23-5 結合する、二つの『道』
私はシャドウ・インフルエンザが攻撃のチャージをしている隙に、奴の内部に、上手く侵入することが出来た……入ることは出来たけど、きらりはどこへ……薄い暗い内部に、禍々しい上に息がしづらい空気……急いで見つけ出さないと……。
すると、薄暗い場所でうっすらと光っている青い光を辿りながら、走りながら追いかけていく……すると、良く分からないガラス状のカプセルの中に、横になっているきらりの姿が……!
「……リル……?」
「きらり……!」
「イリル……来てくれ……たん……だね……」
きらりは、青いエネルギーを纏いながら、細くて小さい声で話していた……きらりは、歩いているのがやっとなぐらいに力一杯歩いて、私の方へ進んで行く……。
「ねぇ……思い切って……質問していいかな……」
ガラス越しに、手のひらを前に張り付いて、息を切らしながらも突然質問をされた……。
「何でここで? 出てからじゃダメ?!」
「インフルエンザがフィーア星人の特有の力を欲しがっている……もう自分の力では身動きが取れない程に……このままだと……消えちゃう……」
「待って……! せっかくあんたが導いてくれたのに……諦めちゃうの……他の選択肢はないの……?!」
「ある……けど……」
きらりは思いっきり息を飲み込みながら、私にこう話した……。
「話す前に……答えてほしい……」
きらりは私にこう呟きながら、問いを出題する……。
この『第二の地球』の者たちは何故、平穏でいられるんだろう?
この『第二の地球』の者たちは何故、欲に狩られるんだろう?
この『第二の地球』の者たちは何故、涙を流すことを許されるのだろう?
「『道があるから』……あんたがよく言う『可能性』と言う『道』がね……」
私は、これまでの経歴をゆっくりと話した……一旦深呼吸をして、目を見て物語を伝えた……。
「私はライルと会うまでは、まだ強い戦士とは言えなかった……でも、『リファ』っていうフィーア星人が私の未来を予言してくれた……そこで、ライルと出会って、シャドウ・インフルエンザの他、数々のウイルスを倒していき、力がついてきた……でも……ライルがダークマターの封印をする為に自ら犠牲となり消息不明になってしまった……今の『第二の地球』に繋がってるけど……どうしても受け入れられない事だった……そこに、タイムマシンが現れて、ダークマターとの戦いに終止符を打つために、3020年にタイムスリップした……でも、エンジントラブルによる事故で記憶喪失になってしまった……この時代で最初に出会った少女、『美川 笑』との合流を通じて、私は様々な事を学んで、かつての時代の記憶を思い出してきた……そして自分が誰なのか思い出してきて……最終的に、『シャドウ・コロナ』を討伐できた……」
きらりの足は半透明から、消えつつあるも、微笑みが戻ってきた……。
「キミは……数ある『災厄』が降りかかっても、『道』を歩み止めなかったんだね……」
「……うん、その笑って少女も孤児院で育てられ、絵本がキッカケでトキワタリに憧れを求めたんだ……そして、フューチャーファイターズに入団して、双子の姉と再会したんだ。入団当初はまだ知らなかったらしいけどね……他のみんなにも沢山の道がある……『属性体』を抱えても、上手く向き合う少年や両親を亡くしながらも、マジックに励む少女……人付き合いが分からなくても、一生懸命に協力する狼の剣士に毒親に育てられても自分らしく生きようとする、メイキョウ部隊の隊長と未来の歌姫……そして……『古代タイムマシン』こと『タイムマシン第一号機』の創造者……『アインス・アルタリアス』……幼い頃で経験した、人生最後の一家団欒……『温かな瞬間』を再び足を運ぶため、タイムマシンを長年の年月を掛けて、制作をした……。タイムマシンを産み出すのを辞めていたら……今の私やライルは居なかっただろうと思っていたよ……私はアインスには心から感謝しているよ……」
きらりは身体の部分まで、消えつつもあるも、この事を話していた……。
「うん……最後の質問だけど……キミの道を阻む存在が出てきたら……?」
「私は……その様な事があっても……戦士としても『トキワタリ』にしても、絶対乗り越えてみせる……まだ、記憶喪失でこれまでの経緯を全ては思い出せていないんだけど……ライルがまだ『ダークマター』を食い止めてくれるって信じてる……唯一手元に残っていた片手剣と、亡き人達が預けてくれた、ハンマー……そして、リファとジヲが手を組んで守り切った、ライトシューター……そして、リグルが遺していった、どこかにある他の力も見つけ出さないといけない……それで、この時代に光を灯す事……これが、『トキワタリ』の意味だと思う……」
「キミの『道』というものをどうとらえているか、聞けて良かったよ……」
きらりはガラス越しに私の手に合わせてって合図をしていた……そして、私はきらりの合図通りにゆっくりと手を合わせる……すると、両手が青いエネルギーを纏い、きらりを閉じ込めたカプセルはヒビが入る音がしてきた!!
