※10 友達たちと共闘4
第1章 冒険のはじまり
※10 友達たちと共闘4
こういったMMOゲーム(多人数参加型オンラインゲーム)をプレイし始めた人間がつまらないと感じ、ゲームをやらなくなる理由のひとつに[一人プレイで行き詰まる]というものがある。友人等と複数人で遊び始めた場合はともかく、一人でゲームを始めた者は例外なく各地に点在するボスを一人で倒せずにいる。それは多人数で遊ぶことを目的としてゲーム難易度が作られているため、基本的にはボスを一人で倒せないように作られているからである。(ひたすらレベルを上げて自分より弱いボスに挑めば一人でも勝てようが、そこまでレベルを上げるだけのモチベーションを保てないのである)
しかし、ボスを倒すために誰とも知らない人がいる共闘部屋に参加し、勝手を知らないが故に戦力になれず、パーティーを組んだメンバーから「役立たず」と言われるかもと考えると共闘部屋への参加のハードルが高くなって、一人でゲームをすることになる。 結果、続かないのである。
上記の問題の解決策として[動物になろう]の運営陣は、ベテランプレイヤーたちに初心者が入りやすい環境にしてもらおうという方法を試みた。まずはベテランプレイヤーたちに[ギルド]に所属する旨味を用意し、その[ギルド]が成長していけばそれだけ大きな恩恵を受けれるというものにした。すると各[ギルド]は当然にメンバー増員のための勧誘活動を行うようになる。その勧誘活動とは[初心者の方のレベ上げ手伝います]部屋の存在だった。
このタイトルの部屋では、上記で説明したような初心者プレイヤーが共闘部屋に入っても他のメンバーが初心者とわかって接してくれるし、なにより行き詰まっていたゲーム進行がレベルが上がることにより解決したり、強いプレイヤーたちが協力してくれて進むようになったりするので、共闘部屋に参加する心のハードルが低くなるのである。もちろん、ベテランプレイヤーたちは勧誘を目的としているので、「楽しい!また一緒にプレイしたい」と言ってもらえるよう皆で優しく接し、その結果、自分たちの[ギルド]に勧誘できたのならそれは双方ともに良しなのである。
運営陣はこれらを円滑にするため、あるボス部屋に[無敵ゾーン]を作ったのだった。それは以前に新人を連れて一緒にボス部屋に入ったものの、その新人のみが倒されてしまいスタート地点に戻ってしまうという事態が頻繁に起こり、プレイヤー陣から多くの要望があったために作ったものであった。
今回、兄のキヨシはショウマをこの[無敵ゾーン]があるボス部屋に連れてきたのである。
「この先がボス部屋だよ」っと言われ見た先は、森の木々の中に続いていく道があり、その向こう側に池が見えた。実際、ボス部屋と言っても部屋ではなく見た目は普通のフィールドであるが、一定の空間に閉じ込められておりこの入り口以外に自由に出入りはできないらしい。
ショウマたちが池に向かって歩いていくと、[クイーンビーの巣]という看板が道の脇に立てられていた。その看板の横を通過した瞬間、それまで何もいなかった池の上に大量の蜂が現れた。
キヨシ:「ショウマ君、あの石がわかるかな?あの下に入れるようになっているから、このあたりの蜂をボクたちが掃除している間にスキを見て入ってくれるかな?」
ショウマ:「分かりました、でもボク遅いので攻撃受けたらスイマセン」
キヨシ:「大丈夫、こちらは二人いるから近寄らせないよ」
打合せも程々に、二人はどんどん倒していくので、そそくさと石の下に入るのであった。




