買っちゃった……タイムマシンも、ジヲの事も守ってくれてありがとう……その時のお礼に……」

「どうもいたしまし……て……?」


 慌てて、目を開けた私は男性の姿を見た……?


「待って……あんたはまさか――」

「これからの『ツェーン星』の未来は、全人類で創り上げるんだ」


 風に吹かれて、目をつぶった瞬間、その人の姿はなかった……なんだったんだろう……しかも、『ツェーン星』って……。


「イリル……もうすぐドローンショーが始まるよ……」

「あっ……うん……」


 向かってくるきらりに手を掴まれて、みんなが集まっている場所へと案内しながら進んでいった……私は、先ほどの出来事に、心当たりがある人物を一人挙げていた……。 


「ねぇ……アインスって……」

「おーい!! そろそろ始まるで~~!!」

「えっと……スペシャルゲストにアーティストの『アンド・ロイナ』さんのいるようです……! 杏音さんもドローンを動かすので……何だか緊張します……」

「お前が緊張してどうすんだ! オレ達は見届けるだけだろ!」

「まぁまぁ~、オデも緊張しすぎて、ジュース飲み過ぎちゃったよぉ~~スポーツ大会でレイト地方代表が出ている試合を観る感覚だな~」


 私が心当たりがある人物の名前を口にすると、傍にいた仲間たちの言葉に搔き消されてしまった……きらりは聞こえていないのか、首をかしげる……。


「どうしたの……?」

「いや……何でもない……」


 私は首を横に振った後、みんなが集まる場所へと行く……きらりは歩きながらこう口にした……。


「キミはレイト地方を後にして、これからはどうするの……」

「私はセナと一緒に、次の目的地に行くよ……さっきも言ったように、まだ思い出せない事も沢山あるし……ライルの場所だって……きらりは……?」

「山麓の所に行って……手伝いに行ってくる……私の他に、まだ『第二の地球』を放浪としている宇宙人がいるかもしれないから……」

「そうなんだ……見つかるといいね……」


 私は、先ほどの人物が口にした言葉に関して、きらりに質問した……。


「ねぇ、きらり……聴いた事があるかどうか分からないんだけど……『ツェーン星』って……?」

「……本当に言っていいんだね……?」

「うん……」

「ドローンショーと一緒に話すね……正体は……『第二の地球』系、大九惑星の『十』番目の惑星だったんだ……」



 とある『奇跡の星』を真似して造って、こう話しました……。


 『奇跡の星』には、人々に大切な青く光る水や緑色に広がる自然や空気が取るに足らない程に広がっている……そして、その環境には無数の生命体が健やかに、平穏に過ごしている……。


 魂の種族の『アー・シリア』はまるで無能な生活を送っていました。彼女は周りに置いてきぼりにされるかのように、追いつけない日々を送っていました……。そのせいで皆に散々な扱いを受けてしまいます。しかし、彼女は行動を起こすと、周りの反応が目を丸くしました……そう、彼女はあの星のような物を創り出すと言い出しました。


 「いつか、自分が創り上げたこの星が『第二の地球』として認めてくれる日がやって来るとしたら、更なる『可能性』が現れるかもね……こうなった場合、他のみんなも驚くだろうな」と彼女は呟いていました……。


 「ゼロからスタートする星を込めて『ヌル星』にしようか……この名前だと……私と同じように『無能』や『未熟者』の星を連想させるから、少し可哀想ね……そうだわ、ゼロを残しつつも……まるで『十人十色』の意味も込めて、『ツェーン星』と名付けることにするわ……」


 こうして一つの星が誕生しました……その代償として、彼女は力を使い果たしてしまい、消えかかっています……アー・シリアは自ら創り出した『ツェーン星』の誰もかもたどり着けない、惑星の中へと眠りにつきました……。


「『第二の地球』の本名って……『ツェーン星』だったの……?」

「うん、『アー・シリア』は生命体を深く愛していた……例え、あの地球がいずれ長くは保てないと思い、地球を真似して、一つの星として生まれ変わった……キミがよく見る『Typeの力』は『アー・シリア』の残した地脈と、どこかで生まれた『属性術』が複合して、誕生させた力なんだよ……」


 きらりは今行っている、ドローンショーの下で、『アンド・ロイナ』の歌声に乗せながら、『第二の地球』の経歴を熱く語っていた。その間、ドローンショーに夢中になっているありとあらゆる生命は、『レイトミライフェスティバル3020』中、熱狂の嵐となっていたのだった……。



――「トキワタリのイリル……本当にありがとね……さてと、そろそろ僕も行かないといけない……でも、たまにはあの時代へと帰って、家族全員とじいや達に挨拶しないとね……」


 とある男性は、薄暗い遺跡に地に足をついている中……『古代タイムマシン』を優しくなでていた……。


「ああ、そうだ……ご先祖様にも挨拶しに行かないと……同じアルタリアス家として、恥を掻かないようにしないとね……」


 男性はもう動くはずのない『古代タイムマシン』を動かして、鼻で笑いながら、姿を見えなくしていた……。


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