※3 いざプレイ?(弟)
第1章 冒険のはじまり
※3 いざプレイ?(弟)
ザクラがさっさとキャラメイクを終えプレイしている横でショウマはキャラ選択に苦戦していた。
姉が[ハト]を選択することは知っていたので、同じように一緒に飛んで戦おうと思っていたのであるが…ショウマの目の前に表示された画面は次の通りであった。
1 鳥類SSR:カカポ(鳥類S:飛べない)
特技1:誘惑の匂い(敵をおびき寄せる)
2 鳥類R :キジバト(サイズS)
特技1:意思疎通(チームを結成できる)
3 鳥類R :ハシブトガラス(サイズM)
特技1:意思疎通(チームを結成できる)
ショウマにもお気に入りの動画配信者がいた。その配信者はSSRキャラである[ツキノワグマ]を駆使し、敵の真正面に立って堂々と戦うスタイルの[PU-3]というプレイヤー名の中年男性であった。
ショウマ自身もそういう戦い方にたいへん憧れていた。ただ、ほとんどのキャラが敵の攻撃を受けていつまでも敵の目前に立ち続けることなどできないため、現実として自分がそういうプレイをするのは難しいだろうとは感じていた。なので、それなら姉と一緒に空で戦って楽しもうと考えていたのであるが、SSRのキャラならもしかしたらそういう戦い方ができるかもしれないと考えたのである。
また、同級生にもすでにプレイしている子はたくさんいたが、そのなかで特に聞いていたのは、「SSRっぽいキャラを実際ゲームの中でほとんど見たことがない」ということだった。この[動物になろう]でキャラ選択の再表示をさせるには一旦アカウントを消去し、再度アカウントを作製すところから始めないといけない。この時に同じ器具でのアカウント作成は消去時から一ヶ月経過しないとできないことから、いわゆる[リセマラ](リセットマラソン:リセットを何回も行い、希望のキャラがでるまでやり続けること)ができないゲームと認識されていた。公式にどれくらいの確率でSSRが出るのか発表されていないが、先の動画配信者[PU-3]は30台の機器を用意してSSRキャラが出るまでリセマラをするという配信を過去に行っており、企画開始から3か月後の105回目で見事[ツキノワグマ]を引き当てた。(なお、その時に使用した残りの29台は[視聴者プレゼント]としたそうである) それ程にSSRのキャラと出会える確率は低いのである。
で、今、ショウマの目の前に表示されている[それ]は紛れもないそれであった。
普通なら迷わずSSRのカカポを選ぶ。が、なにぶん、「飛べない」
それは姉と同じように戦えないことを物語っており、しいては[鳥類]というハンデを背負って陸上でプレイするということになるからだ。ショウマは姉と違い[鳥類]は[哺乳類]より攻撃力、防御力は弱いことを知っており、飛べない鳥が敵の攻撃を受けながら戦う姿を想像できなかったのである。
父親に[カカポ]なるものを調べてもらうのにゴーグルを外し待っている間、横のサクラは同じようにゴーグルを外し「もう飛べない…」と呟いている。早くプレイしたい気持ちがはやるものの、このキャラ選択が今後を運命付けることになるのは充分承知しているので…本人はさらに戸惑っていた。