「……? きらり……?」
「今すぐ……『修正』を終わらせよう……キミに最後の力をあげるね……キミはこれから『第二の地球』の誇りになると思う……これから私は……キミの『道』となります……これで、『奇跡の星』は救われる……」
イリルがきらりを救出している頃……ほとんどのキューブ状のメカは煙を出して床に転がっていった……五百子は倒れていたが、すぐに起きて……咳き込んでいた……。
「ゲホゲホ……! 受け流すのも楽じゃないよぉ~~でも、何とか上手く行った……」
「あいつ……まだ動けるのかよ……!! イリルはまだか!!」
シャドウ・インフルエンザは紫の光をつけながら、高笑いをしながら立ち上がろうとした……!
「無駄な足搔きをしてくれたな……! 『リバーライズ』をするのには、まだあるのだ……! 貴様がどれだけ苦労しようとも現実は実に残酷で、報われぬ……貴様らの未来は無意味……そして、他人の成果を破壊するのはどれ程最高なのか……我の勝利だ!!」
「……! 緊急通達、シャドウ・インフルエンザが再びエネルギーの再チャージを確認……!! 今度は遥かに火力数値を上回っています……!! 睡蓮……! これって……」
「ダメです……全部アクセス出来へん!! イリルさんがきらりさんを無事に救出出来ることを祈ってるしか……」
――大丈夫だよ。
パリーーーーーン!!
「何や?!」
「見よ……! インフルエンザの頭上に……!!」
突然として、シャドウ・インフルエンザの頭上から、青い光が……すると、勇敢な戦士とフィーア星人らしき人物が、ライトシューターを持って、浮かんでいた!
「イリルときらり……!」
イリルときらりは、青い光を纏いながら、インフルエンザに立ち向かう……! きらりは鋭い目つきでこだまを鳴らしながら、インフルエンザに指をさしていた!
「ズィーヴェン星人の王……そして、シャドウ・インフルエンザ……キミは数々の『可能性』がある中で一番卑劣で残忍な星を選んだ……宇宙全人類の『可能性』を踏みいじる行為は断じて、許される行為ではない……!!」
「……解らぬ……『これからの未来』には、ちっぽけな民族の犠牲が必要だというのに……」
「犠牲とは、誰かの道の先を切り拓く為に自ら行う事……しかし、キミが言う犠牲はズィーヴェン星の復活の為に、無関係な人物を素材にする、タダの殺人行為に過ぎない……!!」
「陽人……あんたはアインスの顔に泥を塗った……あんたは『トキワタリ』の意味を全く分かっていない……アインスはタイムマシンを創って、『温かな瞬間』がある時代に行こうとしていた……アインスにとっては大事な時間だった……私も考えていた……過去も現在も、繋がるから未来が産まれる……私はこの未来を切り開くためにやって来た……これが、『トキワタリ』の意味だよ……!」
「そして、イリルもセナもみんなも……私の為に……全力を尽くしてくれた……そして、これがその成果だよ……! そして、『これからの未来』に全力を尽くす……! 私にとっての……『ミライとは何か』……!」
イリルはライトシューターをインフルエンザに向けて、ブラストを発動する……!
「全ての未来は、『変化』と共に『成長』を渡る……!!」
きらりも、両手を捧げて、青いエネルギーを溜めていた……そして、背後から星が出現して、インフルエンザに飛ばす……!
「フィーア・シューティングスター!!」
「無駄だ……!!」
シャドウ・インフルエンザはイリル達に向かって、最後の力をふり絞り、エネルギー弾を放った……! すると、イリル達の攻撃の威力には敵わなず、エネルギー弾は押されていった……!
