23-1 博覧会の混乱
『レイトミライフェスティバル3020』……だったはずの賑わいが、一瞬で血が流れる戦場化としてしまった……それは、主催者の『古鴨 陽人』がウイルス側の宇宙人、『ズィーヴェン星人』の王だったことが判明し、陽人がこの大規模な博覧会を利用して、『ズィーヴェン星』を蘇らせる事を企んでいた……!
その影響で、『レイトミライフェスティバル3020』は顔を真っ青にしていた観客たちは、すぐさまに、『緊急脱出アプリ』を使用して、会場の外へと避難していった……どうやら、『ノック・ゼクス』の睡蓮が提案して、配布していったアプリで緊急事態の備えが役に立った。
陽人が、指を鳴らしていた後に赤紫色の光柱で出現したホールの内側から、数々現れてくるズィーヴェン星人や数々のウイルスまでもが飛び出してくる。もはや、倒す事は出来ても、気力が持ちこたえられるか分からない……杏音は、ドローンを片手に投げ、ドローンから放つ『Thunder』タイプの攻撃を当てるも、追いつけない程の数で圧倒されてしまう……。
「これじゃあ……いくら倒してもきりがねぇ……」
「下がってろ、杏音……」
勇誠は、ズィーヴェン星人の群れの前に立ち、グローブを装着しながら、Typeの力を纏った……!
「この拳で! オラオラァ!!」
勇誠は目に見えない程に高速で、拳をズィーヴェン星人の群れに突き出した……!
すると、『Dragon』タイプの力がズィーヴェン星人の身体に付着して、龍の息吹を喰らったかのようなオーラが出てきたのであった……駆けつけている、雷美と風雅も攻撃を開始する。
「すごいじゃん、これでアタシ達の攻撃が通りやすくなるはず……」
「Oh !! 沢山のウイルスが……沢山!! うちの観客がこれだけいたらハッピーなのに!!」
「……ん? 逃げ遅れたお客さん? 杏音ちゃん、誰だか知ってる?」
パピヨンマスクのような眼鏡をかけた女子高生が、腰を左右に振りながらハリセンのようなものを片手で持っていた……。
「あ~~……同じ学校だが、高等部の1年B組の『田塚 栗子』、芸名は『クリ・グミヨー』……だったような……」
「結構個性的な子ね……それよりも、ココは危険よ! 早く『緊急脱出アプリ』を使いなさい!」
セナは栗子の事を心配しながら、急いで端末を立ちあげるように話した……しかし、栗子は使おうともせずに、杏音を見て準備体操をしながら、杖を取り出した。
「Yes! YouはA組の関さん! せっかくだし、私もお手伝いさせてくださいな!」
栗子はズィーヴェン星人の群れに向かって、左手は挙げながら、右手は杖を持ちながらこう叫ぶ。
「Hey! タキシード!!」
「ドワァァァァァ!!」
栗子はズィーヴェン星人の群れに背くと、『Fire』タイプのマジックを使い、爆発を起こした。すると、ズィーヴェン星人の群れは一瞬ですぐ吹き飛んで行ってしまった……。
その後、場の雰囲気は何とも言えない雰囲気となっていた……。
「Why? 観客が飛んでってしまい舞妓さんですね~~……」
「……お前の今の攻撃が凄すぎて、逆に引いてんだよ……!」
「Oh! それは、Sorry!!」
栗子は深くお辞儀をした……杏音の横にいた勇誠は歯を見せて、親指を立てた……。
「でも、お陰で助かったぜ! 栗子ちゃん!」
「あの方……Fireのマジックである『フレイマプロ—ト』をうまく使いこなせるなんて、憧れますぅぅぅ……」
「美羽! 見とれてる場合か?! 早く『緊急脱出アプリ』を使えない客を案内させる方が先だ!」
栗子のマジックを見て、目を輝かせていた頭の上に、六は足を踏み入れた……。
「あわわわっ!! 今行きます!!」
六は美羽を道案内して、端末が使えない観客を安全な場所へと避難させるため、この場から動いた……ラッキーは目を細めていた……。
「……レイト地方の奴って個性的だな……」
「メイキョウ地方の奴も負けてねぇと思うぜ……それはさておき、急いで他の場所にいる奴らもをさっさとやっちまおう!!」
杏音が手元にあるドローンを飛ばして、ズィーヴェン星人達に攻撃をする。私達も全力で戦い、撃墜しているがいくら倒してもきりがない程に湧き出ている……。
すると、大きな広場のどこからか勇ましい声が聞こえてきた気がしてきた……。
「こいつらを倒しても無駄だ! ホールを封じ込めれば、二度と湧いてこぬ!」
「隊長……? 今まで、交渉へと行ったきり、どこへ行ってたのでしょうか?」
「『ノック・ゼクス』の皆と『予備ぷらん』とやらを実行して、遅くなってしまった……少し下がっていろ……」
祐郎は、手を差し伸べて、支えるほどがやっとなぐらいの大きさな太刀を両手で持った……祐郎はその太刀を握りしめて、言葉を口にしながら、光の柱に振りかざす。
「この一戦へ誓おう……! はぁ!!」
祐郎は両手で勢い良く、振りかざして、『Earth』タイプの力で攻撃をした……すると、光の中にあった、淡い赤紫色のホールは、木端微塵として消滅していった……。
「このホールは壊せたんやな!!」
「ああ、先ほどのような、ウイルス因子が不安定な物ならばな。しかし、その分、ホールは別の場所に再び開いてしまう……それまでは我はこの辺りで対処させてもらおう……」
「いや……こいつらはオレがやる……」
祐郎が地についている場所の近くに、黒い影が現れて、人の姿が出てきたのだ……。
「何者だ……?」
「久しぶりだ……祐郎、本来はこんな形では会いたくなかったがな……タットンは私が支えるから、イリル様と共に、陽人とやらの元へと向かうと良い」
「『ネウラ』?! 本当に無事だったんだな……了解した……あの頃のように、再び協力しよう……」
「うむ……」
タットンも、この場に駆けつけて、両剣に扮したネウラを片手で持っていた……その場にいたみんなは目を丸くしながら話していた……。
「あの喋ってる武器くんと、隊長さんって知り合いやったん?!」
「せめて、武器さんと言わんか! 隊長と同年代の戦士やって!」
何も知らないみかんは、『武器くん』との呼び方に、リトは突っ込んだ……。
タットンも加勢してくれると聞いた風雅は、お辞儀をしながら話し、雷美たちはもう戦う気が満々の状態でいた……。
「お二方がいてくれたら、助かります! それでは……僕たちは――」
「タットン君がいてくれたら頼もしい~~! アタシ達はホールを潰しに行こう!!」
「待ってくれ! 雷美! ホールを壊す前には――」
「守ってるウイルスをぶっ飛ばせばいいんだろ? 『ダイヤモンド重工』の名を見せつけてやるぜぇ! 浮島の兄妹もやるよな?!」
「そうですけど……って、待ってください! 作戦は――」
風雅は先行する雷美たちを追いかけながら走って行ってしまった……風雅は涙目になりそうになりながらも戦う気ではいた……。
そして、私達は大型のモニター画面の前に立ち、陽人は映像越しで、ため息を付いていた……。
「……分かりませんね」
「この言葉をそのまま返そう。全て聞いておったぞ……まさか、『シャドウ・インフルエンザ』を再び目覚めさせ、『ズィーヴェン星』を復活させようと企ててたとはな……」
「申し訳ございませんが、あの頃と同じ失敗は繰り返したくありません。私と協力してくれれば、誰もかも血を流さずに生きていられますがね……」
「我々フューチャーファイターズは、お前がしているような『第二の地球』を餌にするような計画には一切協力に応じない。それどころが、羅城の言う通り、この計画は『第二の地球』の全生命を敵に回す行為に値する!!」
祐郎は体が火照るような声と、強く握り締めた拳で、勇ましい姿勢を見せた……それを見た陽人は、視線を下に向いて話していた……。
「レテス地方のみじゃ……ズィーヴェン星の草原ですらなりませんでした……」