「あっ……!」
シャドウ・インフルエンザは青いエネルギーを抵抗もできずに喰らい、塵となく破壊していったのだった……。
「うわぁぁぁぁぁああああ!!」
「永遠の道となれ……」
インフルエンザが、青い光で爆発をした後……イリルときらりはゆっくりと降りていく……きらりは喜びを見せるも、細い声で話していた……。
「やったね……イリル……」
「……!! きらり……!!」
きらりは地に足が着いたとたん、段々と消えかかっていた……そして、もう何もないかのように消え去る頃には……イリルは膝に地面を付いていた……。
「きらり……笑えない冗談はやめてよ……!! あんたの結末は……!!」
「……ごめんね……『運命の人』……こうなる事は……分かってたんだ……これからは……」
「あんたの結末がこれになるぐらいなら……こんな……こんな『道』は……進まないよ!!」
――もう、大丈夫……。
「おい、セナ……! あっちから青い何かが……!?」
「え?! あ、あら……? 姿がきらりにそっくりだわ……! でも……」
――『運命の人』の言うとおりだわ……我が子には……もう少し『道』がある……。
「これで……イリルの『可能性』は……ずっと……」
――らり――きらり――きらり……!
「えっ……この声……ママ……?」
「あなたの『可能性』は……ここまでじゃない……」
どこからか聞こえた声が、きらりを心配そうな目で飛び上がり……エネルギーとなっていく……そして、他のフィーア星人らしきエネルギーも次々と集まって、人の陰となり宙に浮かび上がってた……!
「うわぁ! また光の柱かいな?!」
「でも、今度は青くて綺麗や~~!!」
「……!!」
――やっぱり、私にはまだ、選択の余地がある……まるで、いくつかある星々のように……。
空から、きらりがゆっくりと降り立っていき、イリルの方へと振り向いて、にっこりと笑っていた……!
「キミなら、上手くできるって信じてたよ……」
「きらり……? 本当にきらりなの……?」
「うん……」
「良かった……無事でよかった……」
イリルは目を潤いそうになりながらも、きらりをぎゅっと抱きしめた……そして、会場内では大きな歓声が繰り広げられていた!!
「……なんてことでしょう……『シャドウ・インフルエンザ』は完全消滅……! そして、一人の少女の救出……フューチャーファイターズの今後の活躍に期待しています……!」
マイクを持ったレポーターがカメラマンに、現在の会場の状況を伝えていった……一般人に紛れ込み、外に出ていたウイルス三人組は、カメラマンを見て、慌てて逃げ出していった……!
「ゲッ!! 報道陣だわ……! 早く撤退しましょう!!」
「「「また来週~~!!」」」
こうして、レイト地方と『レイトミライフェスティバル3020』の平和が戻り、人々は喜びの声に包まれていったのだった……。
――そして、翌朝……。
私達はベッドから降り立った後、背筋を伸ばしていた後、部屋から出ていき、ロビーへと歩いて行った……ラッキーは短くため息を付いていた……。
「結局、『レイトミライフェスティバル3020』は延期になっちまったか……」
「今回の事件で犠牲者が一人もいなかったことが奇跡ね……」
結局、安全面や破壊された部分の修復を兼ねて、『レイトミライフェスティバル3020』は延期となっていた……ロビーにたどり着くと、上品に立っていた女性の姿が――
「皆様、おいでやす~」
「ゆゆ、何だか嬉しそうね」
ゆゆはにこやかに鼻で笑っていたものの、明るい声で話していたため、嬉しいことがあったかのように感じた。
「ええ、『レイトミライフェスティバル3020』の新しい開催日が決まりましたので、お知らせいたしました~~その上で『第二の地球』の危機を救ってくれた、フューチャーファイターズの皆様には無料でご招待いたしますと、新しく主催者となった山麓はんのご提案も兼ねて伝えにやって来ました~」
ラッキーは扇子を持っていたゆゆに対して、目を見開きながら話していた……。
「一週間後?! そんなに早くて大丈夫なのかよ!!」
「山麓はんが、腕が成り立つ建設会社を手配して、『ダイヤモンド重工』の助っ人として、連携を取ったそうどす~~特に勇誠はんは残業してても仕事しておったそうなんで、予定よりも早く頑丈な施設が出来そうだと言っておりました~~」
「より一層、楽しみになってきたぜ!!」
ラッキーはその場でジャンプしながら、話していた……。
「ありがとう、ゆゆ……後それと、誘いたい子がいるんだけど……」
「ええ、この博覧会はお客様が多ければ多いほどええんどす~~こちらこそ、おおきにね」
ゆゆは、私の方をじっくりと見て、笑顔で礼を言った……セナはゆゆの表情を感じ取るかのように見ていた。
(イリルの方をじっくり見てるわね……よっぽど、『トキワタリ』の話が好きなのかしら?)
ゆゆはその後、用事があるからと、ベンツ車に乗って去っていった……私もセナに頼んで、とある仲間に連絡して、『レイトミライフェスティバル3020』に誘いのメッセージを送った……。




